サン・ロク・ゼロ

充の家には、猫がいた。歪んだ虎縞が入った、雑種の猫。名前はサスケ。母が知り合いの家で生まれたのを譲ってもらったもので、充が幼稚園の時に家族の一員に加わった。猫は自分の飼い主のことを、自分が飼ってやっているのだと思い込んでいる。自分こそが飼い主なのだと思っている。何かでそう読んだことがある。そして、充はサスケを見ているとよくそのことを思い出した。何に縛られる様子もなく、自由気ままに家の内と外とを行き来する彼の軽い足取り。可愛がってやろう、そう思って抱きかかえようとするのに、それを嫌がって自分の手を離れていく。手をひっかかれたことも何度もある。懐いてくれていないのか、とそれを寂しく思ったこともある。けれど冬の寒い日、寝て起きた蒲団の中にサスケが忍び込んでいたり、布団の上、彼が自分の足元で丸くなっていたりするのを見つけると、充はすごく嬉しくなる。そっぽを向いていたかと思うと、すぐにまたこっちに戻ってくるわがままな猫の気質。充は、それが好きだった。
辻村 深月 『冷たい校舎の時は止まる』

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読者の皆さん、御愛読ありがとう。〈s k n y s - s y n k s〉の総閲覧数が360万pvに達しました。300万pvを越えたのは記事773件目（2018･5･18）だったので、ちょうど記事数100で60万pv増えたことになります（月平均35294pv、1日平均1176pv）。この数値が多いのか少ないのかは分かりませんが（恐らく少ないのでしょう）、「ブログテーマ：音楽」の登録数が「7794」から「7732」に減少していることからも分かるように、曽根ブロガーの数は確実に減っています。「ツイッタの方が気軽だし、簡単だし、時間も取られない。自然に低い方へシフトする」（森博嗣）。この激流に呑み込まれた曽根ブロも「トラックバック機能提供終了」（2017･8･3）、「RSS広告終了」（2018･6･30）など、ブログ機能を次々と縮小。「常時SSL化（https）」（2018･6･25）は兎も角、突然の「名称およびドメイン変更」（2019･10･1）は寝耳に水でしたね。

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「So-netブログ」から「SSブログ」への名称変更は不可解至極です。曽根ブロ自らが「So-net」というブランド名を捨てるのは考え難い。そもそも「SS」とは何の略称なのでしょうか。2008年2月28日にシーサー（Seesaa）が高機能ブログエンジン「BlogServer」を提供したことを思い返せば、腑に落ちるブロガーも少なくないはず。曽根ブロが「Seesaa ブログ」に身売りしたとしても驚かないけれど、「Yahoo!ブログ」のように閉鎖されることだけは御免です。「ブログ（記事）はリダイレクト」されるそうなので、管理人や読者がブックマークなどのURLを変更する必要はありません。ただしゲスト・アイコンを自作したり、ランダム・アイコンにカスタマイズしている場合は新URLへの変更しないと正しく表示されません。「新ブログIDは2019年12月15日までに取得をお願いいたします」とのことですが、期日を過ぎてもドメイン（URL）を変更しないと一体どうなるのでしょう？

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▢ 冷たい校舎の時は止まる（講談社 2019）辻村 深月

辻村深月のデビュー15周年を記念した限定愛蔵版。 ノベルス版は上中下３巻本（2004）、文庫版は上下巻（2007）だったが、全１巻に合本したので京極レンガ本みたいに重くて分厚いハードカヴァ仕様（２段組み688頁）になっている。装幀（坂野公一）、章扉挿絵（北見隆）、タイトル11文字が四角く括り抜かれた窓から覗く縦箱入り、薄青いクロス装、水色のスピン、本文も寒色系の青い文字で統一されている。雪の降りしきる校舎の中に閉じ込められた８人高校生たちが１人ずつマネキン人形に姿を変えられて消えて行くというホラー・ミステリ。デビュー作には著者と同姓同名の人物（「辻」のシンニョウが３画）が登場する。「吹雪の山荘」や「嵐の孤島」という古典的な舞台設定。クリスティの「そして誰もいなくなった」やフィリップ・Ｋ・ディックの「虚空の眼」を想わせる歪んだ閉鎖世界。学園祭の最終日に校舎の屋上から飛び降り自殺した生徒（？）の「脳内世界」ならば、どんな超常現象が起こっても不思議じゃない。『かがみの孤城』（ポプラ社 2017）のプロトタイプ？

▢ 空前絶後の保護猫ライフ！ 池崎の家編（宝島社 2019）サンシャイン池崎

ハイテンション芸人のＳ池崎は子供の頃から「猫と暮らすのが夢だった」という。「売れたら猫を飼いたい！」と思っていた池崎はワンルーム・マンションの２年契約が切れるを機にネコと暮らすことにする。「ペット可」の物件を探して、階段のあるメゾネット・タイプに引っ越す。「ペットショップで買う」という選択肢は始めからなかった。子供の頃に出会ったネコが野良猫だったので「猫をお金で買う」ことに少し抵抗感があったからだ。サイエンスアクター市岡元気の紹介でNPO法人「猫の森」から２匹の保護猫を譲り受ける。１カ月のトライアル期間を経て、池崎家の家族となった斜め黒前髪の風ちゃんと黄色っぽい毛（稲光の色）の雷ちゃん‥‥風神・雷神と名付けられた２匹の子ネコとの同居生活が始まる。小型のドラム式洗濯機みたいなネコ用「全自動ハイパートイレ」にビックリ！‥‥Ｓ池崎が「人見知り」だったとは知らなかったなぁ。「普段の僕はとても静かな人間だ」

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● sknysのプロフィール（ヘッダレス・タイプ）

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• 管理画面を開いたら「累計: 3,600,000」と表示されていました（2019-10-06）


• １日５万超のPV（54,527）に困惑にゃん！‥‥バグでした＾＾;（2019-10-16）


• アイコンのカスタマイズに関しては〈子猫にも貼れるゲスト・アイコン 1.3〉を参照

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