Priestsは米ワシントンD.C.で結成された4人組(男2、女2)のポスト・パンク・バンド。デビュー・アルバムはKatie Alice Greer(ヴォーカル)、Daniele Daniele(ドラムス)、Taylor Mulitz(ベース)、GL Jaguar(ギター)の4人に、Kevin Erickson(シンセ、ギター、パーカッション)、Janel Leppin(チェロ、メロトロン、ペダル・スティール)などが参加することで、パンクの足枷に捉われないサウンドを生み出している。暴走パンクから一転スロー・ダウンして、アルト・サックスが乱入する〈Appropriate〉、「何もしないでいると、ついには本当のことを幻覚するようになるかしら」とAliceが歌う〈Nothing Feels Natural〉、Danieleのプログラミングしたドラムマシン(TR-707)とコーラスによる〈No Big Bang〉、「乳がん月間」(Breast Cancer Awareness Month)でピンク色にライトアップされた米大統領官邸を連想させる〈Pink White House〉‥‥アルバム・カヴァをピンク色(カラー写真)に加工しているのは、この曲と関係があるのかもしれない。
コリーン・グリーン(Colleen Green)は米ロス・カリフォルニア出身の女性SSW。ドラムマシンと爆音ギターというソロ・スタイルだったが、3rdアルバムはColleen Green(ヴォーカル、ギター)、Jake Orrall(ベース、シンセ、ハーモニウム、シュレディング)、Casey Weissbuch(パーカッション)という3ピース・バンド編成でレコーディングしている。ちなみにマスターはシミー・ディスク(Shimmy Disc)を主宰していたKramerが行なった。可愛いヴォイスとノイジーなギターのミスマッチ。クールなエレクトロ・ビートの〈Deeper Than Love〉やグランジ風ヘヴィ・ロックの〈Things That Are Bad for Me (Part II)〉も耳に残る。グリーン(緑)という名前なのにピンクのノースリーヴを着て、トレードマークの黒いサングラスにパーティ・ハットを冠ったアルバム・カヴァは滅茶苦茶お茶目です。
「ピンク・アルバム・カヴァーズ」という記事を思いついたのは相次いでリリースされた2枚のアルバム(PriestsとThe Courtneys)に、Ariel Pinkが稲妻のように閃いた時だった。更に映画「Pretty In Pink」のサウンド・トラック盤やHoleのデビュー・アルバム《Pretty On The Inside》(Caroline 1991)なども思い浮かんだ。「プリティ」と「ピンク」以外に何の脈絡もなさそうな連想ゲームだったが、奇しくもCourtney という姓、Love(Hole)とLoove(The Courtneys)で繋がっていたのだ。一見関係なさそうなものが裏で密接に繋がっていたという事実はインスピレーションの源泉を掘り当てたようで愉しい。Holeのアルバムも鮮烈なショッキング・ピンクを基調色にしていた。Kurt Cobain(Nirvana)もピンク色に染まっている。Ariel Pinkの〈Dayzed Inn Daydreams〉の歌詞の中に出て来るし、ガス・ヴァン・サントの処女小説『ピンク』(アップリンク 1998)にもKurt Cobainをモデルにしたロックスター(ブレイク)が登場しているのだから。
Songs: Plastic Raincoats In The Pig Parade / White Freckles / Four Shadows / Lipstick / Not Enough Violence / Put Your Number In My Phone / One Summer Night / Nude Beach A Go-Go / Goth Bomb / Dinosaur Carebears / Negativ Ed / Sexual Athletics / Jell - o / Black ...
Songs: Renato Dall’Ara (2008) / Sad Suppers / I Broke Up In Amarante / A Slow, Slow Death / The Fall Of Home / 5 Flucloxacillin / Here’s To The Fourth Time! / For Whom The Belly Tolls / Got Stendhal’s / A Litany/Heart Swells / Hung Empty
Songs: I Want To Grow Up / Wild One / TV / Pay Attention / Deeper Than Love / Things That Are Bad for Me (Pt. I) / Things That Are Bad for Me (Pt. II) / Some People / Grind My Teeth / Whatever I Want