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F A V O R I T E ー B O O K S 1 5

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  • 死の泉(早川書房 2001)皆川 博子


  • 第二次大戦下のドイツ。ギュンターの子を身籠もったマルガレーテはナチスの施設〈レーベンスボルン〉でミヒャエルを産む。所長クラウス・ヴェッセルマンの求婚を不本意ながら受諾し、孤児のフランツとエーリヒを養子にする。無資格看護婦のブリギッテがクラウスの子ゲルトを宿す。ギュンター・フォン・フュルステンベルク著『死の泉』は3部構成。「生命の泉」 はマルガレーテ(わたし)の1人称、「ミュンヘン」 と 「城」 はギュンターやゲルトの三人称視点で描かれる。訳者・野上晶の「あとがきにかえて」がドンデン返しする長編小説 293



  • 龍彦親王航海記 澁澤龍彦伝(白水社 2019)礒崎 純一


  • 「澁澤龍彦(1928-87)の生涯と作品ついて書かれ、語られた膨大な文章」を選択し、時系列順に編集配列した「伝記」。著者は〈福音史家〉として振る舞い、詠唱したりはしない。「狐のだんぶくろ」 「大胯びらき」 「神聖受胎」 「サド復活」 「妖人奇人館」 「ホモ・エロティクス」 「胡桃の中の世界」 「記憶の遠近法」 「魔法のランプ」 「太陽王と月の王」 の全10章で、章タイトルは著作から採られている(書名は『高丘親王航海記』の捩り)。500頁に及ぶ大著だが、龍彦親王と同じく平易な文章なのでスラスラ読める。詳細目次、主要参考文献、索引付き 292



  • 辺境薔薇館(河出書房新社 2018)皆川 博子


  • 「皆川博子の文藝別冊 総特集」。絵に文を添えた 「辺境美術館」。短篇精華 「風」 「砂嵐」 「お七」 「廃兵院の青い薔薇」 「ひき潮」 「美しき五月に」 「水引草」 。ロングインタヴュー。随筆精華7篇。綾辻行人、恩田陸、篠田真由美など39名のエッセイ、解説、挿絵。「皆川博子を読み解くキーワード20」東雅夫。有栖川有栖や北村薫など23人による 「私の愛する皆川作品3」 。「編集後記」。 「作品ガイド・著作リスト」日下三蔵。「Biography」 ‥‥『海と十字架』(1972)でデビューしてから半世紀。皆川博子(1930-)は現役バリバリの作家である 291


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