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スニーズ・ラブ 34

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  • ♭ 不滅の男(2017-11-04)
  • エンケンこと遠藤賢司が亡くなった。邦楽アルバムを自ら購入することは稀なのだが、《東京ワッショイ》(Bellwood 1979)は今でもレコード棚にある。ライヴも何度か観たことがある。ストーンズの〈Satisfaction〉を反語的に日本語解釈した〈満足できるかな〉、三島由紀夫の割腹自決を題材にした〈カレーライス〉、飼いネコと愉しそうに戯れるウクレレの〈寝図美よこれが太平洋だ〉など‥‥ラジオから流れていた曲の数々も思い出深い。夢見るような微睡みフォークと激情パンク・ロックの振れ幅の大きさはNeil Youngにも匹敵する。〈夢よ叫べ〉と〈不滅の男〉、フォーク・バラードとポップ・ソング、陰と陽の対比は鮮やかだが、壱円玉の表と裏のように同じことを歌っている。純音楽家としてのエンケンは退屈な日常という「真ん中」に安住することなく、フォークとパンクの両極を往復し、壱円玉の外縁を全力疾走した。「いい時は最高 悪い時は最低」なのである。合掌。

  • ♭ ディアフーフの山(2017-11-11)
  • Deerhoofの14thアルバム《Mountain Moves》(Joyful Noise 2017)はJuana Molina、Jenn Wasner(Wye Oak)、Lætitia Sadier(Stereolab)、Matana Robertsなど多彩なゲストを迎え、The Staple Singersの〈Freedom Highway〉やBob Marleyの〈Small Axe〉などもカヴァしている。一見纏まりのない散漫な印象を持つかもしれないが、Juana Molinaが悲鳴を上げる〈Slow Motion Detonation〉、「ミュートで」というイタリア語タイトルの〈Con Sordino〉、聴衆に罵倒されたボブ・ディランが放った言葉をタイトルにした〈Come Down Here & Say That〉、松崎里美がスペイン語で歌うチリの女性フォルクローレ音楽家ヴィオレータ・パラ(Violeta Parra)の〈人生よありがとう〉(Gracias A La Vida)、アジア系女性ラッパーのAwkwafinaがラップする〈Your Dystopic Creation Doesn't Fear You〉、メンバーのJohn Dieterich(ギター)とデュエットする〈Ay That's Me〉、トランプ大統領を揶揄した〈Palace Of The Governors〉‥‥鹿蹄の揺るぎない立ち位置が鮮明に見えて来る。

  • ♭ エレガンスの女王(2017-11-18)
  • 「木原敏江 原画展」(銀座・SPAN ART GALLERY)に行って来た。「総特集 木原敏江〜エレガンスの女王」出版記念とのことで、ギャラリー前には祝い花が並び、画廊にはカラー原画(扉やカヴァ・イラスト)、生原稿、直筆サイン入り複製画8点が展示されている。カラー原画は「どうしたのデイジー?」「天まであがれ」「アンジェリク」「杖と翼」「摩利と新吾」「夢の碑・鵺、風恋記、淵となりぬ」など35点、生原稿は「封印雅歌」25枚(カラー1頁、2色24頁)と「夢占舟」8枚(白黒)。カラー原画の華やかな色合いは山岸凉子とは異なる趣きがある。『総特集 木原敏江』(河出書房新社 2017)やクリアファイル、大判カード、ポストカード、Tシャツ、手ぬぐい、風呂敷などのグッズも販売していた。ドジさまへメッセージを伝える3冊のノートには元少女(?)たちの熱い想いが綴られている。「没後20年展 三原順 復活祭」(米沢嘉博図書館 2015)と同じくらいの小スペースだったので、もう少し広い場所で、もっと多くの原画を鑑賞したい。

  • ♭ 希望荘(2017-11-25)
  • 『誰か Somebody』『名もなき毒』『ペテロの葬列』‥‥巻き込まれ体質の杉村三郎を主人公とするシリーズ4作目『希望荘』(小学館 2016)は長篇ではなく、表題作を含む4作品を収録した連作集。バスジャック事件後に巨大グループ企業〈今多コンツェルン〉を退職し、今多菜穂子とも離婚した杉村三郎は東京都北区尾上町で探偵業を営むことになった(肩書きは杉村探偵事務所と調査員)。近所のアパートから失踪した老女・三雲勝枝の消息を調べる「聖域」。相沢孝司からの依頼で、老人ホームで亡くなった父親・武藤寛ニの過去を調査する「希望荘」。山梨県桑田町に帰郷した杉村三郎と調査会社〈オフィス蛎殻〉の所長・蛎殻昴が愛人と駆け落ちした香川広樹(手打ち蕎麦と甲州名物「ほうとう」の店〈伊織〉の主人)の事件を解明する「砂男」。黒ずくめの少女・伊知明日菜に頼まれて、震災後に安否不明となった雑貨屋〈AKIMI〉の店主・昭見豊の行方を探る「二重身」。題名をMetallicaの〈Enter Sandman〉から採った「砂男」は私立探偵になる前のエピソードである。

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    • 別館ミニ・ブログ「スニーズ・ラブ」シリーズの1カ月分(2017-11)です^^;

    • リンク画像が左に重なって見難いので、サイドバーを右側にレイアウトしました。「SKIN SWITCHER」でデフォルトに戻せるにゃん
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    東京ワッショイ

    東京ワッショイ

    • アーティスト:遠藤 賢司
    • メーカー:キングレコード
    • 発売日: 2012/10/03
    • メディア:CD
    • 曲目:東京退屈男 / 東京ワッショイ / 天国への音楽 / 哀愁の東京タワー / 続東京ワッショイ / 不滅の男 / ほんとだよ / 輪廻 / UFO / とどかぬ想い // ミスター・タンブリン・マン / 終わりの来る前に


    Mountain Moves

    Mountain Moves

    • Artst: Deerhoof
    • Label: Joyful Noise Records
    • Date: 2017/09/08
    • Media: Audio CD
    • Songs: Slow Motion Detonation / Con Sordino / I Will Spite Survive / Come Down Here And Say That / Gracias A La Vida / Begin Countdown / Your Dystopic Creation Doesn't Fear You / Ay That's Me / Palace Of The Governors / Singalong Junk / Mountain Moves / Freedom Highwa...


    木原敏江 原画展

    木原敏江 原画展

    • 会場:SPAN ART GALLAREY
    • 会期:2017/11/03~14
    • メディア:コミック
    • 概要:『総特集 木原敏江~エレガンスの女王~』 出版記念原画展を開催します。漫画家生活48年間を総括する個展です。貴重な美麗原画の展示に加え、書籍・複製画・オリジナルグッズの販売も行います


    希望荘

    希望荘

    • 著者:宮部 みゆき
    • 出版社:小学館
    • 発売日:2016/06/20
    • メディア:単行本
    • 目次:聖域 / 希望荘/ 砂男 / 二重身

    スニーズ・コメンツ #48

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  • ♭ 夢占い ── 2万フィートの戦慄
  • 機体の一部が落下する事故が続発していることも、夢と関係あるのかな。飛行機の悪夢で思い出すのはオムニバス映画「トワイライトゾーン」の「2万フィートの戦慄」。飛行機恐怖症男の妄想は現実だった?‥‥旅客機に搭乗することの根源的な恐怖がブラック・ユーモアで描かれている。留年して卒業出来ないという悪夢は今でも良く見ます。
    by sknys (2017-09-27 22:52)

  • ♭ 京都国際マンガミュージアム「山岸涼子」展
  • 東京・弥生美術館(2016.9.30-12.25)と同じ展示内容だと思いますが、展示方法は京都国際マンガミュージアムの方が良さそうです。弥生美術館は古臭く、狭くて、ガラスケース越し、前・後期と中期で60点以上の入れ替えがあったから‥‥中期と後期の2回観に行く羽目になりました(2回目は最終日のXmas!)。猫画家のヒグチユウコさんもツイッターで感激していたように、カラー原画が美しい。衣裳の模様は細密画のように繊細で艶やかでした。拙記事〈メタモルフォシス展〉をTB出来ないのは残念にゃん。
    by sknys (2017-09-29 12:16)

  • ♭ 招き猫ミュージアム
  • 招き猫の挙げている手は「右」と「左」で招く対象が異なります。右手が金運(福)で、左手が人(客)だったかな?‥‥京極夏彦の「五徳猫」(註:『百器徒然袋 風』所収)で知りました。
    by sknys (2017-10-07 12:20)

  • ♭ 怪人二十面相・青銅の魔人
  • 『怪人二十面相 私立探偵明智小五郎』(新潮文庫 2016)も出ています。死後50年経って、江戸川乱歩(1894-1965)の著作権が切れたからじゃない?‥‥澁澤龍彦が岩波文庫に入るのは20年後でしょうか。音楽評論家の高橋健太郎が作った「立憲民主くん」‥‥ツッコミは「バッカーじゃないの!」
    by sknys (2017-10-10 12:07)

  • ♭ うつろ舟
  • 「黒い魔球」を投げてみました。仏作家とキリストの名前をステージ・ネームにした女性のアルバム評に「Didoの〈Here With Me〉を想起させるビートとチェロ・コンボの向こうへ、ダニロワは彼女らしく死に踏み込み、オフィーリアとヴァージニア・ウルフの伝統に身を投げる」とあった。〈Here With Me〉は米TVドラマ「ロズウェル」の主題歌に使われた曲。オフィーリアもヴァージニア・ウルフも入水自殺したので、「身投げする」(drowning herself)という表現になるわけです。
    by sknys (2017-10-21 00:23)

  • ♭ 颱風二過
  • エンケン(遠藤賢司)が亡くなったのは大ショックです。《東京ワッショイ》(Bellwood 1979)は今でもレコード棚にあるし、ライヴも何度か観たことがある。アンプを背負ってギターを弾きまくるパンク少年・二宮金次郎みたいなパフォーマンスも凄かった。『ミュージシャンと猫』(ブルース・インターアクションズ 2011)にエンケン・インタヴューが収録されていた。寝図美やアルファルファ、みいこちゃんなどのネコ写真も載っている。「猫が住めなくなったら人間もおしまいなんだよ」。
    by sknys (2017-10-30 22:34)

  • ♭ イッチンお花模様の猫のお姫様
  • エレガンスなお姫さまですね。淡い色合いが良い感じ。ネコと薔薇は相性が良いのかもしれません。
    by sknys (2017-11-11 22:08)

  • ♭ 木原敏江 原画展 ── 夜の銀座を徘徊する
  • ドジさまの「原画展」(銀座・SPAN ART GALLERY)に行って来ました。「没後20年展 三原順 復活祭」(米沢嘉博図書館 2015)と同じくらいの小スペースだったので、なかなか見つからず、銀座2丁目を彷徨いました。同じ耽美系の山岸凉子とは異なる華やかさがありますね。もう少し広い場所で、もっと多くの原画を鑑賞したいなぁ。
    by sknys (2017-11-13 00:06:37)

  • ♭ セバスチャン
  • 「セバスチャン」(河出書房新社 1981)は未読ですが、「親指Pの修業時代」(1993)や「犬身」(朝日新聞社 2007)は面白かった。前者はフリークス一座の新メンバーになる物語、後者はペットの犬に「変身」するファンタジー‥‥「猫身」ならば、もっと良かった。明日(11/24)リリースされるBjorkの「アルバム・カヴァ」が凄いことになっています。中島らもの「DECO-CHIN」の女性版「DECO-MAN」でしょうか。
    by sknys (2017-11-23 22:42)

  • 「希望荘」 宮部 みゆき
  • T島区図書館は書架にあるけれど、K区は160人、I橋区は200人以上の予約者が待っている(2017年11月26日現在)。23区内の地域格差は想像以上に甚大です。「砂男」というタイトルに首を傾げながら読み進めて行くと、Metallicaの〈Enter Sandman〉(1991)から採ったことがラストで明かされる。アメリカじゃなくって、メタリカなの?‥‥と怪訝に思う読者はイントロ・クイズで〈ジングルベル〉が〈青い山脈〉になってしまう「高齢者」でしょうか。「二重身」は「火車」(双葉社 1992)のラストと二重写しになりました。
    by sknys (未投稿)

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    ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第48集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)を加え、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2017/09/01~11/30)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。9月28日に「国難突破解散」して、民進党が3つに分裂しましたが、瓢箪から出た独楽のように現われたのが「立憲民主くん」。ロック、パンク、メタル、シューゲイズ、グランジ‥‥赤いリッケンバッカーで、一体どのような音楽を奏でるのか?‥‥Bjorkの「アルバム・カヴァ」にも度肝を抜かれた。《Vulnicura》(2015)の延長線上にあるデザインですが、ファッション界だけでなく、音楽の世界でも「ヴァギナが存在感を増しつつある」にゃん?

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    百器徒然袋 風

    百器徒然袋 風

    • 著者:京極 夏彦
    • 出版社:講談社
    • 発売日: 2007/10/16
    • メディア:文庫
    • 目次:五徳猫 / 雲外鏡 / 面霊気 / 解説──音の視える小説・橋本 祐子


    怪人二十面相・青銅の魔人

    怪人二十面相・青銅の魔人

    • 著者:江戸川 乱歩
    • 出版社:岩波書店
    • 発売日:2017/09/16
    • メディア:文庫
    • 目次:怪人二十面相 / 青銅の魔人 / 解説・佐野 史郎 / 解題・吉田 司雄


    セバスチャン

    セバスチャン

    • 著者:松浦 理英子
    • 出版社:河出書房新社
    • 発売日:2007/12/04
    • メディア:文庫
    • 目次:セバスチャン /〈畸型〉からのまなざし・松浦 理英子+富岡 幸一郎 / 解説・萩原 まみ


    Okovi

    Okovi

    • Artist: Zola Jesus
    • Label: Sacred Bones
    • Date: 2017/09/08
    • Media: Audio CD
    • Songs: Doma / Exhumed / Soak / Ash to Bone / Witness / Siphon / Veka / Wiseblood / NMO / Remains / Half Life


    Utopia

    Utopia

    • Artist: Bjork
    • Label: One Little Indian
    • Date: 2017/11/24
    • Media: Audio CD
    • Songs: Arisen My Senses / Blissing Me / The Gate / Utopia / Body Memory / Features Creatures / Courtship / Loss / Sue Me / Tabula Rasa / Claimstaker / Paradisa / Saint / Future Forever

    スニーズ・シンクス 2 0 1 7

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  • 母は、花の密に寄って来る蜜蜂のことを──胴体に短い毛の生えている縞があるせいで──虫の猫とふざけて呼ぶので私はクスクス笑う。大きくて黒い獰猛な蜂のことを熊ん蜂というくらいなのだから、猫蜂がいたって不思議はないし、それに、花の蜜を吸うために花弁の中にもぐり込んでいる蜂を近くでじっと見ていると、黒と黄色の縞柄の腰をリズミカルに左右に揺らしていて、それは猫が狩の獲物──と言っても、町中に住んでいる猫が狩るのは、スズメや大きくても鳩だが──に狙いを定めて体をぴったり地面に伏せて相手に見つかりにくい体勢をとって、眼光鋭くお尻だけをもぞもぞと動かしてリズムを刻んで、跳びかかるタイミングを計っている時の腰の振り方によく似ていると言い、猫のつもりなのか蜂のつもりなのか、どちらかを真似て、白いエプロンの紐が花結びになって垂れているグレーのタイト・スカートをはいた太っているというのではないけれど、丸くてしっかりした腰を振って笑う。
    金井 美恵子 「廃墟の旋律」


  • 12年目のスニンクス(sknynx)は70本の記事をアップした(2016.12~2017.11)。回文シリーズは新年恒例の「回文かるた」を含めて5本。「ネコ・ログ」も4本。洋楽記事は年間ベストやタワレコと山手レコードのクリアランス、ジェスカ・フープやジョアナ・ケイロスなど8本。石ノ森シリーズは〈空飛ぶ幽霊船〉〈お転婆万歳〉など4本。猫ゆりシリーズは〈猫のピーター〉〈猫のワガハイ〉の2本をアップした。「ネコード100枚」を達成したのは嬉しいけれど、〈素敵なキャット・ソングズ〉でネコ・ソング10曲を紹介出来たのは望外の幸せ!‥‥10年前から温めていた企画なのに、なかなか曲が集まらなかったから。〈人間じゃない〉〈モノクロ・セット〉など、タイトルやカラーで纏めた記事も面白いと思う。しかしブロガーの思惑とは裏腹に、お気に入りの記事と人気記事(閲覧数トップ10)は必ずしも一致しない。重複しているのは〈下足痕刮げ!〉〈ドラコニアランド〉だけだった。

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    猫ジャケ・シリーズ第10集〈猫のピーター〉でネコード100枚を達成したのを機会に、一覧記事のタイトルを「麗しきネコードの世界」から〈素晴しきネコードの世界〉に改題した。同時に懸案事項だったスニンクス版「ネコードの9箇条」の「1. 洋楽アルバムであること(邦楽、シングル、12インチ盤などは含まない)」に抵触していたBjorkの〈Triumph Of A Heart〉(DVDシングル)を〈素敵なキャット・ソングズ〉に移動させ、Gato Perezの《El Ultimo Y El Primero》(K Industria 2005)と入れ替えた。〈猫のワガハイ〉は「漱石の猫」をタイトルにした猫本シリーズ第9集。朝日新聞の朝刊に2016年4月から2017年3月末まで1年間連載された「吾輩は猫である」(全224回)を読み続けたのは贅沢な読書体験だった。2016年は「夏目漱石没後100年&生誕150年記念」として、『吾輩も猫である』というニャンソロジーなども出版された。

    回文シリーズは〈捨て子猫です〉〈意気地なし悔い〉〈子猫・ねこ・ネコ〉〈足痕刮げ!〉の4本をアップ。「パリンデックス」のレイティング(5段階評価)で5つ星に輝いたのは〈人体実験・孤児・混血児・異端児〉〈断食会、がきデカついに5日で飢餓。胃が軋んだ〉〈抜き足・差し足、鯵刺し飽きぬ〉〈自ら無理!‥‥姉、媚びコネ、有村架純〉〈真蛸ネコババは子猫タマ〉〈粧し春の宵よ山桜、草間彌生、夜のルバシカ女〉の6回文。その中でも2つのネコ回文は特に気に入っている。新垣結衣、フジモトマサル、リル・バブ、小池百合子、8マン、河井玲奈(従妹の娘)、マダニャイ(漱石のキャラ・ネコ)、ドナルド・トランプ、ジェシカ・フープ、妖精王、山手レコーズ、すがもん(東京・巣鴨地蔵通り商店街の公式ゆるキャラ)、多部未華子、ヴァンパイア(エリザ)‥‥など、今年話題になった人物やブログ記事で紹介したキャラも多数登場する賑やかで愉しい回文集になったと思う。
    黒猫ソランちゃんの写真を撮っていたら、1年振りにネコ姉さんと出会った。飼主ではないけれど、ソランの世話をしてるネコ好きの女性である。「ちょっと待ってね」と声をかけられた。ネコに呼びかけたのかと思っていたら、ソランの写真の御礼に「越前和紙のふせん」を貰った。「ねこの毛糸あそび」と「にゃーさんぽ」の2種(各20枚入り)で、毛糸玉と戯れるネコたちと足跡と尻尾のイラストが描かれている。本ブログではネコ写真やネコードだけでなく、ネコ本も紹介しているので、こういう心遣いは嬉しい。「ネコ歩き」しているとネコとの交感だけでなく、ネコ好きの人たちとの交流も少なからずあるのだ。近所のネコたちを撮る機会は多いけれど、再び訪れることのない(2度と出会えないかもしれない?)一期一会のネコたちも少なくない。「ネコ・ログ」シリーズのネコちゃんも延べ400匹を越えた。今まで出会った人とネコたちに感謝したい。

    石ノ森シリーズは〈空飛ぶ幽霊船〉〈お転婆万歳〉〈少年リュウの道〉〈番長リュウの道〉の4本をアップした。「幽霊船」は海洋冒険マンガ、「おてんばバンザイ」はリボンの髪飾り(カチューシャ)の少女をヒロインにした学園少女コミック。「リュウ3部作」の未来・過去・現在‥‥「リュウの道」の時代設定は未来の地球だったが、「原始少年リュウ」は過去、「番長惑星」は現在(1970年代)である。過去と現在はSFとして成立し難いからなのか、前者は恐竜(ティラノサウルス)と原始人と未来都市(高度な文明を築いていたアトランティス)が共存する地球、後者はパラレル・ワールド(もう1つの地球)が舞台となる。「原始少年リュウ」は海底に沈んだアトランティス大陸から飛行艇で宇宙へ脱出し、「番長惑星」は最終決戦で逃亡した "影"(シャドウ)を追って元の地球へ帰還する。「過去」にも「現在」にもU・F・O(未確認飛行物体)が飛来するSFになっているところが、石ノ森ワールドの面目躍如たるところである。

    本(小説・エッセイ集)に関する記事は3本。〈人間じゃない〉はフィリップ・K・ディックのSF「人間以前」(早川書房 2014)‥‥(旧タイトルは「まだ人間じゃない」)と綾辻行人のホラー「人間じゃない」(講談社 2017)から発想した。「ちょい悪ネコちゃんのおきて(人間じゃない、オレたちが飼い主を選ぶんだ)」(マガジンボックス 2016)にも登場してもらった。〈カケル×カケル〉は森博嗣のXシリーズが完結したのを機に「イナイ×イナイ」「キラレ×キラレ」(講談社 2007)、「タカイ×タカイ」(2008)、「ムカシ×ムカシ」「サイタ×サイタ」(2014)、「ダマシ×ダマシ」(2017)の6作品を纏めて紹介。〈ドラコニアランド〉では澁澤龍彦没後30年を記念して出版されたムック「澁澤龍彦ふたたび」、単行本「澁澤龍彦玉手匣」、文庫「極楽鳥とカタツムリ」「バビロンの架空園」(河出書房新社 2017)、文庫改版「少女コレクション序説」(中央公論新社 2017)を集めてみた。「澁澤龍彦没後30周年フェア」では「澁澤龍彦ブックガイド」も無料配布された。

    アート関連の記事は〈岩合さんのネコたち〉の1本だけだったが、ミニ・ブログに〈世界ネコ歩き 2017〉〈スーザン・ハーバート〉〈京都のネコたち〉〈草間の自己消滅〉〈エレガンスの女王〉をアップした。スーザン・ハーバート(Susan Herbert)は「猫名画」で知られる女性画家。ザ・ガーディアンの「最も狂ったネコ・クイズ」(The Craziest Cat Quiz Ever)が面白かったので翻訳してみた。「草間彌生展」ではミラーレス(スマホ限定だったの?)でバシャバシャ撮っていたけれど、誰にも注意されなかった。単行本化したポーの一族 『春の夢』(小学館 2017)は期待した以上に面白かった。宮谷一彦の『ライク ア ローリング ストーン』(フリースタイル 2017)が48年の年月を経て初単行本化したのも2017年の特筆すべき事件だった。しかも「第1話と第4話が入れ替わって収録」されていたことが分かり、購入者に改訂版を無料で送る(乱丁本の返品交換ではなく、表紙カヴァだけを送付する)という版元の神対応に感激しました。

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  • Rough Trade's Albums Of The Year 2017
    • Party - Aldous Harding
    • Prisoner - Ryan Adams
    • Utopia - Björk
    • Capacity - Big Thief
    • Colter Wall - Colter Wall
    • Cigarettes After Sex - Cigarettes After Sex
    • Love In The 4th Dimension - The Big Moon
    • Modern Kosmology - Jane Weaver
    • Drunk - Thundercat
    • Here Lies Man - Here Lies Man


  • The Wire's Best Releases Of 2017
    • Paradiso - Chino Amobi
    • Peasant - Richard Dawson
    • Tommy - Klein
    • Black Origami - Jlin
    • The Kid - Kaitlyn Aurelia Smith
    • Pariah - Jana Rush
    • Simultonality - Joshua Abrams
    • Lack - Pan Daijing
    • Fly Or Die - Jaimie Branch
    • Reaching For Indigo - Circuit Des Yeux

    新年のタワレコクリアランスは大幅に縮小(渋谷4F)されてしまい、夏季セールも行なわれなかった。〈クリアランス・セール 2017〉は記事になったが、「夏のクリアランス」はない。その埋め合わせに、ザ・ガーディアンの〈クレイジー・キャッツ・クイズ〉のフォーマットを借りて、〈真夏のネコ・クイズ〉を作ってみた。1枚100円という価格崩壊の激安セールの〈山手レコーズ(2017)〉も今年が最後の開催になるという。〈ジェスカ・フープの輪〉〈ジョアナ・ケイロスの怪〉で女性アーティストのアルバムを時系列順に紹介。〈ありえるピンク〉〈モノクロ・セット〉はアルバム・カヴァのカラー(ピンク、白黒)で揃えてみた。〈ブラジルの春(HARU)〉は新ミナス派などのニュー・アルバム7枚を紹介した洋楽レヴュー。当初のタイトルは「ブラジルの秋」だったが、地球の裏側は「春」だったことに気づいて改題したら、Alexandre AndresとRafael Martiniのアルバムも「春 HARU」というタイトルだった。

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    • Author: sknys
    • Articles: 742
    • Date: 2017/12/11
    • Page View: 2,847,832
    • Media: Internet


    ライク ア ローリング ストーン

    ライク ア ローリング ストーン

    • 著者:宮谷 一彦
    • 出版社:フリースタイル
    • 発売日:2017/08/01
    • メディア:単行本(ソフトカバー)
    • 目次:ライク ア ローリング ストーン(流れの木の葉のように)/ ライク ア ローリング ストーン 1~6 / 白夜 / ならば ぼくは1ページ一時間でかいてやろう!(白夜 1)/ 白夜 2 / 白夜 3 / 白夜 4 悲しき天使(ルイのための童話)/ 白夜 5 ぎゃあ / 解説 日本初の本格的な「私マンガ」 中条省平

    90年代UKアルバム・ベスト20

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  • ◎ UK BLAK (RCA 1990) Caron Wheeler

  • グラウンド・ビートで一世風靡したSoul II Soulの歌姫Caron Wheelerのソロ・アルバムのタイトルは「BLACK」の「C」が抜けている。「黒人」という言葉が差別的であるという批判に配慮して、「アフリカ系英国人」などと当たり障りのない言葉に言い換えているようだが、たとえば「ホームレス」「適応障害」「認知症」‥‥という外来語や医学用語に置き換えても、「浮浪者」や「鬱病患者」や「ボケ老人」が社会から消え失せたわけではない(言葉狩りの皆さん、「UK BLAK」を何…#01



  • ◎ NOWHERE (Creation 1990) Ride

  • 東日本大地震の後では、隆起した海面が迫り来る大津波を連想させて恐怖感さえ感じられるアルバム・カヴァ‥‥英オックスフォードで結成されたシューゲイザーのデビュー・アルバム。当時の日本では「シューゲイザー」という音楽用語は一般に流布していなかったはずである。文字通り自分の履いている靴を見つめながら演奏するスタイル。空間をノイズで覆い尽くすギター・サウンドと霧の彼方から聴こえて来る弱々しい独白のような内省的なヴォイスはリスナーを内面世界へと誘う。…#02



  • ◎ PILLS'N' THRILLS AND BELLYACHES (Factory 1990) Happy Mondays

  • 英マンチェスター出身の6人組はBezという演奏しないで踊るだけのメンバーがいることでも話題になったように、ダンス・ミュージックを標榜する。 Shaun(ヴォイス)& Paul(ベース)Ryder兄弟を中心としたバンドだが、何よりもMark Dayのグルーヴ感溢れるサイケデリックなギターがカッコ良い。Labelleのヒット曲〈Lady Marmalade〉のコーラス部分を大胆に引用した〈Kinky Afro〉(この1曲で殺られちゃう)など、茶目っ気もたっぷり。スライド・ギターが畝り捲る...#03



  • ◎ BELINDA BACKWARDS (Blast First 1991) A. C. Temple

  • 英シェフィールド出身の5人組、A. C. Templeの3rdアルバムはKramerのプロデュース。ホーミー唱法みたいなイントロで始まる〈Glittehall〉、6拍子の〈Silver Swimmer〉、変則5拍子の〈Skyhooks〉は間奏でThe Smithsが珍入して来るし、〈Baby Seals〉では深紫の〈Highway Star〉を想わせるギター・リフも飛び出す‥‥変拍子やリズム・チェンジなど緻密で硬質なプログレ的な展開に耳を奪われるが、A. C. T.の魅力は紅一点Jane Bromleyのヴォーカルにある。清楚…#04



  • ◎ BLUE LINES (Wild Bunch 1991) Massive Attack

  • Massive Attackのデビュー・アルバムと「湾岸戦争」は分ち難く結び着いている。なぜならばリリース時が戦争勃発時と重なったために「ATTACK」(攻撃)という言葉がアルバム・カヴァから消し去られてしまったのだから。検閲とも自粛とも抗議の表明とも取れるエピソードは逆に彼らの知名度を上げることになった(手許にあるUK盤は「massive attack」と表記されているが、CD盤面には「MASSIVE」としか記されていない)。英ブリストルはパンク〜ニュー・ウェイヴの80年...#05



  • ◎ LOVELESS (Creation 1991) My Bloody Valentine

  • Kurt Cobainの「猟銃自殺」(1994. 4. 5)と共にグランジ・ブームは終焉してしまったが、シューゲイザーは都市の暗渠や地下水脈の中を深く潜行して、後に「ネオ・シューゲイザー」という新名称と共に復活する。「Shoegazer」とは文字通り「靴を見つめる人」という意味で、ステージ上のギタリストが直立不動で俯いて演奏するスタイルから由来する。その特徴は終始鳴り続けるノイズ・ギターの豪雨の彼方から囁くような弱々しい男女ヴォイスが聴こえて来るという内省的なサ...#06



  • ◎ DRY + DEMO (Too Pure 1992) PJ Harvey

  • 「22 79 34」‥‥CDプレーヤに表示されたデジタル数字(収録曲数と収録時間)に驚いたことを昨日のように憶えている。一瞬、CDを入れ間違えたのか、それともCDプレーヤが壊れたのかと思っちゃった。初回CD盤(PURE CDD010)には全11曲のデモが入っていたのだ(アナログ盤は2枚組のはずだが、CDは1枚なので見分けがつかない!)。4トラック・レコーダに録音された強靭なデモ・ヴァージョンを聴けば、PJHの音楽が既に完成されていることに気づくだろう。ギター、...#07



  • ◎ THE RED SHOES (EMI 1993) Kate Bush

  • 《赤い靴》はケルト風の内向性や東欧的な孤立感の残る《The Sensual World》(1989)に較べて、より華やいだワールド・ミュージック的な広がり、トロピカルな解放感を体感出来る。妖精ケイトの体温も心持ち上昇して南ヘ下降して来たといったところか。多彩なゲスト陣、錚々たるメンバーの中で一番驚いたのは、Eric ClaptonでもJef BeckでもPrince殿下でも、前作に続いて2度目の登場のThe Trio Bulgarkaでもない。マダガスカルのヴァリハ(valiha)奏者、Justin V...#08



  • ◎ THE GREATEST LIVING ENGLISHMAN (Humbug 1993) Martin Newell

  • 黒いシルクハットを被ったヴァンパイア、ロンドンのドラキュラ伯爵のような怖い風貌に反して、アルバムは超ポップ!‥‥全面プロデュースしているAndy Partridgeはドラマーに転身して新境地を見せたかと思えば、XTCでも聴いたことのない超メローなギター・ソロを〈We'll Build A House〉で披露する。〈The Green-Gold Girl Of The Summer〉のサイケデリックなギター・プレイはCaptain Sensible(Damned)である(一体どういう人脈なんだ)。Lennon & McCartneyの…#09



  • ◎ MAXINQUAYE (Fourth & Broadway 1995) Tricky

  • 1995年はトリップホップ・イヤーとして記憶されているかもしれない。しかし、Trickyのデビュー・アルバムはダークな空間で女性ヴォイスが妖しく浮游するトリップホップよりは内面へ深く沈み込むダウン・ビートに近い。Trickyの内省的な呟きとMartina Topley-Birdの耽美系ヴォイスは、解体されて鉄骨が剥き出しになった建造物や、半壊して骨組みだけが残った廃墟の中で流れる幽霊たちの歌声のように気味が悪い。陰鬱だが閉ざされた暗黒空間ではない。瓦礫の中の読経のような...#10



  • ◎ TIMELESS (Metalheads 1995) Goldie

  • 19世紀末芸術が20世紀に衰退したように、ドラムンベースは20世紀末に咲いた徒花だったのだろうか?‥‥人力では決して叩けない超絶ドラミング、シンコペーションする高速ビート。ドラムマシンによる超人的なプレイはサイボーグやアンドロイドたちが闊歩する近未来世界を想わせるものだった。新世紀は未だドラムンベースが描いた未来に追い尾いていないけれど、最先端音楽としてのドラムンベースは失速して前世紀の遺物となった。しかし、色褪せて古色蒼然となってしまったRo...#11



  • ◎ DO YOU LIKE MY TIGHT SWEATER? (Echo 1995) Moloko

  • 90年代中頃、雨後の筍のように出現したトリップ・ホップ・ユニット(男女2人組)の中でも、Moloko(ロシア語で「ミルク」という意味)の存在は異質だった。「私のピタ短セーターが気に入った?」という変テコリンなアルバム・タイトル。ピタ短セーターを着た子供の周りにキモ可愛い妖怪深海魚やモンスターたちが浮游する不思議なイラスト・カヴァ。無機的な変態ビート、ブヒブヒ・ブヒョブヒョなアナログ・シンセ、ウィアードな女性ヴォイス。トークボックス(ヴォコーダ?…#12



  • ◎ EMPEROR TOMATO KETCHUP (Electra 1996) Stereolab

  • John McEntire(Tortoise)がメンバーと共同プロデュースして、Sean O'Hagan(High Llamas)がストリングス・アレンジャー兼プレイヤーとして参加した《トマト・ケチャップ皇帝》(寺山修司の映画タイトルから採った!)は、ポスト・ロックとマジカル・ポップスの夢に満ち溢れている。Lætitia Sadierの投げ遺り風な低温ヴォイスとMary Hansen嬢の甘ったるいコーラスとの鮮やかな対比。ブヒョブヒョ・ブヒブヒなアナログ・シンセと硬質で軽やかなヴィブラフォンの競…#13



  • ◎ LAMB (Fontana 1996) Lamb

  • 90年代後半に出現したトリップホップ系のユニットの多くはデビュー・アルバムが最高で、2作目以降は何故か急激に色褪せて輝きを失ってしまう。Andy BarlowとLouise Rhodesの男女デュオLambも、その例外に漏れず同名タイトルのデビュー作が素晴しい。トリップホップ〜ドラムンベースの見本のようなアブストラクト・サウンド。人工的にシンコペートするリズム。ダークな空間に浮游する内省的な女性ヴォイス。7拍子の〈Lusty〉、6拍子の〈Gold〉、Bjorkっぽいヴォイス...#14



  • ◎ SHLEEP (Hannibal 1997) Robert Wyatt

  • 眠れぬ秋の夜長はRober翁の《Shleep》を聴こう。硬く握りしめていた両手の指を広げてリラックス。それでも眠れない時は羊を数えると歌う〈Heaps Of Sheeps〉はBrian Enoのプロデュース。7拍子の〈Maryan〉はメランコリックなヴァイオリンが印象的。ジャケット・イラストのように青い空を飛ぶ鳥の翼の上で眠る〈Alien〉はPhil Manzaneraのギターが夢の中で浮游する。Paul Wellerがギターを弾く〈Blues In Bob Minor〉で目もパッチリ醒める。世界で一番有名な羊は…#15



  • ◎ ANGELS WITH DIRTY FACES (Island 1998) Tricky

  • トリップホップの革新者の1人、Trickyの4thアルバム。1曲目の〈Money Greedy〉はドラムンベースで、「kill me with a quickness」という危ない歌詞の一節が一躍、時代の寵児となって金と名声を手に入れた男の精神状態を象徴している(90年代後半のトリップホップとドラムンベースは最新流行の音楽スタイルだった)。疾走するドラムンベースの攻撃性と崩壊し解体したダウンビートの内向性が二律背反していて、微妙なバランスで辛うじて建っている夜の建築物のように美しい…#16



  • ◎ BEETHOVEN CHOPIN KITCHEN FRAUD (Siesta 1999) Loveletter

  • デレク・ジャーマン監督作品の音楽を担当していたことで知られるSimon Fisher Turnerにはルクセンブルグ王(The King Of Luxembourg)というコスプレ・キャラが存在した。ドリーミィでメランコリックでビター・スウィートな、でも少し狂っている美少年‥‥デビュー・アルバム《Royal Bastard》(el 1987)に収録されたThe Monkeesの〈Valleri〉(途中からマカロニ・ウエスタン調になっちゃうのだ!)や、P.I.L.〈Poptones〉の白昼夢のようなカヴァ曲は秀逸だった...#17



  • ◎ APPLE VENUS VOLUME 1 (Cooking Vinyl 1999) XTC

  • 確執が噂されていたヴァージン・レーベルから離脱し、Dave Gregoryも抜けて2人組になってしまった新生XTCのアルバム。「Volume 1」とあるように翌2000年にリリースされた《Wasp Star》(Apple Venus Volume 2)と対になっている(Vol.1 アクースティック、Vol.2 エレクトロニック)。サウンドがアメリカナイズされ、Andy Partridgeのソング・ライティングもマンネリ化していた前作《Nonsuch》(Virgin 1992)に較べるとリフレッシュされている。ウィリア…#18



  • ◎ ULTRA ー OBSCENE (XL 1999) Breakbeat Era

  • ドラムンベースの革新者Roni Sizeが結成した新プロジェクト Breakbeat Eraのデビュー・アルバム。Roni Size、DJ Die、Leonie Laws(ヴォイス)の3人組で、かつてのトリップホップ・ユニットのように女性ヴォーカルがフィーチャーされている(ポスト・トリップホップを狙った?)。「超ワイセツ」というタイトルに反し、硬質でストイックなトラックが全15曲、74分以上に渡って繰り広げられる。トリップホップのように暗鬱でも淫靡でも耽美でも変態でもゴシックでもない。実…#19



  • ◎ COBRA AND PHASES GROUP PLAY VOLTAGE ... (Duophonic 1999) Stereolab

  • Stereolabが存在しなかったら、The Bird & The BeeもSoy Un Caballoもデビューしなかったかもしれない。《トマト・ケチャップ皇帝》(1996)に引き続いて、John McEntireとJim O'Rourkeの2人が楽曲のほぼ半分ずつをメンバーと共同プロデュースしている。Stereolabの面白さは変幻自在のリズムにある。6拍子の〈The Free Design〉、5拍子(サビ部分は7拍子)の〈Blips Drips And Strips〉‥‥。「この曲で踊れる?」と悪戯っぽく微笑む実験好きの少年の姿が思い...#20


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    ミュージックマガジン 2017年 4月号

    ミュージックマガジン 2017年 4月号

    • 特集:1990年代のUKアルバム・ベスト100 / JASRACと音楽著作権
    • 出版社:ミュージックマガジン
    • 発売日:2017/03/20
    • メディア:雑誌
    • 執筆者:赤尾美香 / 天井潤之介 / 安藤優 / 五十嵐正 / 石田昌隆 / 大鷹俊一 / 岡村詩野 / 小野島大 / 金子厚武 / 木津毅 / 久保憲司 / 栗本斉 / 駒形四郎 / 近藤真弥 / 坂内優太 / 坂本哲哉 / 志田歩 / 柴那典 / 高岡洋詞 / 高橋健太郎 / 名小路浩志郎 / 行川和彦 / 野田努 / 長谷川町蔵 / 原雅明 / 廣川裕 / 保科好宏 / 松山晋也 / 宮子和眞 / ムードマン / 村尾泰郎 ...

    火蟻浴び

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  • 空自身は、自分の姿を見ることは出来ない。でも、窓に映り込んだことで、その姿を確認出来るのだろう。この写真を撮ったときは、そんなこと考えもせず、シャッターを切った。目で見た風景を、改めて一枚の写真として見直すと、色々なイメージが広がる。物言わぬ写真が、私を刺激し、想像を膨らませる。そのとき自分が何を見ていたか、どんなふうに見つめていたか‥‥、そのことと向き合うのが面白い。人もまた、一人で自分を知るのは困難なことかもしれない。人と関わり、その形に自分自身の姿が映し出され、自分を知っていく。写真を撮るとき、ファインダーを覗いていると、対象となるものと一対一の関係になる。その集中した感じが、個人的な空間の雰囲気が、好きなのかもしれない。或いは、そこにある微妙な距離感が好きなのかもしれない。
    松 たか子 「写ったものに映るもの」


  • ⃞ 愛しい子が立つまで、松たか子、意思問い
    写真を撮るのが唯一の趣味だという松たか子さん。19歳の誕生日にプレゼントされたマニュアル・カメラと標準レンズを今でも愛用している。「犬達や子供にレンズを向けると、自然にアップが多くなってしまう。可愛らしいものに対しては愛情に嘘をついたり、無理が出来なくなってしまう」。ビルの窓を撮った2枚の写真(カラーとモノクロ)には空(雲)が映り込んでいる。空(雲)は自分の姿を見ることが出来ないけれど、ビルの窓に映った姿を見ることで確認出来る。「写真に写ったものは、そのときそこに居た自分も映し出す」‥‥セルフィ(自撮り)などという露骨で端ない行為に及ばなくても、写真には自分の姿がビルの窓に映った空(雲)のように映っているのである。結婚して、母親となった松たか子は転んで泣き出した幼い娘が自分の意思で立ち上がるまで辛抱強く待ち続け、愛情を込めてカメラのシャッターを切る。

    ⃞ 男装の麗人、掘る古本。仕入れ農村だ!
    某新古書店チェーンの社長が就任したこともあったけれど、古書業界は未だに色褪せて黴臭い古本と同じく、古色蒼然とした「男社会」である。浅生晴美は日本では珍しい女性の古書・古本ハンターである。地方の古い民家の物置きや納戸、倉庫や蔵に死蔵されている本や雑誌を買い付けて仕入れ、古書店に卸す仕事を生業にしている。実家や小・中学校の図書室の蔵書は殆ど読破したと豪語する子供の頃からの本の虫。大学の教育学部を出て公立図書館の司書となったが、ある日私の求める本は毎日数多く出版される新刊ではなく、時代の闇に埋もれて忘れ去られた古本だと気づいて転職した。必殺古本仕入れ人は彼女の天職である。今日の大都市には稀覯本は殆ど埋まっていない。地方の旧家や農村の蔵の中に人知れず眠っていることが少なくない。保守・封建的な風土が残る地方で嘗められないように、晴美は男装の麗人となって今日も古本を掘りに行く。

    ⃞ 兄死んで五月晴れ、我々は喫茶店「シニア」
    12歳年上の兄が死んだ。1年前から長期入院していたので、最悪の事態は覚悟はしていたけれど、実際に亡き兄の遺体と対面するのは辛かった。決して兄弟の仲が悪かったわけではない。年齢が一回り離れていたこともあって、成人してからは次第に疎遠になった。葬儀と火葬を終えた後で、今まで張りつめていた緊張の糸が緩んだのか、名状し難い虚無感に襲われてしまった。今どきの火葬場では五月晴れの青空に死者の煙が立ち昇ったりはしない。「空が青いから泣けてくる」「天国なんかない。上にあるのは空だけ」という歌が天使の輪のように宙に浮かぶ。温かい遺骨を拾い、骨壺を抱いて帰途に着く。老人会の溜まり場だったという喫茶店「シニア」で、兄の友人たちから生前を話を聞いた。兄が長年連れ添った妻の死の翌日に公園のネコたちを見に来たこと。自転車に乗って近所の野良ネコたちに毎日食事を与えていたこと。兄がネコ好きだったことを今日初めて知ったのだ。

    ⃞ 力んだ九段、三択、 啖切り
    A級順位戦7回戦・光浦九段(先手)と秋葉八段(後手)の対局は激戦だった。いつ終局するのか分からない長丁場の死闘である。両者得意の戦形「横歩取り」で始まり、形勢不明のまま中盤へ突入。その後、龍を押さえ込んで駒得(桂得)した八段が優勢となった。2人の対局は午前1時過ぎに漸くクライマックスを向かえようとしている。九段は持時間(6時間)を使い果たして、1分将棋に突入していた。八段も秒読みに追われながら「6七香成」と指す。九段は苦悶の表情で盤面を見つめる。自陣の玉を守るか、王手で攻めるか、それとも最後の勝負手を放つか?‥‥の三択で迷っていた。30秒が経過して記録係の秒読みが続く。極度の緊張状態からか、突然激しく咳き込んだ九段は慌てることなく懐から取り出した啖切り飴(のど飴)を舐める。50秒、1、2、3、4、5、6、7、8‥‥九段の169手目は「5三金」打ちの王手!‥‥「一瞬の逆転劇」だった。

    ⃞『昆布で若返り、切り絵画』(河出文庫)
    子育ても終わり、子供たちも自立して家から出て行ってしまった。経年による皮膚の弛みや目尻の皺、長年の運動不足から生じた肥満と腰痛‥‥ある日、鏡に映った自分の姿を見て、オバさん化してしまったことに気づき愕然とした。若かった頃の自分自身を取り戻す決心をした。ウォーキングと筋トレ、ダイエットと食事療法による健康管理。青汁やスムージーなどの健康飲料も試してみたけれど、著しい改善効果は感じられなかった。意気消沈している時に出合ったのが「昆布茶健康法」だった。1日3回、毎食後に昆布茶を飲むだけで、見る見る若返って行ったのだ。彼女が次に行なったことは趣味の「切り絵」だった。学生時代に凝って作っていたが、結婚して子供が出来てからは疎遠になっていたのだ。ブログにアップした「昆布で若返り」と「切り絵画」が大きな話題となって、本まで出版される運びになった。久々に実家に里帰りした娘は母親の変貌ぶりに仰天し、ツイッターに誤って「昆布で若返り、母は貼り絵画」(河出文庫)と書き込んだ。

    ⃞ 亀石「ビキニ着る」明日香や人など、素見す歩きに厳しい目が
    奈良県高市郡明日香村川原にある石造物「亀石」は飛鳥時代の代表的な遺跡の1つである。夏休みのヴァカンスで明日香村を訪れた明日香は「亀石」との2ショットをブログにアップした。何の気なしに撮った1枚の写真に批判が殺到して、削除せざるを得なくなる事態になるとは夢にも思わなかった。彼女の着ていたTシャツ(黒地に白文字で「Bikini Kill」とプリントされている)が災いを招いたのだろうか。ビキニ・キル(Bikini Kill)がキャサリン・ハンナ(Kathleen Hanna)の率いる4人組ライオット・ガルーであることを知らない輩が日本の遺跡の前で原爆実験を連想させるのは不謹慎だと非難のツイートしたことからブログが炎上!‥‥いつの間にか「ビキニ着る」と流言飛語化して、ビキニ姿の戯けた写真を撮ったことになってしまったのだ。明日香はジュリー・ルーイン(The Julie Ruin)のPVでワクサハッチー(Waxahatchee)が「YOKO ONO」のTシャツを着ていたのを真似しただけなのに‥‥と憤懣遣る方ない。

    ⃞ ユーラシアの御飯、パン。今晩はこの味、ラー油
    中華料理に欠かせない調味油のラー油(辣油)がアジアは元より、ヨーロッパを含めたユーラシア全域で一大ブームを引き起こしている。日本でも数年前から「食べるラー油」として売り出されるや否や人気食品となっていた。料理の調味油や餃子などのタレとして使われるだけでなく、主食の白米やパンのオカズとして食べるのだ。今や激辛ソースの代名詞だった「タバスコ」の存在を脅かすほどの存在になっているという。外出時にも「マイ七味」を持って歩くほどの自他共に認める超辛党のR子も今では「マイラー」と呼ばれるほどラー油の魅力に嵌まっている。「ペヤング激辛やきそば」にラー油を振りかけて食べるというのだから怖しい。ちなみに私が食卓に常備しているのはタバスコでもラー油でもない。マリー・シャープス(Marie Sharp's)「ピーウェア・コマトスホット(激辛)」です。

    ⃞ 嘘・偽り且つ罪作り。屁理屈3つ刈羽、追従
    2017年10月4日、新潟県柏崎刈羽原発が原子力規制委員会の安全審査に「合格」した。鹿児島県薩摩川内原発に続いて再稼働されてしまうのだろうか。電力会社は原発がエコでクリーンで低コストの安全なエネルギーであると数十年前から喧伝して来た。ところが2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で爆発した福島原発事故によって、地球環境に優しいクリーン・エネルギーという「安全神話」が全くの嘘偽りであったことが白日の許に曝されてしまったのだ。その舌の根も乾かないうちに、福島原発の廃炉処理も住民の避難計画も核のゴミ(放射性廃棄物)の収容施設場所も覚束ないのに再稼働への準備だけは着々と進んでいる。クリーンで安全で省エネ(低コスト)などと屁理屈を捏ねても、現実に起こってしまった歴史的な事実は変えられない。K泉元総理も在職中に「郵政民営化」などではなく「反核・反原発」を国民に訴えて、実現しておけば良かったのにね。

    ⃞ 瀕死・不審者、母子・小火、紳士・不審火
    早朝ジョギングしていた主婦が公園で倒れていた瀕死の老人を発見した。その日の午後、近くのマンショの一室で火災が発生して母親と幼い子供が救出された。深夜には不審火によって近隣の民家が全焼して、1人暮らしの男性が焼死した。同日、半径500m内の三角地帯で立て続けに起きた3つの怪事件に何かしらの関連性があるのか、それともないのか?‥‥地元の警察は慎重に捜査を進めている。病院に救急搬送された身許不明の不審者は公園で寝起きしていたホームレスらしい。マンションの火災は部屋の一部が焼けただけの小火で、母子共に軽傷(手足の軽い火傷)だった。民家の火事は放火の疑いが色濃い。焼け落ちた民家の前で、迷宮探偵の綾取猫人と黒猫のコロネは「魔のトライアングル事件」の真相を探ろうとしていた。民家の男性焼死者と火傷した母親は別居中の夫婦で、ホームレス老人は行方不明になっていた母方の祖父だったりして?

    ⃞ 寝た妻は妊婦。先月定価で買い「鉄拳7」に嵌まったね
    妻は妊娠5カ月‥‥漸く安定期に入って心身共に落ち着いて来たのか、今夜も寝室のベッドで安らかに眠っている。妊娠中は妻だけではなく、夫も気が利きではない。一緒に想像妊娠してしまったり、浮気に走ったりすることも少なくないらしい。尋常ならぬ精神状態に陥って、意外な兆候や極端な行動に至ってしまうという。一刻も早く健康な状態で産まれて欲しいと願っているのに、日常の時間は遅々として進まない。焦燥感や不安感を紛らわすために夫が没頭したのは対戦格闘ゲームだった。発売日に「鉄拳7」を入手して以来、毎夜オンライン・ランクマッチに打ち興じている。お気に入りのキャラはアリサ・ボスコノビッチ(アンドロイド娘)。顔馴染みの鉄拳キャラだけでなく、2D格ゲーから新たに参戦した豪鬼や600年の眠りから目覚めた女ヴァンパイアのエリザ、「餓狼伝説」の悪役ギース・ハワードとの闘いも愉しい。浮世の柵から逃れて、妻子のことも忘れ去り、ロボ娘を操って世界中の匿名プレイヤーと夜な夜なランクマするのは無上の喜びである。

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    • 回文と本文はフィクションです。一部で実名も登場しますが、該当者を故意に誹謗・中傷するものではありません。純粋な「言葉遊び」として愉しんで下さい

    • 2005年12月から連載している回文シリーズが50回(500回文)になりました^^;

    • 「松のひとりごと」(朝日新聞出版)、「亀石」(Wikipedia)、「第76期A級順位戦7回戦」(朝日新聞)、「ロボ娘イキます!」(YouTube)などを参照しました

     スニンクスなぞなぞ回文 #50

     毛並み、出遭い◯▽◇△◎◯む◯◎△◇▽◯い当て身投げ

     回文作成:sknys

     ヒント:ギース・ハワードの対戦相手は?


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    松のひとりごと

    松のひとりごと

    • 著者:松 たか子
    • 出版社:朝日新聞出版
    • 発売日:2009/10/07
    • メディア:文庫
    • 目次:鏡越しの顔 /『HERO』噂話 / 勝利の人 / 街と人と劇場 / マスクの心 /「その先」/ 心のやりとり / 確かにそこにいた記憶 / 九月の長い夜 / 苦行と歓び /『嵐が丘』の幕開け / 写ったものに映るもの / 鏡をみるとき / 犬間関係 / clover / あの子が私に言ったコト / 五月回想 / 笑いのセンス / 窓から見上げて / エアーの犬小屋 / 光と影の色 / ”55” の夢 ...


    Pussy Whipped

    Pussy Whipped

    • Artist: Bikini Kill
    • Label: Kill Rock Stars
    • Date: 1993/10/29
    • Media: Audio CD
    • Songs: Blood One / Alien She / Magnet / Speed Heart / Lil Red / Tell Me So / Sugar / Star Bellied Boy / Hamster Baby / Rebel Girl / Star Fish / For Tammy Rea


    ハバネロソース ピーウェア・コマトスホット(激辛)

    ハバネロソース ピーウェア・コマトスホット(激辛)

    • 名称:レッドハバネロソース
    • ブランド名:マリーシャープス(Marie Sharp's)
    • 内容量:248ml
    • 原産国名:ベリーズ(Belize)
    • メディア:その他


    鉄拳7

    鉄拳7

    • メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
    • プラットホーム:PlayStation 4
    • 発売日:2017/06/01
    • メディア:Video Game
    • 内容:ストーリーモード / トーナメントモード / オンラインバトル / アーケイドバトル / VRモード / トレジャーバトル / バーサスバトル / プラクティス / カスタマイズ / ジュークボックス / ギャラリー / ...

    スニーズ・ラブ 35

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  • ♭ 猫は宇宙で丸くなる(2017-12-02)
  • 『猫は宇宙で丸くなる』(竹書房 2017)は日本独自編集のネコ・アンソロジー(ニャンソロジー)。シオドア・スタージョンやフリッツ・ライバーなどの中・短篇10作品(初訳4編を含む)を〈地上編〉〈宇宙編〉に分けて収録した「猫にまつわるSFとファンタシー傑作選」である。『魔法の猫』(扶桑社 1998)など、過去に編まれた「猫SF傑作選」との重複はない。串に刺したマシュマロを暖炉で焼く天才猫が野犬を罠に嵌めるジェフリー・D・コイストラの「パフ」。未開惑星に短期逗留したオテリス少年が細やかな歴史的改変を試みるロバート・F・ヤングの「ピネロピへの贈りもの」。不老不死の猫ベンと治癒能力を持つジェフリー(ぼく)が共棲するデニス・ダンヴァーズの「ベンジャミンの治癒」。太古の女神フレイヤの化身である黄金色の雌猫がストリッパーに変身して獲物を漁るナンシー・スプリンガーの「化身」。交通事故で肉体を失った魂(ウォリー・グレゴリー)が黒猫ヘリックスの中に入り込むシオドア・スタージョンの「ヘリックス・ザ・キャット」‥‥他5編。

  • ♭ いますぐ聴いてほしい音楽 2017(2017-12-09)
  • 『いますぐ聴いてほしい2017年オールジャンル800』(ディスクユニオン 2017)を貰って来た。日本のロック・ポップス、ロック・ポップス、ハード・ロック / ヘヴィ・メタル、パンク、ジャズ、ワールド・ミュージック、ソウル / ブルース、ヒップホップ、クラブ / ダンス・ミュージック、クラシック、映画音楽というジャンル別に800枚のアルバム(レコード・CD)をユニオンのスタッフ(1人1枚)が紹介している。今年リリースされた新譜だけでなく、リイシュー盤も含まれる。重複しているアルバムも少なからずあるので、音楽メディアの「年間ベスト・アルバム」とは趣きが異なる。未知のアルバムを発見するのも年末の愉しみの1つだが、驚きは「音楽」ではなく「本」にあった。宮谷一彦の『ライク ア ローリング ストーン』(フリースタイル 2017)が単行本化していたとは知らなかった。1月のJohn Wetton(享年67歳)から10月の遠藤賢司(享年70歳)まで、今年亡くなった20人を追悼した巻末の「R.I.P.」も感慨深い。

  • ♭ ライク・ア・ローリング・ストーン(2017-12-16)
  • 2017年8月、宮谷一彦の『ライク ア ローリング ストーン』(フリースタイル 2017)が48年の歳月を経て初単行本化された。このことだけでも「大きな事件」だったが、「第1話と第4話が入れ替わって収録」されていた乱丁本だったことが出版後に判明した。版元の「宮谷一彦『ライク ア ローリング ストーン』についての重要なお知らせ」によると、通常の返品交換ではなく表紙カヴァを折り畳んで「定型内封筒」に入れて送付すると、購入者に改訂版を無料で送るという。表紙カヴァを郵送すると、3日後にクロネコDM便で『ライク ア ローリング ストーン』が届いた。お詫びの手紙が添えられ、特製ポストカードと切手(82円)が同封されている。奥付に「初版 2017年8月15日」と記されているから、購入者の手許に残った表紙カヴァなし本は幻の初版(3千部のうち在庫分を断裁したという)となったのだ。月刊COMに連載された「ライク ア ローリング ストーン」(全6話)に「白夜」(全5話)を併録。中条省平の解説「日本初の本格的な 「私マンガ」」付き。

  • ♭ 90年代UKアルバム・ベスト20(2017-12-23)
  • 某ミュージックマガジン(2017年 4月号)に倣って、〈90年代UKアルバム・ベスト20〉をリスト・アップしてみた。〈90年代アルバム・ベスト20〉のUKアルバム10枚、年間ベスト・アルバム(1900~1999)の中のUKアルバムから10枚を選出した。「UKベスト20」にはStereolabとTrickyのアルバムが2枚ずつ入っている。1アーティスト、1アルバムという縛りで、Portisheadの《Dummy》(Go! Beat 1994)やRadioheadの《OK Computer》(XL 1997)を選ぶことも検討したが、四半世紀前の過去を自分の都合の良いように改変しないことにした。Massive Attack、Tricky、Goldie、Lamb‥‥90年代の英国にトリップホップ〜ドラムンベース旋風が吹き荒れたことが鮮明に甦るリストとなった。この種のランキングは往々にして似たり寄ったりの名作アルバムが並ぶことになってしまう。いかに独自色を出すかが選者の腕の見せどころ。A. C. Temple、Martin Newell、Moloko、XTC、Loveletter‥‥などがスニンクスのカラーでしょうか。

  • ♭ BEST ALBUMS 2017(2017-12-30)


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    • 別館ミニ・ブログ「スニーズ・ラブ」シリーズの1カ月分(2017-12)です^^;

    • リンク画像が左に重なって見難いので、サイドバーを右側にレイアウトしました。「SKIN SWITCHER」でデフォルトに戻せるにゃん
                        *






    猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選

    猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選

    • 著者:シオドア・スタージョン(Theodore Sturgeon)/ フリッツ・ライバー(Fritz Leiber)他 / 中村 融(編)
    • 出版社:竹書房
    • 発売日:2017/08/31
    • メディア:文庫
    • 目次:パフ / ピネロピへの贈りもの / ベンジャミンの治癒 / 化身 / ヘリックス・ザ・キャット / 宇宙に猫パンチ / 共謀者たち / チックタックとわたし / 猫の世界は灰色 / 影の船 / 編者あとがき・中村 融


    いますぐ聴いてほしい2017年オールジャンル800

    いますぐ聴いてほしい2017年オールジャンル800

    • 出版社:ディスクユニオン
    • 発売日:2017/11/22
    • メディア:フリー・マガジン
    • 目次:日本のロック・ポップス / ロック・ポップス / ハード・ロック / ヘヴィ・メタル / パンク / ジャズ / ワールド・ミュージック / ソウル / ブルース / ヒップホップ / クラブ / ダンス・ミュージック / クラシック / 映画音楽 / 本 / スペシャル・ゲスト(HAYATO / Chee Shimizu / ISHIYA / Jun Kawai / KAZZMAN / Yuki 'T-GROOVE' Takahashi / 大西順子 / 久保田麻琴 / 久米小百合 / 桜井雄一郎 / 津下佳子 / 中村孝義 / 花田勝暁 / 原田和典 / フルカワミキ / 湯浅学)/ コラム(Keishi Tanaka / 高嶋政宏 / 江口寿史 / ...


    ライク ア ローリング ストーン

    ライク ア ローリング ストーン

    • 著者:宮谷 一彦
    • 出版社:フリースタイル
    • 発売日:2017/08/01
    • メディア:単行本(ソフトカバー)
    • 目次:ライク ア ローリング ストーン(流れの木の葉のように)/ ライク ア ローリング ストーン 1~6 / 白夜 / ならば ぼくは1ページ一時間でかいてやろう!(白夜 1)/ 白夜 2 / 白夜 3 / 白夜 4 悲しき天使(ルイのための童話)/ 白夜 5 ぎゃあ / 解説 日本初の本格的な「私マンガ」 中条省平


    ミュージックマガジン 2017年 4月号

    ミュージックマガジン 2017年 4月号

    • 特集:1990年代のUKアルバム・ベスト100 / JASRACと音楽著作権
    • 出版社:ミュージックマガジン
    • 発売日:2017/03/20
    • メディア:雑誌
    • 執筆者:赤尾美香 / 天井潤之介 / 安藤優 / 五十嵐正 / 石田昌隆 / 大鷹俊一 / 岡村詩野 / 小野島大 / 金子厚武 / 木津毅 / 久保憲司 / 栗本斉 / 駒形四郎 / 近藤真弥 / 坂内優太 / 坂本哲哉 / 志田歩 / 柴那典 / 高岡洋詞 / 高橋健太郎 / 名小路浩志郎 / 行川和彦 / 野田努 / 長谷川町蔵 / 原雅明 / 廣川裕 / 保科好宏 / 松山晋也 / 宮子和眞 / ムードマン / 村尾泰郎 ...

    靴盗るブルドッグ(回文かるた 2 0 1 8)

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     あ 海驢 雨 アカシア あしかあめあかしあ
     い 意気地なし悔い いくじなしくい
     う 嘘5つ 追想 うそいつつついそう
     え 絵描き 吹き替え えかきふきかえ
     お 降り立ったリオ おりたったりお
     か カフェラテ お寺Fが? かふぇらておてらえふが?
     き 共謀法 予期 きょうぼうほうよき
     く 九段 忖度 くだんそんたく
     け 下足痕刮げ げそこんこそげ
     こ 子猫・ねこ・ネコ こねこねこねこ
     さ 桜・蕁麻 さくらいらくさ
     し 事故午後五時 じこごごごじ
     す 捨て子猫です すてこねこです
     せ 背汗 せあせ
     そ 染まる嫁 夜 マゾ そまるよめよるまぞ
     た 食べログ 黒ベタ たべろぐくろべた
     ち 千葉 雌スズメバチ ちばめすすずめばち
     つ 追憶 追いつ ついおくおいつ
     て 停車 強いて ていしゃしいて
     と 特価ドス リストカット とっかどすりすとかっと
     な 鉈は棚 なたはたな
     に ニホンザル散歩に にほんざるさんぽに
     ぬ 濡れても 照れぬ ぬれてもてれぬ
     ね ねこといぬ 手縫い 床寝 ねこといぬてぬいとこね
     の 後々の‥‥ のちのちの‥‥
     は 歯ぎしりし牙 はぎしりしきば
     ひ 日々飛び火 ひびとびひ
     ふ 2人子供と五里 タフ ふたりこどもとごりたふ
     へ 辺野古の木々 茸 野辺 へのこのきぎきのこのべ
     ほ 放っとけ ハゲ ドツボ! ほっとけはげどつぼ
     ま マハラジャ白浜 まはらじゃしらはま
     み 水が濾過済み みずがろかずみ
     む 昔から野良悴む むかしからのらかじかむ
     め メダル売るため めだるうるため
     も 文科省 4時間も‥‥ もんかしょうよじかんも‥‥
     や ヤクルト摂る九夜 やくるととるくや
     い 意外 蠅 媒介 いがいはえばいかい
     ゆ 湯布院 4位 冬 ゆふいんよんいふゆ
     え 異邦人(エトランゼ)の全裸と絵 えとらんぜのぜんらとえ
     よ 夜 飯屋 閉めるよ よるめしやしめるよ
     ら 落第 泣いた蔵 / 駱駝いないダクラ らくだいないた(だ)くら
     り 力んで菩薩 サボテン切り りきんでぼさつさぼてんきり
     る ルヴァン 南ア 売る れゔぁんなんあうる
     れ 冷蔵ヨウ素容れ れいぞうようそいれ
     ろ 老木の窪・洞 ろうぼくのくぼうろ
     わ 悪ネコ 午後寝る 輪 わるねこごこねるわ
     ゐ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
     う 薄切り河豚 鰤 奇数 うすぎりふぐぶりきすう
     ゑ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
     を ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 
     ん ンドレ丼 んどれどん

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    • 回文かるたはフィクションです。一部で実名も登場しますが、該当者を故意に誹謗・中傷するものではありません。純粋な「言葉遊び」として愉しんで下さい

    • スニンクス・ブログ12周年記念新春恒例企画「回文かるた 2018」です。タイトルを含めて全50作。回文にコメントは付けないので、読者各自で想像力を脹らませてね

    • 〈クワガタが湧く〉〈呼ぶと鳩は飛ぶよ〉など、検索でヒットした回文は外しました

    • 絵札の「ブルドッグのイラスト」「いらすとや」から拝借しました^^
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    つとるぶるどっぐくつとるぶるどっぐ

    靴盗るブルドッグ(回文かるた 2018)

    • Author: sknys
    • Provider: So-net
    • Date: 2018/01/01
    • Media: Palind-carta
    • Palta: 海驢 雨 アカシア / 意気地なし悔い / 嘘5つ 追想 / 絵描き 吹き替え / 降り立ったリオ / カフェラテ お寺Fが? / 共謀法 予期 / 九段 忖度 / 下足痕刮げ / 子猫・ねこ・ネコ / 桜・蕁麻 / 事故午後五時 / 捨て子猫です / 背汗 / 染まる嫁 夜 マゾ / 食べログ 黒ベタ / 千葉 雌スズメバチ / 追憶 追いつ / 停車 強いて / 特価ドス リストカット...

    S K N Y S L A B 2 0 1 8

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    S K N Y S L A B(2 0 1 8)»
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    骨娘のヘイロー(2 0 1 7)

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  • ◎ BOA NOITE PRA FALAR COM O MAR(Independente)Joana Queiroz Sexteto
  • 2ndアルバムはカルテット(Quarteto)名義の《Uma Maneira de Dizer》(2013)から、Joana Queiroz、Beth Dau(ヴォーカル)、Bernardo Ramos(ギター)、Rafael Martini(ピアノ)、Bruno Aguilar(コントラバス)、Felipe Continentino(ドラムス)の6人(Sexteto)編成となった。全8曲中ヴォーカル入りは2曲だけだが、JoanaとBeth Dauの2人が自由奔放にスキャットしているので「インスト・アルバム」という感じはしない。彼女が率いる管楽六重奏団、Inventosのメンバーが客演した〈La Sorpresa〉はCarlos Aguirreに捧げた曲。クラリネットが狂おしく泣き咽ぶ〈Canticos XII〉は詩人セシリア・メイレレス(Cecília Meireles)の歌詞を使用している。変幻自在の高速スキャットや変態ギターなどが疾走する〈Na Guaribada da Noite〉はHermeto Pascoalのカヴァ。ラストの〈Estrada〉ではJoana Queirozが子供たちと一緒に愉しそうに歌っている。怪奇と幻想が渦巻く新世紀のブラジル音楽である。

  • ◎ LAMOMALI(Wagram)Lamomali
  • -M-(Matthieu Chedid)のニュー・アルバムはマリのミュージシャンとのコラボレーション。ラモマリ(Lamomali)というタイトルはバンド名でもあるらしい。透明なスリップ・ケースには大きな白文字で「M」とプリントされているけれど、アフロヘアの女性2人(黒人と白人)を合成した黄色いジャケット(デジパック仕様)の裏に小さく「-M-」と記載されているだけなので、-M- の新作とは気づき難い(某タワレコではフランスではなく、ロック・ポップスの「L」棚にあった)。Toumani & Sidiki Diabaté親子のコラとFatoumata Diawaraのヴォーカル(4曲)をフィーチャーし、曲ごとに多彩なゲストを迎えている。コラの軽やかな音色から始まる〈Manitoumani〉、Oxmo Puccinoがラップするファンキーな〈Bal de Bamako〉、Fatoumata Diawaraとデュエットするレゲエ調の〈Cet Air〉‥‥ 〈Solidarité〉にはYoussou N'DourやSeu Jorgeなどもヴォーカルで参加している。仏・英訳歌詞ブックレット(24頁)付き。

  • ◎ CUIDADO MADAME*(Ponderosa)Arto Lindsay
  • 《Salt》(Righteous Babe 2004)以来、実に13年振りのソロ・アルバム。長いインターヴァルを感じさせないのはTonoやLourenco Rebetezなどのプロデュースが記憶に鮮明だから。ノン・チューニング・ギター(チューニング出来ないくらい耳が良い?)とブラジル音楽の融合アヴァンポップを体現・体感する音楽で、Simon Fisher Turnerにも相通じる甘美なヴォーカルに魅惑される。ドラムンベース風の〈Grain By Grain〉、9拍子の〈Ilha Dos Prazeres〉、ノイズ・ギターが炸裂する〈Unpair〉、Marisa Monteと共作した〈Pele de Perto〉など全11曲・38分。日本先行発売(P-VINE)から遅れること3カ月!‥‥米インディーズ(Northern Spy records)からのリリースだったが、入手した紙ジャケ仕様のイタリア盤(Ponderosa)には収録されていないボーナス・トラック名〈Nobody Standing In That Door〉が歌詞カードに記載されている。国内盤をコピーしただけなのでしょうか。

  • ◎ SLOWDIVE*(Dead Oceans)Slowdive
  • 1989年10月、英レディングで結成されたSlowdiveは3枚のアルバムをリリースして1995年に解散。Neil Halstead(ヴォーカル、ギター、キーボード)、Rachel Goswell(ヴォーカル)、Ian McCutcheon(ドラムス)の3人は新たにMojave 3を結成。Simon Scott(ドラムス)やChristian Savill(ギター)もバンドやソロなどで活動していたが、2014年1月に再結成した。22年振りの4thアルバムはオリジナル・メンバー5人で録音されている。ノイジーなギターやシンセの驟雨から聴こえて来る囁くような男女のヴォーカルはシューゲイザーの王道。シングル・カットされた美メロのキラー・ソング〈Sugar For The Pill〉、サウンドとヴォーカルが渾然一体となって疾走する〈Everyone Knows〉、目頭が熱くなるほど美しい〈Go Get It〉‥‥豪雨のようなノイズが低周波マッサージのように強ばった躰を解きほぐし、夢見るようなヴォイスが荒んだ心を優しく愛撫する。今日のドリーム・ポップがシューゲイズから派生したことは感慨深い。 

  • ◎ HALO*(Crammed Discs)Juana Molina
  • 1人だけで録音した《Wed 21》(2013)から3年半。Juana Molinaの7thアルバムは宅録から、スタジオ・レコーディングへ1歩踏み出す。テキサス郊外のホスタジオで録音されたアルバムにはライヴ・サポート・メンバーのOdin Schwartz(ベース、シンセ、ギター)とDiego Lopez de Arcaute(ドラムス)が参加している。John Dieterich(Deerhoof)がギターを弾いている〈In The Lassa〉、6拍子の〈Paraguaya〉〈Estalacticas〉、7拍子の〈Cosoco〉‥‥アルバム・タイトルの「ヘイロー」(halo)は白く蓄電する光のこと。浮游する光が不吉な出来事の予兆(オラクル)と信じられていたアルゼンチンの民間伝承に由来する。その正体は動物の死骸の骨が放つ光だったというから、日本の鬼火や狐火のような自然現象なのかもしれない。カヴァとブックレット(3つ折り歌詞カード4枚)に載っている下肢骨を擬人化した「骨娘キャラ」もブライスみたいにキモ可愛い。

  • ◎ PARTY(4AD)Aldous Harding
  • オルダス・ハーディング(Aldous Harding)はニュージーランド・リトルトン出身の女性SSW。彼女のヴォーカルとピアノ、ギター、John Parish(prod.)のピアノ、ギター、シンセ、ドラムス、イタリア人マルチ奏者Enrico Gabrielliのバス・クラリネット、サクソフォン、ローズ・ピアノという3人編成で、「ゴシック・フォーク」と自称するサウンドを奏でる。フレンチ・ポップスみたいに可愛い〈Blend〉、エキセントリックな少女っぽいヴォーカルの〈Party〉、挿入される少女たちの叫び声が強烈な〈Imagining My Man〉、ピアノの伴奏で強靭なヴォイスを披露する〈Horizon〉、Mike Hadreas(Perfume Genius)とデュエットした〈Swell Does The Skull〉‥‥怖そうな顔からは想像し難い変幻ヴォイスは狂気も内に秘めている。2丁拳銃のセクシーなカウガールに扮したAldous Hardingが仏頂面で踊る〈Blend〉のPVも必見です。

  • ◎ VESTIDA DE NIT(Universal)Silvia Perez Cruz
  • スペイン・パラフルージェル生まれの女性歌手シルヴィア・ペレス・クルース(Silvia Perez Cruz)のニュー・アルバムは彼女の「愛唱歌」を弦楽五重奏(ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)でリメイク。Caetano Velosoのスペイン語圏のラテン・カヴァ集《粋な男》(Fina Estampa 1994)に収録されていたSmon Diazの〈Tonada De Luna Llena〉、カタルーニャのトラッド・ソング〈Vestida De Nit〉、日本でもヒットした〈La Lambada (Chorando Se Foi) 〉、チェロの伴奏でエクスペリメンタルする〈Corrandes D'Exili〉、2016年に亡くなったLeonard Cohenの〈Hallelujah〉‥‥。彼女の自作曲〈Ai, Ai, Ai〉〈Loca〉〈Nao Sei〉も収録されている。2014年のアンプラグド・コンサートから進展させた企画らしいが、安直な片手間仕事ではない。うねる弦楽五重奏と狂おしいまでに濃密な情念の籠ったヴォーカルから、彼女の本気度が伝わって来るからだ。三面デジパック仕様、解説ブックレット(32頁)付き。

  • ◎ HARU(Independente)Alexandre Andres / Rafael Martini
  • Alexandre Andres(ギター、フルート)とRafael Martini(ピアノ、ピアノ、シンセ)名義のデュオ・アルバム。Alexandre Andresの《Macieiras》(2017)はカルテットによるインスト・アルバムだったが、《Haru》は2人だけでレコーディングされている。Alexandre Andres4曲、Rafael Martini3曲、共作2曲という構成で、嬉しいことに全9曲中6曲はヴォーカル曲。インストにもスキャットが入っている。カルテットのアンサンブルやインプロヴィゼーションよりも、秋の夜長(ブラジルは春の宵?)に2人の歌を聴きたいというリスナーには日本語タイトルの「春」の方が胸に沁みるかもしれない。2人の力強いヴォーカル・ハーモニーに圧倒される。アルバム・タイトルの〈Haru〉は2人のスキャット・ヴァージョン(カルテットではAndre Mehmariがピアノでゲスト参加していた)。《Macaxeira Fields》(2012)に収録されていた名曲〈Menino〉をリメイクしているのも泣けて来る。

  • ◎ MOUNTAIN MOVES*(Joyful Noise)Deerhoof
  • Deerhoofの14thアルバムはJuana Molina、Jenn Wasner(Wye Oak)、Lætitia Sadier (Stereolab)、Matana Robertsなど多彩なゲストを迎えている。The Staple Singersの〈Freedom Highway〉、Bob Marleyの〈Small Axe〉などもカヴァしている。一見纏まりがなく散漫に感じられるかもしれないが、Juana Molinaが悲鳴を上げる〈Slow Motion Detonation〉、「ミュートで」というイタリア語タイトルの〈Con Sordino〉、聴衆に罵倒されたBob Dylanが放った言葉をタイトルにした〈Come Down Here & Say That〉、松崎里美がスペイン語で歌うチリの女性フォルクローレ音楽家ヴィオレータ・パラ(Violeta Parra)の〈Gracias A La Vida〉、アジア系女性ラッパーAwkwafinaがラップする〈Your Dystopic Creation Doesn't Fear You〉、John Dieterich(ギター)とデュエットする〈Ay That's Me〉、トランプ大統領を揶揄した〈Palace Of The Governors〉など‥‥鹿蹄の揺るぎない立ち位置が鮮明に見えて来る。

  • ◎ UTOPIA*(One Little Indian)Bjork
  • 《Vulnicura》(2015)に引き続いて、Arcaが全面参加した9thアルバム。痛ましい胸の疵(裂け目)が額に転移して花開いたジェシー・カンダ(Jesse Kanda)のカヴァ・アートが強烈無比(中島らもの「DECO-CHIN」の女性版「DECO-MAN」でしょうか?)。アルバムを入手した人はBjorkの音楽を聴く前に、このアートワークに直面することになる。顔を顰めるか、微笑むか、バカバカしいと思うか‥‥リスナーの人間性(性意識)も問われている。ダウン・ロードやストリーミングで聴いている人は衝撃度が少ないかもしれない。野鳥の鳴き声や羽撃きなどの自然音をバックグラウンドに、フルートやハープ、チェロ、コントラバスが優雅に奏でられ、不穏なエレクトロ・ビートに揺蕩うヴォイスとコーラスのハーモニーに包まれた桃源郷‥‥全14曲・72分に渡ってユートピアを旅する。「夢の国」に招かれたアルフレート・クビーンの主人公のように。歌詞ブックレット(12頁)付き。スペシャル・エディション(3面紙ジャケ仕様)には9つ折り特大ポスターを封入。

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    〈モノクロ・セット〉で紹介したアルバムが4枚も年間ベスト10に入ってしまった。Arto Lindsay、Aldous Harding、Waxahatchee、Slowdive、Silvia Perez Cruz、Laurel Halo、Zola Jesusの7枚にJlin、Nina Becker、Charlotte Gainsbourgなどを加えれば、白黒カヴァ・アルバムだけで10枚を選べるかもしれない。Priests、Jesca Hoop、Dirty Projectors、Arca、Lisa Knapp、Jane Weaver、Alvvays、Wolf Alice‥‥なども印象に残った。Adam Ant、Chuck Bery、J. Geils、Gregg Allman、Chester Bennington (Linkin Park)、Glen Campbell、Holger Czukay、Malcolm Young(AC/DC)、Tom Petty、Leon Russell‥‥2017年も多くのミュージシャンが他界した。琴線に触れた音楽にモノクロ・カヴァが多かったというだけのことなのかもしれないが、年末に白黒アルバムを矯めつ眇めつしていると、喪に服しているような気分になって来る。「年間ベスト・アルバム10」は1988年まで遡っているので、30年間で300枚のアルバムを選出したことになる。

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    Halo

    Halo

    • Artist: Juana Molina
    • Label: Coast To Coast
    • Date: 2017/05/05
    • Media: Audio CD
    • Songs: Paraguaya / Sin dones / Lentísimo halo / In the lassa / Cosoco / Cálculos y oráculos / Los pies helados / A00 B01 / Cara de espejo / Andó / Estalacticas / Al oeste


    Boa Noite Pra Falar Com O MarLamomaliCuidado Madame




    SlowdivePartyVestida De Nit




    HaruMountain MovesUtopia


    Nothing Feels NaturalMemories Are NowDirty ProjectorsArcaTill April Is DeadBlack OrigamiModern KosmologyDustOkoviOut In The StormAntisocialitesVisions Of A LifeRestAcrilicoMasseductionRecomecar

    S K N Y S ー S C R A P S 2 0 1 8

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  • S C R A P S 2 0 1 817161514131211100908




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    ネコ・ログ #48

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  • マリアはジュリエットの眼を見ていると、夢の中でうなされる不思議な町を、ジュリエットは知っているのだな、と思う。彼女が平常、箪笥の上に一瞬に跳び上る時の、黒い魔のような跳梁のしかたで、彼女は不思議な国々を跳び歩いているのだ。或平原には、蛇と女が葉陰に絡みついていて、葉が異様に繁茂している大きな樹木がある。そうかと思うと、四角い柱の並んだ、俎のような形の人間のいない駅がある。十字架のような電信柱が屋根の上に立っていて、よく見ると駅は、暗い海に浮ぶ氷島のように、暗黒の中に浮んでいる。ようよう駅があった。ここから帰れるかも知れない。そうマリアは思うのだが、見ると駅のわきの、これも四角い、幅の広い厚い板を並べた囲いの裏で、この世界は切れて、無くなっている。周囲は暗澹としていて、駅の後には薄い、透徹った雲の断片が浮んでいるのだ。
    森 茉莉 「魔利の恋人ジュリエット」


  • #424│レイ│飼い猫? ── 雨が降って来た
    「ねこ歩き」は日本各地や海外を巡らなくても良い。岩合さんのように遠出しなくても、近場にネコとの思わぬ出会いがあるからだ。近所を散歩していてマズルと胸元だけが白い黒ネコを初めて見た。民家のポーチに座っていたのだが、屈んでカメラを構えると隣家との間の露地へ移動した。居住者以外は立ち入れないスペースに避難して安心したのか、振り返ってカメラマンを興味深そうに見つめる。小雨が降って来たので、雨宿りしたのかもしれない。黒っぽい毛並みが濡れそぼって、焦げ茶色に変色している。この近くで三毛ネコの姿を見かけたこともある。初めて出会うネコとの交感はスリリングで愉しい。イヤフォンやヘッドフォンで音楽を聴きながら歩いている人にはネコの鳴き声は聞こえないし、歩きスマホしている人にもネコの姿は見えないでしょう。

    #425│ミカ│飼い猫 ── 大きな耳です
    二等辺三角形のような大きな耳と尖った顎がスクイーズ(Squeeze)のネコード《Cool For Cats》(A&M 1997)を想わせる。エレキ・ギターのフライングVに似ているかもしれない。お耳の感度(聴覚)が良さそうなネコちゃんにはネコードを聴かせたい。閑話休題。昨年9月、S道橋図書館へ本を借りに行く途中で「空飛ぶ白ネコ」に遭遇した。マンション1階の駐車場から白いバルーンが風に運ばれて来たのだ。フワフワと浮游して車道へ流れ出たところをキャッチしたら、キティちゃんの風船(ダイワハウス)だった(風船は凧のように紐と持ち手で結ばれている)。通りかかるのが数秒遅れていたらキティちゃんと出遭うことはなかったかもしれない。周辺に子供の姿は見当たらないので、一緒に連れて帰ることにした。図書館内で幼児に気づかれて、ちょっと恥ずかしかったけれど。その後、キティちゃんは寝室のベッドの上で、1週間以上も空中浮游していたのだ。

    #426│セン│飼い猫 ── S石図書館前の三毛さん
    S石図書館の前庭に三毛ネコがいた。女の子と戯れている。近寄ると人懐っこくミャ〜と鳴く。赤い首輪をしているので一目で飼いネコだと分かるけれど、デューイのような「図書館ねこ」(Dewey the Cat)ではあるまい。ホースで花壇に水を撒いていた作業員が近所で飼われている婆さんネコ(20歳!)だと教えてくれた。ネコはヒトとは違って、外見から年齢を推し量るのが難しい。顔に皺も寄らないし、髪の毛も薄くならないし、杖も突かない。動きは多少緩慢になるのかもしれないげれど。S石図書館まで毎日パトロールに来ているようで、近隣の利用者には顔馴染みのネコらしい。センちゃんの写真を撮っていると、飼主の男性が迎えに来た。まだパトロール中なのか、遊び足らないのか、なかなか帰ろうとしない。飼主に促されて漸く家路に着いた。彼女が「図書館ねこ」になる日が来るかしら?

    #427│トラ│捨て猫 ── いらないネコ
    中央図書館へ行く途中、右上の方からネコの鳴き声が聞こえた。遊歩道から階段を昇ると、マンション横のデッキに2匹のネコがいた。まだ大人になっていない茶トラと白ソックスの黒い仔ネコ‥‥何かを訴えるように必死に鳴いている。このまま見捨てるには忍びないので、仔ネコを抱き、茶トラを促して、下の遊歩道へ降りる。すると繁み陰に三毛ネコが隠れていた。3匹のネコたちは何かを捜すように歩き出し、頭上では黒いカラスが不吉な低空飛行を繰り返している。カラスに狙われている仔ネコだけでも保護しなければと思案しているところに、ちょうどネコおばさんが歩いて来た。ゴハンを与えても、ネコたちは一切食べようとしない。毎日来ているネコおばさんも今日初めて見た。捨てネコではないか。母ネコか飼主を探して鳴いているのではないか心配する。彼女に限らず、ヴォランティアの女性たちはネコたちを捨てた飼主への怒りを露わにする‥‥(以下次項に続く)。

    #428│ミケ│捨て猫 ── いらない三毛ネコ
    ‥‥夏休み中の祝日だったので、図書館前の広場には子供たちや犬を連れた女性たちが多くいた。人懐っこい茶トラは子供たちと戯れて遊ぶ。物怖じせずに犬に近寄って行ったり、木に登ったりと落ち着きがない。犬と散歩に来ていた女性は「犬を怖がらないのは一緒に暮らしていたからではないか。家にはネコもいるので、もし貰い手がないのなら連れて行っても良い」と話す。黒い仔ネコは運良く別の女性に抱かれて行ったが、途中で暴れて手放ざるを得なかった。公園で遊んでいた小学生たちが興味を示し、母親の承諾を得た子供の家で飼われることになったという。図書館の周辺にいた茶トラは数日後に姿を消した。三毛ネコはヴォランティアのネコおばさんに保護された。まだ子ネコだと思っていたけれど、病院で診てもらったらエイズ・キャリアの母ネコだった。いなくなった茶トラも誰かに飼われていると思いたい。

    #429│ハル│飼い猫? ── 尻尾も縞々にゃん
    ネコ歩きしていると、稀にネコ以外の不思議なものに出遭ってしまうことがある。初めて来た場所、初めて通る道。ある民家の前にいた茶トラを撮り終えて歩き出した時、視界の隅に見慣れないものが入った。「黄色い人」がいる?‥‥ゴミ置き場の手摺りに纏めてあるカラス避けの黄色いネットが、跪いている人間に見えたのだ。白いゴミ袋をウサギと見間違えた高野文子の「るきさん」(筑摩書房 1993)のように。このまま見過ごすには惜しいシチュエーションである。「ナニコレ珍百景」に投稿したいくらいだ。立ち止まって「黄色い人」の写真を撮っていたら、絶妙のタイミングで茶トラが来た。右耳(耳先カットしすぎ!)が痛々しいハルちゃんは長い尻尾の縞々模様がチャーミング。数匹いた同じ柄の茶トラの中では一番人馴れしている。「路上観察学会」のメンバーではないけれど、ゴミ置き場の「黄色い人と茶トラ」の偶発的な出会いはシュールで愉しい。

    #430│ソン│飼い猫 ── 男前のソン君
    S鴨方面への行き帰りに時々見かけていたけれど、写真を撮ったのは1年振りだろうか。男前のソン君はマイペース‥‥自ら近づいて来たりはしないし、逆に近寄っても逃げ去ったりはしない。基本的にヒトを無視するのが彼の流儀。「クール・ビューティな男前」と呼びたくなる。この日も毛繕いに余念がなく、一心不乱に毛並みを舐めていた。シャッター・チャンスは殆どない。時折目を向けて前方を見つめる瞬間を狙って辛抱強く待つ。幸い暗くなるまでには、まだ時間的な余裕があった。背景が柔らかくボケて、顔が綺麗に浮かび上がる。今までで一番良く撮れたソン君の写真になった。飼主の喜ぶ顔が目に浮かぶ。先日、クリーニング店の前で中年女性に呼び止められた。一瞬誰だか分からなかったが、ソン君の女飼主だった。喫茶店でコーヒーでも飲みませんかと誘われたけれど‥‥。

    #431│エム│ノラ猫 ── 子ネコの視線
    I袋駅前公園の植込みに子ネコがいた。繁みの陰に隠れているので、この場所から写真を撮るのは難しい。公衆トイレの傍から裏手に回って近づくと、鉄柵フェンスの向こうの駐輪場へ逃げられてしまう。しかもネコは瞬く間に成長して、子ネコの面影も儚く消えてしまう。大きな青い目が綺麗だった白ネコのラブちゃんも急速に大人びてしまった。子ネコ時代はヒトの少女時代に比較すれば一瞬で過ぎ去る。地球の長い歴史の中で人類の繁栄が一瞬の夢でしかないように。腰の高さほどの段差のある植込みの奥から横に細長い公園を見つめている子ネコの視線は好奇心で溢れている。仲間の子ネコと追っ駆け合ったり、戯れ合ったり、後ろ足立ちして木肌で爪を研いだり、木の上に登ったり‥‥子ネコたちの生態や行動は見飽きない。足を止めて植込みの奥を見やる通行人の姿も少なくない。

    #432│ケン│ノラ猫 ── 子猫の眼差し
    I袋駅前公園でエムの仲間のケンちゃんを撮った。幼友達ではなく、兄弟姉妹の可能性も否定出来ない。黒目の大きさからも分かるように、既に陽も翳って公園の植込みも暗い。コンデジ(Cyber-shot)でネコを撮っていた時、このようなシチュエーションではフラッシュが必須だったが、ミラーレス一眼(NEX-5N)に替えてからは1度もフラッシュを使ったことがない(というか装備していない)。「暗闇の帝王」と称されるほどイメージセンサーの感度が良いこともあるけれど、フラッシュの光がネコの目に良くないことを知ったことも大きいかもしれない。AFで照準を定め、ネコの目に手動でフォーカスして、出来るだけ手ブレしないようにカメラを固定すれば、フラッシュ無しでも黒目の大きな可愛いネコ写真(ISO 3200、f/4.5、1/8)が撮れる。もちろん被写体の協力(ネコちゃんが静止して動かないこと)が必要ですが‥‥。

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    各記事のトップを飾ってくれたネコちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第48集です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下のナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプ、ネコ・タイトルをクリックするとトップに戻ります。ノラ猫や地域猫、飼い猫を差別しない方針で、これまでに延べ400匹以上のネコちゃんを紹介して来ましたが、こんなにも多くのネコたちが棲息していることに驚かされます。第47集に引き続き、第48集もソン君以外は新参ネコで占められている。保護された3匹のネコは特に印象深い。飼いネコやノラは彼らの暮らしている場所へ行けば再び会える可能性が高いけれど、保護されたネコたちには2度と会えないかもしれないから。森茉莉の『黒猫ジュリエットの話』(河出書房新社 2017)は表題作(「吾輩は猫である」のパスティーシュ)に、ネコに纏わるエッセイ21篇を加えた文庫オリジナル。巻末に室生犀星の評伝「黄金の針」、室生朝子のエッセイ「森茉莉さんのこと」を再録。

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    • 記事タイトルの右に一覧リストのリンク・ボタン(黒猫アイコン)を付けました^^

    • オリジナル写真の縦横比は2:3ですが、サムネイルは3:4にリサイズしています
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    黒猫ジュリエットの話

    黒猫ジュリエットの話

    • 著者:森 茉莉 / 早川 茉莉(編)
    • 出版社:河出書房新社
    • 発売日:2017/10/05
    • メディア:文庫
    • 目次:黒猫ジュリエットの話 / 魔利の恋人ジュリエット / 牟礼魔利の一日 / マリアの気紛れ書き / 或黒猫の話 / 悪魔と黒猫 / 新人評 / 東照宮の眠り猫 / サラ猫とサラ金男 / 猫の絵草紙 /「サファリで猛獣と遊ぼう」/ ライオンを飼う女 / Japoの話 / 畑正憲の家 / 菊千代 / 犀星と猫 / 一匹の黒猫 / 残酷物語 / 白石かずこの批評、小さん、頼近美津子のVS / ...


    るきさん

    るきさん

    • 著者:高野 文子
    • 出版社:筑摩書房
    • 発売日:2015/06/25
    • メディア:単行本
    • 目次:


    図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語

    図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語

    • 著者:ヴィッキー・マイロン(Vicki Myron)/ 羽田 詩津子(訳)
    • 出版社:早川書房
    • 発売日:2010/05/30
    • メディア:文庫(ハヤカワ文庫NF)
    • 目次:プロローグ アイオワにようこそ / とてつもなく寒い朝 / 完璧な新入り / デューイ・リードモア・ブックス / 図書館での一日 / キャットニップと輪ゴム / グランド・アヴェニュー / デューイの親友たち / デューイとジョディ / 家から遠く離れて / かくれんぼ / クリスマス / りっぱな図書館 / デューイの大脱走 / スペンサーでいちばん人気の猫 / アイオ...


    Cool For Cats

    Cool For Cats

    • Artist: Squeeze
    • Label: Polygram UK
    • Date: 2006/06/22
    • Media: Audio CD
    • Songs: Slap & Tickle / Revue / Touching Me Touching You / It's Not Cricket / It's So Dirty / The Knack / Hop Skip And Jump / Up The Junction / Hard To Find / Slightly Drunk / Goodbye Girl / Cool For Cats / I Must Go / Ain't It Sad

    スニーズ・ラブ 36

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  • ♭ ネコとイヌ(2018-01-06)
  • 岩合光昭写真展「ねこといぬ」(西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー)に行って来た。会場には「自由きままなネコ」と「従順なイヌ」の仲睦まじい2ショット・パネルが並んでいるが、イヌとネコをテーマにして撮り下ろした新作ではないはず。長年ネコを撮っていた時に、たまたまイヌも一緒に撮れてしまったというのが実情でしょう。戌年(2018)に当て込んだ副次的なネコ写真展ではないかしら?‥‥写真展の名称が「いぬとねこ」ではなく、「ねこといぬ」になっていることもスピンオフ的な企画であると想わせる。国内外のネコとイヌの写真、約130点を展示。写真集「ねこ」(クレヴィス 2010)の表紙カヴァに使われたブルドッグとの2ショットなど、今までのネコ写真展や写真集で見たことのあるものも再展示されている。今回は従来のネコ好きに加えて、イヌ好きの人たちも観に来ているのか、会場内は予想以上に混雑していた。ギャラリーに併設されている「ねこグッズマーケット」にワンちゃんの姿はなかったけれど。

  • ♭ 11人いる!(2018-01-13)
  • 叔母の新年会に誘われた。3人の子供(一男二女)と娘婿2人、孫も4人集まったので、総勢11人となった。孫の1人が欠席し、門外漢1名が加わったことで混乱したのか、お膳立てした長女は12名と主張していたが、改めて数えたら11名だった。池袋ルミネのレストランで自然食バイキングの昼食を摂る。9つの窪みのあるトレイに各自好きな料理などを盛って食べるわけだが、2皿でギブアップ!‥‥無理に詰め込むことも出来るかもしれないが、そもそも腹一杯は躰に良くないし、格別に美味しいわけでも、特別に高価な食材を使っているわけでもないようだ。大食漢は兎も角、通常人には料金の元は取れていないと思う。お年玉を未成年の2人(高3と小6)に渡し、お土産を従妹たちから貰う。店内でスナップ、屋上で記念写真を撮った。殆どネコしか撮らないので、被写体がヒトだと勝手が違う。れなぴょん(河井玲奈)のポートレイトもピントが甘いにゃん。

  • ♭ 年末年始DUセール(2018-01-20)
  • ディスクユニオンの年末年始セール。大晦日は新品・中古品10%OFFに加えて、各店舗で3時間限定のタイムセール(15%OFF)を実施している。お茶の水エリア(11:00-14:00)、渋谷エリア(14:00-17:00)、新宿エリア(17:00-20:00)‥‥という風に時間差があるので、各地区の店舗を梯子することも可能。一見お得なセールのようにも思えるけれど、店舗によっては29、30日に輸入新品2点で500円OFFセールや新年の4〜8日に中古品色別割引セール(黄色10%、ピンク&水色20%)を開催しているので、大晦日恒例のタイムセールが1年で一番安いわけでもない。年末のセールで、Japanese Breakfastの《Soft Sounds From Another Planet》(Dead Oceans 2017)、年明けの中古品色別割引セールで、買い逃していたアルバム(未開封CD)を2枚購入した。Kaitlyn Aurelia Smithの日本流通盤《The Kid》(Western Vinyl 2017)は約30%OFF、Pharmakonの輸入盤《Contact》(Sacred Bones 2017)は半額だった。

  • ♭ フランス・ギャル 1947 - 2018(2018-01-27)
  • フランス・ギャル(France Gall)は清純派フレンチ・アイドルだった。Serge Gainsbourgが楽曲提供した〈Teenie Weenie Boppie〉(1968)にはアイドル・ソングらしくない辛辣で意地悪な意味が込められていた。「LSDを飲んでみた / 甘くて飲みやすい糖衣錠 / そこでほら / もう精神錯乱が始まっている」‥‥という超危険な歌詞で、マック・ジャガー(Mac Jaguar)もテムズ川で溺れちゃう。ティニー・ウィニー・ボッピーはLSDのオーヴァ・ドースで死んだ少女の名前である。ギャルが日本語で歌って日本でもヒットした〈夢見るシャンソン人形〉の原題は〈蝋人形、藁人形〉(Poupée de cire, poupée de son 1965)だったし、〈アニーとボンボン〉(Les sucettes 1966)のボンボン(棒付きキャンディ)には性的なシンボルが隠喩されていた。後年、ギャルは歌詞に隠されていたダブル・ミーニングに嫌悪感を露わにしたという。アイドル時代は何も知らずに歌っていたらしい。合掌。ちなみに〈Teenie Weenie Boppie〉をFree Kittenが仏・英語混じりでカヴァしています。


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    • 別館ミニ・ブログ「スニーズ・ラブ」シリーズの1カ月分(2018-01)です^^;

    • リンク画像が左に重なって見難いので、サイドバーを右側にレイアウトしました。「SKIN SWITCHER」でデフォルトに戻せるにゃん
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    岩合光昭写真展 ねこといぬ

    岩合光昭写真展 ねこといぬ

    • 会場:西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー
    • 会期:2017/12/23~29
    • メディア:写真
    • 概要:昔からヒトに一番身近な存在であるネコとイヌ。「自由きままなネコ」に対して「従順なイヌ」と評されるほどその性質は正反対ですが、本展では仲良しの作品を集めました。母を亡くした子ネコに乳を与え育てるメスイヌ。ご近所の飼い主同様に仲の良いネコとイヌ。いつも寝食を共にする共同アパートのネコとイヌ‥‥。ヒトと共存する “仲間” たちの大らかな関係を観て楽しんでいただけることでしょう


    河井玲奈(2017 YAグラ姫)

    河井玲奈(2017 YAグラ姫)

    • 主催:白泉社 ヤングアニマル
    • 配信日:2016/11/18
    • メディア:YouTube
    • 概要:NEXTグラビアクイーンバトルが生まれ変わりました! 「もっと新しいグラビアクイーンを生み出したい!」 そんな思いを込めて新たな企画が誕生。 今回はアイドルの写真を見て応援、コメントが出来るアプリ DMM.yellとコラボして新たなクイーンを探します!


    Soft Sounds From Another Planet

    Soft Sounds From Another Planet

    • Artist: Japanese Breakfast
    • Label: Dead Oceans
    • Date: 2017/07/21
    • Media: Audio CD
    • Songs: Diving Woman / Road Head / Machinist / Planetary Ambience / Soft Sounds From Another Planet / Boyish / 12 Steps / Jimmy Fallon Big! / The Body Is A Blade / Till Death / This House / Here Come Thhe Tubular Bells


    Best Of France Gall

    Best Of France Gall

    • Artist: France Gall
    • Label: Universal
    • Date: 2004/06/15
    • Media: Audio CD
    • Songs: Ne Sois Pas Si Bête / Jazz À Gogo / Laisse Tomber Les Filles / Christiansen / La Cœur Qui Jazze / Poupée De Cire Poupée De Son / Le Temps De La Rentrée / Attends Ou Va T'en / Baby Pop / Les Sucettes / Boom Boom / Bébé Requin / Teenie Weenie Boppie / Toi Que Je Veux

    タロウ・タンク

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  • 新聞配達をしながらプロボクサーへの道をめざしていた山本太郎が交通事故で左手を不具にされる。ヤケになった太郎はチンピラやくざとなり、やがてなぞの死をとげてしまう。その死を悲しみいきどおった父は、息子の死の真相をさぐるとともに、タロウ号と名づける戦車をつくる。いまはしがないくず鉄屋だが、戦時中は戦車隊の隊長だったのだ。やがてその父も殺され、のこった次郎少年が、にいちゃん戦車を駆使して、"悪" に挑戦していくというのがこの作品の、まことにおおざっぱなあらすじだが、これだけをみてもわかるように、にいちゃん戦車タロウ号には執念がこもっている。息子の死を悲しみいきどおった父親の執念、そして父の執念によって戦車に封じこめられたであろう不運のボクサー山本太郎の執念である。そしてさらには、兄の死、父の死のうらみを晴らさんとする次郎の執念。この三人の執念と、戦車の三つのひみつ兵器はみごとな組みあわせをみせている。あえてココロの傑作とよぶゆえんだ。
    佐野 美津男 「ココロの傑作 「にいちゃん戦車」」


  • 週刊少年マガジンに連載された「にいちゃん戦車」(1962)は石森章太郎の初期の傑作と評される。新聞配達をしている少年・山本次郎には前途有望な新人ボクサーの兄・太郎がいた。ところが兄は交通事故に遭ってボクサーの道を断たれてしまう。心が荒んで暴力団の一員になった兄は自殺する。息子は殺されたのではないか疑っていた父親も暴力団の原田組に殺害されてしまった。弟の次郎は父が亡き兄の身代わりに造った「にいちゃん戦車」(タロウ・タンク)に乗り込んで、原田組に乗り込む。兄と父の無念を晴らすために‥‥。死んだ息子の身代わりに父親が何かを造るというモチーフは「鉄腕アトム」を連想させるし、後の「人造人間キカイダー」(1972-74)を想わせる(ちなみに後者の主人公の名前はジローという)。後半の「クーデター事件」を解決してからは黒い戦車とのライヴァル対決や鋼鉄の巨人(巨大ロボ?)の伏線が張られているのに、未完で終わってしまったのは残念である。

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    夕刊を配っている少年(山本次郎)がボクシング・ジムの前で足を止める。新人ボクサーの兄・太郎は交通事故で左腕を失い、暴力団・原田組の構成員となって自殺した。次郎を誕生日に招待する少女よし子。彼女の兄(広瀬治)は親友の自殺に疑念を抱いていた。息子は原田組に殺されたという噂を広めていた父親の家に暴力団員が殴り込んだ。倉庫に逃げた父が「にいちゃん戦車」(TARO TANK)を操縦して組員たちを追い払う。太平洋戦争寺に戦車部隊の隊長(整備工長)をしていた父親が死んだ兄の身代わりに戦車を造ったのだ。次男に戦車の操縦を教えていた父も原田組に襲われて亡くなってしまう。次郎と広瀬の2人が戦車に乗り込んで、原田組へ向かう。長男の死を調べていた父の日記帳には「太郎の左腕を一生使えなくしたトラックが原田組に息のかかった運送会社の車だったこと、太郎の強さに恐れをなしたボクサーの三戸猛(組長の甥)が殺人を依頼したこと、証拠を掴んだ太郎を口封じのために殺害したこと‥‥」が綴られていた。

    タロウ・タンクに追い詰められて、原田組長は兄と父を殺させたことを自白する。戦車に武器は装備していないが、強力な武器にもなる3つの秘密の装置が隠されていた。山本次郎は広瀬治の勤めるエキスプレス自動車会社に整備工見習いとして就職する。2人は新車NXの公道走行テストを内密に行なうことになる。産業スパイの車とヘリコプターの尾行は巻いたものの、敵の罠に嵌まってしまう。当たり屋の男が走行中のNXに飛び込んで倒れ、事故現場の写真を撮られたのだ。極秘のテスト試行に参加した6人‥‥主任の馬場係長、整備工の大曽根達也、宮川清、囮の車を運転していた竜崎(広瀬の大学時代の親友)、次郎、広瀬の中にスパイがいる?‥‥真夜中の電話で、広瀬は産業スパイの親玉・コールマン髭の男に脅迫される。交通事故の現場写真と引き換えにNXの情報を得ようする。相手の要求に応じた広瀬は次郎たちと計略を練る。話を立ち聞きしていた宮川がスパイの一味だった。

    広瀬治とコールマン髭の男が千葉の海岸で対峙して、新車NXの設計図と事故現場写真のフィルムを交換する。お互いにニセ物を渡し騙し合う。すると突然、産業スパイの背後の砂山からタロウ・タンクが姿を現わす。大砲から強風が吹き荒れて砂嵐が舞い、スパイの手下を一掃した。3つの秘密の装置の1つ「ハリケーン砲」が発動したのだ。ピクニックに来た次郎と広瀬兄妹の家族は山火事に遭遇する。戦車で風下の木々を倒して延焼を防ぎ、ハリケーン砲で風の向きを変えるが、崖から水底に落下してしまう。ところがタロウ・タンクは潜水走行する第2の秘密装置「シーラカンス装置」によって水中から無事に生還する。さらに次郎は3番目の「ジャンピング装置」で崖を飛び越えようとするが、着地に失敗して大怪我を負い、戦車も大破してしまう。入院した次郎はタロウ・タンクを壊したことで兄・太郎を殺してしまったと悔む。1カ月後に退院した少年がエキスプレスで目にしたのは整備室の仲間が新たに造り直した「にいちゃん戦車」だった。

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    風速40mの強風を吹き出すハリケーン砲装置、50mの水圧下でも走行可能なシーラカンス潜水装置、20mの距離を飛行するジャンピング装置‥‥山本次郎は着陸時のショックを緩和するパラショック装置のボタンをタイミング良く押して、ジャンピング飛行を成功させた。母親が肺結核で倒れて、多額の入院費が必要になる。思い悩む次郎の前に黒いサングラスとトレンチコートの男(多田)が現われ、「にいちゃん戦車」を400万円で売って欲しい、その金を入院費にすれば良いではないかと申し出るが次郎は断る。戦車を盗みに来たチンピラたちを多田が倒し、次郎がハリケーン砲で撃退する。しかし、それは多田の仕組んだ自作自演の芝居だった。多田はタロウ・タンクを手に入れ、自衛隊を味方にしてクーデターを起こそうと策略しているテロ組織の隊員だったのだ。買収に失敗した多田は「戦争映画」を撮るために戦車を貸して欲しいと持ちかける。次郎は出演料70万円で多田と契約を結ぶ。

    国会議事堂前の撮影ロケ‥‥多田たちは入院中の母親を人質に取って、次郎に戦車を操縦するように強要する。午後12時、武装テロ集団がNHK放送局を襲撃し、議事堂前のタロウ・タンクがパトカーや警官たちを吹き飛ばす。ところが次郎は母の命を犠牲にして、多田たちの命令に背く。戦車の旋回砲塔を高速回転させることで、多田と寺崎(元戦車部隊)を投降させる。しかし、自衛隊の戦車部隊の半数がテロ組織へ寝返った。警察が入院中の母親を救出し、タロウ・タンクが戦車隊を全滅させる。クーデターの首謀者(閣下と呼ばれている元軍人の老人)が日本刀で次郎に斬りかかる。機動隊に包囲された老人は観念して切腹しようとするが、ハリケーン砲に阻まれた。「にいちゃん戦車大活躍」のニュースをラジオで知った梶国元内は自分の造った「黒い戦車」とタロウ・タンクを対決させようとする。梶国は戦場で次郎の父親と戦車について論じ合ったことのある戦友だったのだ。

    一躍人気者になった山本次郎と広瀬治を後を1人の子供が尾いて来た。戦車を見たいと言う子供に、明日なら見せられると答える。入橋美也子と高山紀男と名乗る男女が車で山本次郎を訪ねて来た。梶国は果たし状を次郎の弟と騙る子供に手渡す。レストランで食事をしながら、高山は彼女の父親が毎晩「鋼鉄の巨人」という怪物に悩まされている、タロウ・タンクで巨人を倒して欲しいと話す。次郎は2人の依頼を受けることにするが、その前に馬場係長からの要請で、焼高岳の噴火で山小屋に取り残された2人の小屋番を救出しに行く。大型輸送機に戦車を積んで焼高岳まで運び、噴火口附近へ落下傘で戦車を投下する。ハリケーン砲で噴煙を吹き払い、火山弾の降る中で2人を救助。噴出した溶岩流からジャンピング飛行で逃れる。焼岳旅館で一泊した次郎は戦車に隠れていた子供から、果たし状を見せられる。翌日2人は戦車で決闘場所の槍岳に向かう。タロウ・タンクは黒い戦車と対決するが、雷鳴が轟き、雨が降り出して稲妻が光り、2台の戦車に落雷して勝負は次の機会に延期される。

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    • 「石ノ森章太郎萬画大全集 11-4・5」(角川書店 2008)をテクストに使いました

    • 「石森章太郎選集 15」(虫プロ商事 1970)の函のデザインが2つあるのはなぜ?
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    にいちゃん戦車 1 ── 石ノ森章太郎萬画大全集 11-4

    にいちゃん戦車 1 ── 石ノ森章太郎萬画大全集 11-4

    • 著者:石森 章太郎
    • 出版社:角川書店
    • 発売日:2008/08/29
    • メディア:コミック
    • 目次:にいちゃん戦車


    にいちゃん戦車 2 ── 石ノ森章太郎萬画大全集 11-5

    にいちゃん戦車 2 ── 石ノ森章太郎萬画大全集 11-5

    • 著者:石森 章太郎
    • 出版社:角川書店
    • 発売日:2008/08/29
    • メディア:コミック
    • 目次:にいちゃん戦車 / エジソンくん / このオレだけがなぜもてる! / どろんこ作戦 / 泣き虫毛むし はさんですてろ / イラストコレクション


    にいちゃん戦車 I ── 石森章太郎漫画選集 15

    にいちゃん戦車 I ── 石森章太郎漫画選集 15

    • 著者:石森 章太郎
    • 出版社:虫プロ商事
    • 発売日:1970/10/15
    • メディア:単行本
    • 目次:にいちゃん戦車 / エジソンくん / このオレだけがなぜもてる! / どろんこ作戦 / ココロの傑作 「にいちゃん戦車」佐野 美津男 / 作品メモ


    にいちゃん戦車 II ── 石森章太郎漫画選集 16

    にいちゃん戦車 II ── 石森章太郎漫画選集 16

    • 著者:石森 章太郎
    • 出版社:虫プロ商事
    • 発売日:1971/02/10
    • メディア:単行本
    • 目次:にいちゃん戦車

    C O M M E N T E D A R T I C L E S 2 0 1 8

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  • A R T I C L E S 2 0 1 817161514131211100908

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    • コメントした記事のリンク一覧(2018)です。リンクが流れちゃうのは勿体ないよね

    • ブログ内(sknys)、ソネ風呂内(sonet)、ソネ風呂外(guest)で色分けしました

    • 写真は「タワレコ 70%OFF SALE」で購入したCD‥‥左上のKanaku Y El Tigreから時計回りに、Grouper、Marissa Nadler、Gwenno、HK、Ramo、Nots。下敷きは2017年2月4日付朝日新聞の朝刊1面です
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    ネコとイヌ

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  • ©Mitsuaki Iwago


  • 「ネコは家畜化されたものではなく、自らヒトに近づいて来たのではないか。何故なら遺伝子が変化した形跡がない」という興味深い論文を、先日、WEBで読みました。やはりな、と昔からネコの動きを見ていたので合点がいきます。ヒトと寄り添うように変えられてきたイヌと、ヒトのいうことを聞いてくれないネコ。その違いを、誰にでもわかるよう科学的に証明してくれたのです。昔からネコとイヌは常にヒトの暮らしと共にありました。ですが、その振る舞いの違いは一目瞭然。イヌは、真っすぐにヒトを目で見て確認し、耳を傾け言葉を聞く。かたやネコは、ドアの隙間からこっそりと覗き、壁の向こうで聞き耳を立てているイメージ。イヌはハグが大好き、ネコは抱っこ?と聞いてみると断られることも多々あり‥‥。ネコとイヌは呉越同舟ではありません。種が違うからといって、敵対する必要も、そして仲良くする必要もありません。互いを同じヒト社会という森で生きる木々だと認め合っているように思います。
    岩合 光昭「ねこといぬ」


  • ▢ 岩合光昭写真展「ねこといぬ」(西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー)
  • 会場には「自由気儘なネコ」と「従順なイヌ」の仲睦まじい2ショット・パネルが並んでいるが、イヌとネコをテーマにして撮り下ろした新作ではないはず。長年ネコを撮っていた時に、たまたまイヌも一緒に撮れてしまったというのが実情でしょう。戌年(2018)に当て込んだ副次的な写真展ではないかしら?‥‥写真展の名称が「いぬとねこ」ではなく、「ねこといぬ」になっていることも、岩合さんらしいスピンオフ的な企画であると想わせる。国内外のネコとイヌの写真(約130点)を展示。写真集「ねこ」(クレヴィス 2010)の表紙カヴァに使われたブルドッグとの2ショットなど、今までのネコ写真展や写真集で見たことのあるものも再展示されている。今回は従来のネコ好きに加えて、イヌ好きの人たちも観に来ているのか、会場内は予想以上に混雑していた。ギャラリーに併設されている「ねこグッズマーケット」に足を踏み入れると、2018年は「猫年」ではないかと錯覚しちゃうけれど。

  • ▢ ねこといぬ(クレヴィス 2017)岩合 光昭
  • イヌとネコの2ショット75枚を収録したコンパクトな写真集(IWAGO’S BOOK 3)。クレタ島、サントリーニ島(ギリシャ)、ブスキシタル(スペイン)、シク(ルーマニア)、オリャンタイタンボ(ペルー)、ハロン湾(ベトナム)、プリンスエドワード島(カナダ)、ロチャ、コロニア郊外(ウルグアイ)、モンス(ベルギー)、五島列島(長崎県)、ガンジ、ソレント(イタリア)、メルボルン郊外(オーストラリア)、チャールストン、バーモント州(アメリカ)、ドゥブロブニク近郊(クロアチア)、鞆の浦(広島県)、藤沢市(神奈川県)、周南市(山口県)、ハバナ(キューバ)、バルパライソ(チリ)、イスタンブール(トルコ)、ムーレイ・イドルス、エッサウィラ(モロッコ)、チェンマイ郊外(タイ)、アンタニヴィナキ村(マダガスカル)、高山市(岐阜県)、京都市(京都府)、パリ、ルシヨン郊外(フランス)、スチュアート島(ニュージーランド)、玉皇廟村(中国)、青森市(青森県)‥‥「仲違いの本では寂しいので、仲良しの本にしてみました」と「まえがき」にあるように、仲睦まじい写真が多い。ネコとイヌの距離に互いの親密度が表われている。

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  • 「とらねこ」とはトラのような縞模様の毛色をしたネコのことです。雌雄に関わりなく様々なネコがいて、おそらく世界で一番多く出合う毛色模様だと思います。なかでも見かける確率が高いのが、キジトラと呼ばれる黒色とこげ茶色のストライプ。"思わずM君" と呼びたくなる、額の真ん中がM印模様になっているオスもこの種が多いです。オスと言えばそう、シチア島のドメニコもキジトラです。ドメニコは著名なマフィアを輩出した街として有名なコルネレーネで暮らしています。大きな顔にしっかりした四肢、毛の模様も覚えやすいのでどこで出会ってもわかります。ところが会う場所場所で、マルコとかトムとか呼ばれる名前が違うのです。そう、ネコ版 "7つの名前を持つ男"。風貌も生き方も親分のようで、敬意を込めてドンと呼んでいました。

    個性的で印象深い "オストラ" は他にもいます。ニューオーリンズのバーネコ、ミスター・ウーもそのひとり。こちらはサバトラ。1年半ぶりに再会した時は嬉しくて、思わず、カウンターの上にいたウーの頭や背を撫でました。それを見ていた観光客の方がウーを触ろうと手を出すやいなや、「カプッ!」。店のヒトが、このネコは噛むから気をつけてと言いましたが時すでに遅し‥‥。何故、あなたは大丈夫なのかしら?と不思議がられました。ネコは3日で恩を忘れると言われていますが、ぼくは違うと思っています。ウーはもちろんドメニコも、魚屋の前で2年ぶりに会えたとき、立ち止まり座り直して「お前、どこかで会ったことあるよな」という顔をしたのですから。まだまだ謎に包まれている部分が多いネコ。まずは、たくさんいてくれる「とらねこ」で、その謎を解くキーを探してみましょう。
    岩合 光昭 「とらねこ」


  • ▢ とらねこ(クレヴィス 2017)岩合 光昭
  • 「IWAGO'S BOOK 2」は虎縞模様のネコだけをコレクションした「とらねこ」。英語でタビー(tabby)と呼ばれる種類は野性味溢れる精悍な顔立ちで、額に浮かび上がる「M」字の模様が特徴。ストライプ模様は文字通り虎(タイガー)を想わせる。一般にトラネコは色別に焦茶色の「キジトラ」、赤茶色の「チャトラ」、灰色に黒縞の「サバトラ」の3種に分けられる。キジトラのドメニコ(シチリア)、ブール(パリ)、コーラ(シンガポール)、パブの子ネコ(イングランド)、トラ(山口)、アリ(スペン・マドリード)、ちくわ(沖縄)、ニューディス(ラトビア)、ワイコロアのネコ(ハワイ)。チャトラのミコ(アムステルダム)、シキンニョ(リオデジャネイロ)、パパライオン(アンダルシア)、ペー&パー(津軽)、マリアノ(ペルー)。サバトラのミスター・ウー(ニューオーリンズ)、リリー(ポルトガル)、バディ(オーストラリア)‥‥18匹のトラネコたちがプロフィール付きで登場します。

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  • 頬と頬を寄せているネコたちがいます。朝の光線が輪郭を浮かび上がらせます。さぁ、出かけようぜ、という挨拶でしょうか。全身の五感をフルに使って、どちらに行くかを決めているようです。それは日の向き次第であり、良い匂いが漂って来る方向でもあるようです。また、オスにとっては縄張りへの朝のパトロールの始まりであり、メスにとっては子ネコの待つ巣穴へ帰る合図かもしれません。決められた時間はありません。それぞれのネコにそれぞれの時間があります。それは時計の単位ではない、わたしたちが忘れてしまっている太陽や月やその他の自然が織りなす一瞬を、ネコの体の動きからハッとさせられるような感覚の時間といってよいのかもしれません。動くことは生きること、生きることは永遠へと引き継がれる命のゆるやかな時、これからも見つめ続けていきたいと思います。
    岩合 光昭 「ねこのとけい」


  • ▢ ねこのとけい(クレヴィス 2016)岩合 光昭
  • 「IWAGO'S BOOK」は岩合さんが撮った世界の動物たちを紹介するコンパクトな写真集シリーズ。第1集はネコたちの1日を時間軸に沿って構成した写真集。正確には夜明けから日没までの13時間(午前5時〜午後6時)で、夜のネコたちを撮った写真は1枚もない。夜行性のネコはヒトのように早寝早起きというわけではない。謎に満ちた夜の生態や行動も興味深いけれど、岩合さんはネコの目に悪影響を与え兼ねないフラッシュを焚いた夜間撮影は行なわない。山口県、滋賀県、宮城県、三重県、福岡県、島根県、佐賀県、香川県、新潟県、山形県、東京都、神奈川県、愛知県、宮崎県、栃木県、北海道、沖縄県、埼玉県、静岡県、大阪府、鹿児島県、熊本県、広島県、岡山県の1都1道1府21県、イタリア(シチリア島、ソレント、コッレルンゴ、ポルトベレーネ、アッシジ、ラコーナ)、アメリカ(クラークスデール)、トルコ(イスタンブール)、ギリシャ(ミコノス島)、モロッコ(シャウエン、フェズ)、スペイン(バルセロナ)‥‥日本国内外75カ所で撮られたネコちゃんが並ぶ。

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    ネコとイヌは仲良しなのか、それとも仲が悪いのか?‥‥その日の気分で親密になったり、素っ気なかったりするのは気紛れなネコの特性ではないだろうか。ヒトやイヌを手玉に取る小悪魔的なネコの方に主導権があるようだ。自由気儘なネコとは違って、従順なイヌはリードで繋がれているので、その行動が制約されるし、受け身にならざるを得ない。ネコはイヌへの対し方もヒトの場合と余り変わらない。ネコにとってはイヌもヒトも同列で分け隔てのない存在なのかもしれない。写真を撮っている時に散歩中のイヌが通りかかると、明らかにネコの態度が急変する。目を瞠ってイヌの動向を目の前を通り過ぎるまで凝視している。気の弱いネコは尻尾を巻いて物陰に隠れるし、気の強いネコは自ら近づいて威嚇する。ネコとイヌが仲良く2ショットに収まることは殆どない。「ねこといぬ」のような仲睦まじい写真を撮るのは、同じ飼主に飼われていたり、隣近所で暮らしている顔馴染みのネコとイヌでないと難しいのではないでしょうか。

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    • 「ねこといぬ」は西武池袋店本店2F西武ギャラリー(2017年12月23~29日)、ノエビア銀座ギャラリー(2018年1月9日~3月9日)、京都(3月29日~4月15日)、岐阜タカシマヤ(8月2日~14日)、そごう徳島店(8月3日~19日)を巡回予定です

    • 岩合光昭写真展「ねこといぬ」の写真は公式サイト(Crevis)からの借用です。会場内で撮った写真は照明が映り込んでしまったので差し替えました

    • 冒頭に引用した「まえがき」は《だからこそ、気の合うもの、合わないもの、様々なのではないでしょうか。仲違いの本では寂しいので、仲良しの本にしてみました。ヒトと共存する仲間たちの大らかさを、楽しんでいただけたら幸いです》と続きます
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    岩合光昭写真展 ねこといぬ

    岩合光昭写真展 ねこといぬ

    • 会場:西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー
    • 会期:2017/12/23~29
    • メディア:写真
    • 概要:昔からヒトに一番身近な存在であるネコとイヌ。「自由きままなネコ」に対して「従順なイヌ」と評されるほどその性質は正反対ですが、本展では仲良しの作品を集めました。母を亡くした子ネコに乳を与え育てるメスイヌ。ご近所の飼い主同様に仲の良いネコとイヌ。いつも寝食を共にする共同アパートのネコとイヌ‥‥。ヒトと共存する “仲間” たちの大らかな関係を観て楽しんでいただ...


    ねこといぬ

    ねこといぬ

    • 著者:岩合 光昭
    • 出版社:クレヴィス
    • 発売日:2017/12/08
    • メディア:単行本(IWAGO’S BOOK 3)
    • 目次:まえがき / クレタ島 ギリシャ / ブスキシタル スペイン / シク ルーマニア / オリャンタイタンボ ペルー / ハロン湾 ベトナム / プリンスエドワード島 カナダ / クレタ島 ギリシャ / ロチャ ウルグアイ / モンス ベルギー / 五島列島 長崎県 / サントリーニ島 ギリシャ / コロニア郊外 ウルグアイ / ガンジ イタリア / ソレント ...


    とらねこ

    とらねこ

    • 著者:岩合 光昭
    • 出版社:クレヴィス
    • 発売日:2017/03/31
    • メディア:単行本(IWAGO’S BOOK 2)
    • 目次:まえがき / ドメニコ シチリア / ミコ アムステルダム / ブール パリ / ミスター・ウー ニューオーリンズ / コーラ シンガポール / パブの子ネコ イングランド / トラ 山口 / シキンニョ リオデジャネイロ / アリ スペイン・マドリード / パパライオン アンダルシア / ちくわ 沖縄 / リリー ポルトガル / バディ オーストラリア...


    ねこのとけい (IWAGO'S BOOK)

    ねこのとけい

    • 著者:岩合 光昭
    • 出版社:クレヴィス
    • 発売日:2016/07/30
    • メディア:単行本(IWAGO’S BOOK 1)
    • 目次:山口県 岩国市 / 滋賀県 近江八幡市 / イタリア シチリア島 / 宮城県 石巻市 / 三重県 鳥羽市 / 福岡県 北九州市 / 島根県 津和野市 / アメリカ クラークスデール / イタリア ソレント / トルコ イスタンブール / 佐賀県 唐津市 / 香川県 小豆郡 / 新潟県 佐渡市 / 山形県 山形市 / 東京都 武蔵野市 / ギリシャ ミコノス島 / 神奈川...


    岩合光昭の世界ネコさがし

    岩合光昭の世界ネコさがし

    • 著者:岩合 光昭
    • 出版社:クレヴィス
    • 発売日:2018/03/30
    • メディア:大型本
    • 内容紹介:世界各地でネコさがし 街のこんなところに、あんなところにネコがいる。 各地の印象的な風景の中にネコを探しながら、 自由に、心地よい場所でくつろぐネコたちの写真を集めてみました。 さあ、あなたは何匹のネコをさがせるでしょうか

    C A T S ー L O G 2 0 1 8

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    C A T S ー L O G(2 0 1 8)»
    cat.445戌年(2018)もよろしくにゃん        01/01/18
    cat.446猫の世界は灰色(ザ・キニャー)01/11
    cat.447今日もパトロール01/16
    cat.448木登りが好きなの02/01
    cat.449公園の植込みで(写真の三毛ネコです)02/16
    cat.450階段の上のチャトラ02/21

    タワレコ・セール 2 0 1 8

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  • ふたりは街を走りまわりながらなんでもかんでもおもしろがったが、そんなふうだったのは知り合った当初のその頃だけで、後になると、その関係はぐんと悲しく切なく空しいものに変わるのである。でも、そのときはまだふたりともマヌケみたいに街のなかを踊りまわり、その後をぼくは、興味をそそる連中に会うといつもそうしてきたように、よろよろくっついていったわけで、ぼくにとってかけがえのない人間とは、なによりも狂ったやつら、狂ったように生き、狂ったようにしゃべり、狂ったように救われたがっている、なんでも欲しがるやつら、あくびはぜったいにしない、ありふれたことは言わない、燃えて燃えて燃えて(太字引用者)、あざやかな黄色の乱玉の花火のごとく、爆発するとクモのように星々のあいだに広がり、真ん中でポッと青く光って、みんなに「ああ!」と溜め息をつかせる、そんなやつらなのだ。
    ジャック・ケルアック 「オン・ザ・ロード」


  • ◯ Dragging A Dead Deer Up A Hill(Kranky 2013)Grouper
  • グルーパー(Grouper)は米オレゴン・ポートランドの女性SSW、Liz Harrisのソロ・プロジェクト。自らグルーパー(ハタ科の海水魚)と名乗る諧謔性の持ち主である。深遠な森林から聞こえて来る儚い白昼夢のような囁きとギター・サウンドはノイズの大嵐が過ぎ去った後のシューゲイズ・ドローンのようにも聴こえる。Cocteau Twins(4AD)やLida Husik (Shimmy Disc)などと比較される静謐で内向的なサイケデリック・フォークで、〈When We Fall〉〈Invisible〉のハリスは「反響する廊下で歌うヴァシュティ・バニヤンのように聴こえる」とも評される。オリジナル盤(Type 2008)「山手レコーズ」でも高値がついていたが、リイシュー盤(2013)は彼女の他のアルバムと同じく、カラーからモノクロ・カヴァ(母親が撮った少女時代の写真)に変更されている。見開き紙ジャケ仕様で、歌詞ブックレットは付いていない(エッシャーの錯視模様みたいなシールが1枚同封されている)。Pitchfork「Best Albums Of 2008」の37位に選ばれています。

  • ◎ Ramo(Independente 2013)Ramo
  • 新世代ミナス派のミュージシャン6人によるインストゥルメンタル・バンド、ハモ(Ramo)のデビュー・アルバム。全10曲はメンバーのオリジナルで、Daniel Pantoja(フルート)、Felipe Jose(チェロ、フルート、ギター)、Antonio Loureiro(ドラムス、ヴィブラフォン)、Rafael Martini(ピアノ、メロディカ、ギター)が各2曲、Andre Rocha(ギター)とFrederico Heliodoro(コントラバス)が1曲という構成。ピアノ、ギター、ドラムス、フルート、チェロによるアクースティック・サウンド。ジャズ〜フュージョンというよりもプログレッシヴなチェンバー・ミュージックという感じ。即興的な緊張感とミナス特有の浮游感が混じり合う。インプロヴィゼーションが爆発する〈Volupedes〉、ヴォーカル入りの最終曲〈Jose No Jabour〉は大所帯バンドMisturada Orquestraのアルバム(2011)の1曲目として再演される。Leonora Weissmannがアルバム・アートを担当するなど、今日のミナス・ミュージックのプロトタイプである(2009年の録音だが日本では入手困難だった)。

  • ☆ HK Presente Les Deserteurs(Blue Line 2014)HK
  • 北仏リールのミクスチュア・ユニット、レ・サルタンバンク(Les Saltimbanks)を率いるHK(アシュカ)ことカドゥール・ハダディ(Kaddour Hadadi)がシャンソンの名曲をアルジェリアン・シャアビ(Chaabi)・ヴァージョンでカヴァしたアルバム。Jacques Brelの〈Vesoul〉、Fabulous Trobadorsの〈Demain Demain〉、Edith Piafの〈Sous Le Ciel De Paris〉と〈Padam Padam〉、Georges Brassensの〈Les Passantes〉、Boris Vianの〈Le Deserteur〉、Serge Gainsbourgの〈Les P'tits Papiers〉、Claude Nougaroの〈Toulouse〉、Leo Ferreの〈L'affiche Rouge〉など、全16曲。Amar Chaoui (パーカション、ドラムス)、Erc Rakotoarivoni(ベース)、Hacene Khelifa(ヴァイオリン)、Meddhi Ziouche (ピアノ、ローズ、アコーディオン、ベース)、Meddhi Dalil(ギター、バンジョー、マンドール、フルート)、P’tit Moh(マンドール)、Rabah Khelfa(ダルブッカ)などの「脱走兵たち」がHK(ヴォーカル)をバックアップしている。

  • ◎ Quema Quema Quema(Strut / Tiger's Milk 2015)Kanaku Y El Tigre
  • Kanaku Y El Tigreは南米ペルー・リマで2010年に結成されたインディ・ロック・バンド。Bruno Bellatin(ギター、ウクレレ、パーカッション)とNicolas Saba(ヴォーカル、ハーモニカ、アコーディオン)のデュオ・ユニットだったが、現在はギター、ベース、ドラムスを加えた5人組で活動している。デビュー・アルバム《Caracoles》(Ombligo 2011)が南米インディ・シーンで話題を呼び、2ndアルバムは英レーベルからのリリースとなった。スペイン語のアルバム・タイトル「Quema Quema Quema」はジャック・ケルアックの「路上」の一節「burn, burn, burn」から採られたという。一瞬不良CDかと疑うくらい歪んだループから始まるアルバム・タイトル曲。スペインの女優レオノール・ワトリング(Leonor Watling)をゲスト・ヴォーカルに迎えた〈Pulpos〉。ペルーの女性歌手パメラ・ロドゲリス(Pamela Rodriguez)とデュエットした〈Hacerte Venir〉‥‥英語詞の〈Burn Burn Burn〉には「路上」の蜘蛛のイメージ(like spiders in the skyline)が反映されている。

  • ◎ Y Dydd Olaf(Heavenly 2015)Gwenno
  • 60年代風のガールズ・グループ、ザ・ピペッツ(The Pipettes)のフロント・ウーマンだったグウェノー・ソーンダーズ(Gwenno Saunders)は英ウェールズ・カーディフ生まれ。ソロ・デビュー・アルバムはウェールズ語で歌われている(最終曲の〈Amser〉だけはコーンウォール語詩人の父親ティム・ソーンダーズの詩を歌詞に使っている)。マイナーな母国語で歌うことが彼女のアイデンティティだったという。人造的なガールズ・ポップとは懸け離れたシンセ・ポップなのに違和感がないのは彼女のヴォイスが可愛いらしいからかもしれない。レゲエ風の〈Calon Peiriant〉、ディスコ調の〈Fratolish Hiang Perpeshk〉‥‥アルバム・タイトルの「Y Dydd Olaf」は世界征服したロボットが人間をクローン化するというウェールズの作家オウェイン・オウェインのディストピアSF小説「最後の日」(1976)から採られている。Loud And Quiet「Top 40 Albums Of 2015」の2位に選出された。

  • ◎ Strangers(Bella Union 2016)Marissa Nadler
  • マリッサ・ナドラー(Marissa Nadler)は米マサチューセッツ・ボストンを拠点に活動する女性アーティスト。英米音楽メディアで高評価だった《July》(2014)に引き続き、7thアルバムもランドール・ダン(Randall Dunn)がプロデュースしている。ブラック・メタルとゴシック・フォークは案外相性が良いのかもしれない。彼女のヴォーカルとギターに、ピアノ、シンセ、ペダル・スチール、ヴィオラ、ヴァイオリン、ベース、ドラムスという編成で、モノクロームの夢幻世界を創り出す。ギターとシンセの強風が吹き荒れる〈Hungry Is The Ghost〉、夕闇に揺蕩うような〈All The Colors Of The Dark〉、スチール・ギターが幽玄に奏でる〈Strangers〉、「ラナ・デル・レイさえも一時停止させる愛の大惨事のワイドスクリーン・ポートレイト」と評された〈Janie In Love〉‥‥美術家のマリッサはオフィシャルPVも自作している。US盤はSacred Bonesからのリリース。

  • ◎ Cosmetic(Heavenly 2016)Nots
  • ノッツ(Nots)は米テネシー・メンフィスで結成された女性4人組のノイズ・パンク・バンド。《We Are Nots》(2014)というデビュー・アルバムのタイトル(Devoを想わせる)からして大胆不敵で頼もしい。Natalie Hoffmann(ヴォーカル、ギター)、 Charlotte Watson(ドラムス)、Alexandra Eastburn(キーボード)、Meredith Lones(ベース)の4人が一丸となってノイズを撒き散らしながら爆走する2010年代のレディーズ暴走族。凄まじい熱量を放つ爆発力と破壊力のライオット・ガルー。全11曲・26分という潔い1stアルバムに対して、全9曲・34分と曲数が減ったのに演奏時間が増えたのはアルバム・タイトルの〈Cosmetic〉が5分、ラストの〈Entertain Me〉が7分に渡る長尺曲だから。全力疾走するパンク娘たちはノイズ通の隘路へ突き進む。3rdアルバムはスティーヴ・アルビニのスタジオで録音して欲しい。

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    新年恒例のタワレコ渋谷・クリアランスセール(2018)は実施されなかった。昨年のフロア別の縮小開催(2017)から予想されたことだが、毎年楽しみにしていた音楽ファンは落胆しているでしょう。日本の漁場に侵入して大量に漁って行く某国の密漁船団のように旁若無人なセドリ対策なのかもしれない。今までのクリアランスに代わって、「輸入盤CD 70%OFF SALE」(1/1~2/18)が渋谷と新宿店で開催されている‥‥これでも充分に安いように思えるけれど、クリアランス(税込¥290)の蜜の味を知ってしまった人にとって割高感は否めない。しかも7割引されてから消費税が加算されるのだ。都内では渋谷と新宿店で開催されているものの、セール品の種類も点数も少なくて、物色している客も疎らだった。消費者の店舗離れを加速させているようにも見える(タワレコ錦糸町店は2月12日に閉店した)。昨年のクリアランスに出ていたアルバムを値上げして売っているのも阿漕ではないかしら?‥‥売れ残ったセール品がクリアランスに落ちて来るかどうかは不透明にゃん。

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    • 「70%OFF SALE」(◯ 2473→741、◎ 2581→774、☆ 3091→1001円)です

    • 《Y Dydd Olaf》は中古盤で入手していましたが、「70%OFF」で買い直しました。Gwennoの2ndアルバム《Le Kov》(Heavenly 2018)が3月にリリースされます

    • 《HK Presente Les Deserteurs》のシークレット・トラック(16曲目)は〈狼たちがパリに入って来た〉(Les loups sont entrés dans Paris)だった!
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    Dragging A Dead Deer Up A Hill

    Dragging A Dead Deer Up A Hill

    • Artist: Grouper
    • Label: Kranky
    • Date: 2013/02/05
    • Media: Audio CD
    • Songs: Disengaged / Heavy Water/I'd Rather Be Sleeping / Stuck / When We Fall / Traveling Through A Sea / Fishing Bird (Empty Gutted In The Evening Breeze) / Invisible / I'm Dragging A Dead Deer Up A Hill / A Cover Over / Wind And Snow / Tidal Wave / We've All Gone ...


    Ramo

    Ramo

    • Artist: Ramo
    • Label: Import
    • Date: 2012/12/04
    • Media: Audio CD
    • Songs: Mosquito / Corre Lolo, que ta na hora! / Cao Andaluz / Benesse / Sis Tar / Junho / Samba Irmao / Ao que... / Volupedes / Jose no Jabour


    Les Deserteurs

    Les Deserteurs

    • Artist: HK
    • Label: Blue Line
    • Date: 2014/02/18
    • Media: Audio CD
    • Songs: Vesoul / Demain Demain / Sous le ciel de Paris / Les passantes / Les vieux amants / Le déserteur / P'tits Papiers / Travailler c'est trop dur / Dès que le vent soufflera / En groupe, en ligue, en procession / Padam padam / Le plat pays / Toulouse / Né quelque part / L'affiche ...


    Quema Quema Quema

    Quema Quema Quema

    • Artist: Kanaku Y El Tigre
    • Label: Strut / Tiger's Milk
    • Date: 2015/05/18
    • Media: Audio CD
    • Songs: Quema Quema Quema / Nunca Me Perdi/ Pulpos/ Quien Se Queda Quien Se Va/ Si Te Mueres Mañana/ Bubucelas/ 10 Años/ Hacerte Venir/ Burn Burn Burn/ Fin/ Quema Quema Quema (Spanish Version)


    Y Dydd Olaf

    Y Dydd Olaf

    • Artist: Gwenno
    • Label: Pias America
    • Date: 2015/07/24
    • Media: Audio CD
    • Songs: Chwyldro / Patriachaeth / Calon Peiriant / Sisial Y M / Dawns Y Blaned Dirion / Golau Arall / Stwff / Y Dydd Olaf / Fratolish Hiang Perpheshki / Amser


    Strangers

    Strangers

    • Artist: Marissa Nadler
    • Label: Bella Union
    • Date: 2016/05/27
    • Media: Audio CD
    • Songs: Divers Of The Dust / Katie I Know / Skyscraper / Hungry is the Ghost / All the Colors Of The Dark / Strangers / Janie In Love / Waking / Shadow Show Diane / Nothing Feels The Same / Dissolve


    Cosmetic

    Cosmetic

    • Artist: Nots
    • Label: Heavenly
    • Date: 2016/09/09
    • Media: Audio CD
    • Songs: Blank Reflection / Rat King / Cold Line / New Structures / Cosmetic / No Novelty / Inherently Low / Fluorescent Sunset / Entertain Me


    オン・ザ・ロード

    オン・ザ・ロード

    • 著者:ジャック・ケルアック(Jack Kerouac)/ 青山 南(訳)
    • 出版社:河出書房新社
    • 発売日:2010/06/04
    • メディア:文庫
    • 目次:オン・ザ・ロード / 解説 / 文庫版訳者あとがき

    スニーズ・ラブ 37

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  • ♭ 新春タワレコ・セール(2018-02-03)
  • 新年恒例のタワレコ・クリアランス。昨年と同じく各店舗、各フロア別に縮小開催されている。しかも今までの均一セールではなく、「輸入盤CD 70%OFF SALE」‥‥これでも充分に安いように思えるが、低価格(税込¥290)に味を占めてしまったので割高感は否めない。新宿9FでMarissa Nadlerの《Strangers》(Bella Union 2016)、10FでGrouperの《Dragging A Dead Deer Up A Hill》(Kranky 2013)を入手した。前者はEU盤(US盤はSacred Bones)、後者は再発盤(原盤はType 2008)で、アルバム・カヴァがカラーから白黒写真に変更されている。渋谷6Fで《HK Presente Les Deserteurs》(Blue Line 2014)と《Ramo》(Master Disc 2012)を見つけた。Ramoは新ミナス派6人から成るインスト・グループのデビュー・アルバム。《Les Deserteurs》は仏マグレブのミクスチュア・ユニット(Les Saltimbanks)を率いるHK(Kaddour Hadadi)がシャンソンの名曲をアルジェリアン・シャアビ(Chaabi)の流儀でカヴァしたアルバムです。

  • ♭ 猫を読む(2018-02-10)
  • 『猫ヲ読ム』(雷鳥社 2017)は作家、随筆家、評論家、写真家、画家、マンガ家、詩人、学者、俳優、映画監督など著名人(74名)によるネコに関する文章(120篇)を抜粋したネコセトラ。猫版「折々のことば」。可愛い弁当箱サイズの猫本で、右頁に文章と解説とプロフィール、左頁にイラストがレイアウトされている。浅田次郎、安部譲二、石井桃子、伊丹十三、猪熊弦一郎、内田百閒、長部日出雄、大佛次郎、鹿島茂、金井美恵子などは複数の文章が掲載されているので、1人1文という縛りで編めば、より多種多彩で豪華絢爛なニャンソロジーになったのにと惜しまれる。森茉莉、吉行理恵、笙野頼子、小手鞠るい、武田花、大島弓子、吉本隆明、河合隼雄、日高敏隆、赤瀬川原平など、本書から漏れてしまったネコ好きの著名人も少なくないのだから‥‥「万物の霊長などとうそぶいてはみても、やはり人は猫よりも愚かしい」(浅田次郎「キャラとトモコ」)。

  • ♭ イーファ・オドノバン(2018-02-17)
  • 昨年12月、某ディスクユニオンで探していたAoife O'Donovanの《In The Magic Hour》(Yap Roc 2016)を見つけた。通常盤はタワレコやHMVにも在庫があるけれど、アルバムに収録されている〈Magic Hour〉〈The King Of All Birds〉〈Stanley Park〉〈Porch Light〉に、Bruce Springsteenの〈Nebraska〉とJoni Mitchellの〈You Turn Me On, I'm A Radio〉のカヴァを加えた6曲入りのアクースティックEPを同梱した初回限定盤は高価で入手困難なのだ。入手した中古盤は安価で、殆ど未開封品と変わらない(こういう出会いがあるから、レコ回りとネコ歩きは止められない)。Aoife O' Donovanは米マサチューセッツ・ニュートン生まれのSSW。いわゆるアメリカーナと称されるサウンドだが、彼女の節回しはジョニ・ミッチェルっぽい。デビュー・アルバム(2013)は《Fossils》という自嘲的な笑みを伴うタイトルだった。少女時代の写真をカヴァに使った2ndアルバムの邦題は「黄昏は逢魔の時間」?‥‥見開き3面紙ジャケ仕様、歌詞ブックレット(12頁)付き。


  • ♭ 猫の日 2018(2018-02-22)
  • 2月22日はニャンニャンニャンの「猫の日」。ジャンナッツとカルディで迷ったが、今年も表参道店限定の「猫の日セット」(税込 ¥2000)を購入した。ゴールドシリーズ・プロヴァンスピーチ(100g)、ジャーニーシリーズ(ティーバッグ 7種)、ティートレイ、猫サブレ(2枚)、猫カレンダー(2月始まり13枚)、ノヴェルティ・ステッカーの6点。カルディの「ネコの日バッグ」(税込 ¥1500)はセイロン・ティー(ティーバッグ 15個)、リーフチョコレート 紅茶(3個)、マカダミアクッキー(6枚)、ネコ・カレンダー、ネコ付箋の5点が黒いキャンバス地のトートバッグに入っている。ジャンナッツにした決め手はゴールドシリーズ(リーフティー)‥‥ネット画像では紅茶の種類までは分からなかったけれど、苦手なアールグレイでなくて良かった。エアメールを模した黄色い玉紐綴じ封筒に入っているジャーニーシリーズも色々なフレーヴァーが愉しめそう。

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    • 別館ミニ・ブログ「スニーズ・ラブ」シリーズの1カ月分(2018-02)です^^;

    • リンク画像が左に重なって見難いので、サイドバーを右側にレイアウトしました。「SKIN SWITCHER」でデフォルトに戻せるにゃん
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    TOWER RECORDS

    TOWER RECORDS

    • 会場:タワーレコード渋谷・新宿店
    • 会期:2018/01/01~02/18
    • メディア:輸入CD・レコード
    • 概要:輸入盤CD 70%OFF SALE


    猫ヲ読ム 文筆家・漫画家が綴る、ネコセトラ

    猫ヲ読ム 文筆家・漫画家が綴る、ネコセトラ

    • 著者:谷口 香織(編)/ ホリナルミ(絵)
    • 出版社:雷鳥社
    • 発売日:2017/12/05
    • メディア:単行本
    • 目次:はじめに / 猫ヲ好ム / 猫ヲ知ル / 猫ニ笑ウ / 猫ニ怒ル / 猫ニ癒エル / 猫ニ狂ウ / 猫ニ酔ウ / 猫ニ学ブ / 索引 / プロフィール


    In The Magic Hour

    In The Magic Hour

    • Artist: Aoife O'Donovan
    • Label: Yep Roc
    • Date: 2016/01/22
    • Media: Audio CD(2CD)
    • Songs: Stanley Park / Magic Hour / Porch Light / Hornets / Magpie / Donal Óg / The King Of All Birds / Not The Leaving / Detour Sign / Jupiter // Magic Hour / The King Of All Birds / Stanley Park / Nebraska / Porch Light / You Turn Me On, I'm A Radio


    Fossils

    Fossils

    • Artist: Aoife O'Donovan
    • Label: Yep Roc
    • Date: 2013/06/11
    • Media: Audio CD
    • Songs: Lay My Burden Down / Briar Rose / Thursday's Child / Red & White & Blue & Gold / Beekeeper / Fire Engine / Pearls / Glowing Heart / I'm Alone / Oh, Mama


    JANAT 猫の日セット(2018)

    JANAT 猫の日セット(2018)

    • メーカー:ジャンナッツ
    • 原産国:スリランカ(紅茶)/ 日本(ステンレス・トレイ)
    • 発売日:2018/02/01
    • メディア:食品&飲料
    • 商品内容:プロヴァンスピーチ 100g / ティーバッグ7種 / 猫サブレ2枚 / ティートレイ / 猫カレンダー / ノヴェルティ・ステッカー

    S K N Y N X 6

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    S K N Y N X 6(2 0 1 8)»
    750ネコ・ログ #48catalog01/21/18
    751スニーズ・ラブ 36sknys-lab01/26
    752タロウ・タンクcomic02/01
    753COMMENTED ARTICLES 2018LIST02/06
    754ネコとイヌart02/11
    755CATS ー LOG 2018INDEX02/16
    756タワレコ・セール 2018music02/21
    757スニーズ・ラブ 37sknys-lab02/26
    758SKNYNX 6INDEX03/01
    759スニーズ・コメンツ #49comments03/06
    760猫のナタリア(ネコード 11)cat's cradle??/??
    761素晴しきネコードの世界 2catalog??/??
    762リサイクリング・ブキbooks??/??

    スニーズ・コメンツ #49

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  • 『ライク ア ローリング ストーン』についての重要なお知らせ
    8月1日に小社から刊行した、宮谷一彦『ライク ア ローリング ストーン』に関して、重大なことが判明しましたので、ここに御報告させていただきます。『ライク ア ローリング ストーン』の第1話と第4話が入れ替わって収録されておりました。つまり、『ライク ア ローリング ストーン』は8月半ばまでの出荷分の単行本では第4話から始まり、それから第2話、第3話、そして現在第1話として収録されているものを第4話としてお読みいただくのが正しい順番となるのです。このような大きなミスをしてしまったことについて、まずは謹んでお詫び申し上げます。さて、そこで本書を御購入いただいた方にお願いがございます。現在、正しい順序に並べたものが出来上がっております。皆様にはたいへんお手数をお掛けし申し訳ないのですが、書店等で御購入いただいた(もしくは、誰かからもらったというものでも構いません)『ライク ア ローリング ストーン』の「カバーのみ」を(「本」そのものではありませんので、御注意ください)小社まで、御送付いただけないでしょうか。
    吉田 保(フリースタイル)


  • ♭ 今年見た紅葉 ── 姐さん事件です!
  • この時季は紅葉と落葉で背景が赤く色づくので、ネコちゃんも映えます。岩合さんの黒ネコと紅葉(もみじ)のように。某レコード店が無料配布している年刊誌を見ていたら、宮谷一彦の『ライク ア ローリング ストーン』(フリースタイル 2017)が載っていた。夏に初単行本化されていたのだ!‥‥慌てて購入したけれど、さらに驚くべき「事件」が‥‥。
    by sknys (2017-12-06 00:33:42)

  • ♭ 今年見た紅葉 ── 版元の神対応
  • 版元の指示通りに、表紙カヴァを送付しました。3日後、クロネコDM便で『ライク ア ローリング ストーン』が届いた。お詫びの手紙と特製ポストカード、切手(82円)が同封されている。購入者の手許に残った「表紙なし本」が中古市場に出回るかもしれませんね。在庫分を断裁したというから、希少価値は「乱丁本」の方にあると思いますが‥‥。池袋・西武百貨店の「ねこといぬ」は愉しみです。「いぬとねこ」じゃないところが、岩合さんらしいですね。
    by sknys (2017-12-10 00:43:21)

  • ♭ HAPPY NEW YEAR 2018
  • モバサムさん、明けましておめでとう。「犬ジャケ」で思い浮かぶのはケイト・ブッシュの「Hounds Of Love」やジョニ・ミッチェルの「Dog Eat Dog」など‥‥シルヴィ庵のネコードならば「Bastet」ですが。シルヴィ庵も参加している坂本龍一のアルバム《async》(Milan 2017)が英米音楽メディアで高評価。タルコフスキー映画の架空のサウンド・トラックというコンセプトらしい。
    by sknys (2018-01-02 10:38)

  • ♭ 明けましておめでとうございます! 2018
  • ぶーけさん、明けましておめでとう。白いワンちゃんはゴールデン・レトリバーかしら?‥ ‥ソロモン・ウォーカーも陶芸で創って欲しいなぁ。ヘッダ右に表示される広告は下記のCSSで消せます(註:入力欄にコピペしたら、そのページの真下にある「設定を保存する」をクリックして下さい。保存しないで「レイアウト」に戻ってしまうと反映されません)。

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  • ♭ 雪たるまとtwitter
  • twitterは英語で呟くことを想定しているので、日本語のことは考慮していない思う。日本には俳句や短歌の伝統もあるから、twitterの字数制限(140字)は緩すぎるかもしれない。ブログを始める時に考えたのは一段落を400字前後に収めることだった。「400字詰め原稿用紙」には日本語の文章ならではの意味があると思うから。4コマ・マンガみたいな定型ではないかしら?
    by sknys (2018/02/04 14:57)

  • ♭ 3歩進んで4歩下がる><
  • 大皿をロクロで回すのは想像するだけで目が回りそう。回しすぎて、ロクロっ首にならないように祈っています。お茶碗や「3歩進んで3歩下がる」のマグカップやポットも和のテイストですね。「Peter Rabbit」が映画化されましたが、絵本のイメージと違うような‥‥。
    by sknys (2018-02-09 23:52)

  • ♭ 虚空の眼(註:フィリップ・K・ディックの出世作)
  • 新訳や改訳で読みやすくなったり、誤訳が少なくなるのは歓迎ですが、題名まで変わってしまうのは混乱しちゃう。昨年記事にした「まだ人間じゃない」(The Pre-Persons)も「人間以前」に改題されてしまった。タイトルは「宇宙の眼」よりも「虚空の眼」の方が良さげですが、どちらの翻訳が優れているのでしょう?

    表紙カヴァの制服コスプレ娘(西田藍)が手にしているのは『ヴァリス』。彼女は『ヴァリス』(サンリオSF文庫 1982)と『虚空の眼』(1986)の解説も書いているそうです。
    by sknys (2018-02-22 19:09)

  • ♭ 狼たちがパリに入って来た ── 脱走兵たちのシャンソン
  • 朝倉ノニーさん、はじめまして。《HK Presente Les Deserteurs》(Blue Line 2014)は北仏リールのミクスチュア・ユニット、レ・サルタンバンク(Les Saltimbanks)を率いるHK(アシュカ)ことカドゥール・ハダディ(Kaddour Hadadi)がシャンソンの名曲をアルジェリアン・シャアビ・ヴァージョンでカヴァしたアルバム。レオ・フェレ(Leo Ferre)の〈L'affiche Rouge〉が終わった後に‥‥ボーナス・トラックが入っていますが、曲名も歌詞も記載されていません。ネット検索したら、この記事がヒットしました。〈Les loups sont entres dans Paris〉をシークレット・トラックにするとは驚きです。HKは予言者なのかしら?‥‥と思ったりして。
    by sknys (2018-02-22 20:47)

  • ♭ イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢
  • 「イレーヌリカちゃん」よりも「すずネコリカちゃん」の方が欲しいにゃん。
    作詩:ルイ・アラゴン(Louis Aragon)、作曲:レオ・フェレ(Leo Ferre)。HKがシャアビ・ヴァージョンでカヴァしています。
    by sknys (2018-02-25 11:22)

  • ♭ 白土のお雛様
  • リクエストに応えてくれて、ありがとう。大人しそうなソロモン君‥‥悪戯が過ぎて、飼主に去勢されちゃったのでしょうか?‥‥でも、もしかしたら、これが真の姿なのかもしれません。「喰ってやる!」と強がり、悪ぶっているけれど、本当は心の優しい小心者のワンワンなんです。
    平昌五輪‥‥「Game of Thrones」の音楽で滑っていたフィギュアの選手がいましたね。
    by sknys (2018-02-26 23:46)

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    ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第49集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)を加え、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2017/12/01~2018/02/28)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。『ライク ア ローリング ストーン』(フリースタイル 2017)の初単行本化は「事件」だった。第1話と第4話が入れ替わって収録されてしまったという「乱丁」にも驚いた。版元の速やかな対応は称讃すべきだが、「解説」の中条省平も初出雑誌で確認していなかった(「COM」を読んでいなかった?)ことがバレてしまった。おバカなハーフ・グラドルだと思い込んでいた西田藍がフィリップ・K・ディックの「解説」を書いていることにもビックリ!‥‥お見逸れしました。

                        *


    ライク ア ローリング ストーン

    ライク ア ローリング ストーン

    • 著者:宮谷 一彦
    • 出版社:フリースタイル
    • 発売日:2017/08/01
    • メディア:単行本(ソフトカバー)
    • 目次:ライク ア ローリング ストーン(流れの木の葉のように)/ ライク ア ローリング ストーン 1~6 / 白夜 / ならば ぼくは1ページ一時間でかいてやろう!(白夜 1)/ 白夜 2 / 白夜 3 / 白夜 4 悲しき天使(ルイのための童話)/ 白夜 5 ぎゃあ / 解説 日本初の本格的な「私マンガ」 中条省平


    サンリオSF文庫総解説

    サンリオSF文庫総解説

    • 編者:牧 眞司・大森 望
    • 出版社:本の雑誌社
    • 発売日: 2014/09/18
    • メディア:単行本(ソフトカバー)
    • 目次:はじめに 大森望 / サンリオSF文庫の伝説 山野浩一インタビュー ・聞き手 大森望 /『NW-SF』とサンリオSF文庫の青春 沼野充義 / サンリオSF文庫、天国と地獄について 鏡 明 / 大恩あるシリーズ 山形浩生 / サンリオとの十年 大瀧啓裕 / 私とサンリオSF文庫 ーとっても個人的な昔話 ー 大野万紀 / サンリオ文庫の回し者 水鏡子 / 以下続刊ベスト10冊


    虚空の眼

    虚空の眼

    • 著者:フィリップ・K・ディック(Philip K. Dick)/ 大瀧 啓裕(訳)
    • 出版社:サンリオ
    • 発売日:1986/07/15
    • メディア:文庫 (サンリオSF文庫)
    • 解説:ブライアン・W・オールディス


    虚空の眼

    虚空の眼

    • 著者:フィリップ・K・ディック(Philip K. Dick)/ 大瀧 啓裕(訳)
    • 出版社:東京創元社
    • 発売日:1991/06/28
    • メディア:文庫(創元推理文庫)
    • 解説:ベヴァトロン狂想曲・大瀧 啓裕


    宇宙の眼

    宇宙の眼

    • 著者:フィリップ・K・ディック(Philip K. Dick)/ 中田 耕治(訳)
    • 出版社:早川書房
    • 発売日:2014/09/25
    • メディア:文庫(ハヤカワ文庫SF)
    • 解説:「非現実への不安」 を小説化したディックの出世作・牧 眞司


    Les Deserteurs

    Les Deserteurs

    • Artist: HK
    • Label: Blue Line
    • Date: 2014/02/18
    • Media: Audio CD
    • Songs: Vesoul / Demain Demain / Sous le ciel de Paris / Les passantes / Les vieux amants / Le déserteur / P'tits Papiers / Travailler c'est trop dur / Dès que le vent soufflera / En groupe, en ligue, en procession / Padam padam / Le plat pays / Toulouse / Né quelque part / L'affiche ...


    すずネコリカちゃん

    すずネコリカちゃん

    • 企画:すずネコリカちゃんキャンペーン実行委員会
    • 製造元:タカラトミーアーツ
    • 内容物:リカちゃん1体(ワンピース・イヤリング・下着着用)/ ヘアバンド1個 / バッグ1個 / 手袋1セット / 靴1足 / スタンド1個
    • メディア:おもちゃ&ホビー(非売品)
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