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湯たんぽ、銅でしょう

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就寝用に小型の「湯たんぽ」を愛用して来たが、黄緑色のカラー塗装も剥げて注ぎ口も錆びてしまった。数年前、東急ハンズの店内に陳列してあった銅製と真鍮製の湯たんぽがピカピカに光り輝いていたことを思い出してハンズやロフトへ出かけてみたところ、今の主流は金物から柔らかな素材に様変わりしていて、質実剛健の昔ながらの湯たんぽは片隅に追いやられていた。ハンディで耐久性のある湯たんぽが欲しいと思って、ネット検索で見つけたのがウォール社(Wall Metallkunst)の銅製湯たんぽ。ドイツ・シュトゥットガルトの郊外デッティゲンで製造されているという湯たんぽはハンドメイドで価格も高いけれど、楕円形の形状も銅と真鍮の色合いも理想的で非の打どころがない。ところがネット通販情報(R天)は過剰なほど溢れているのに、実店舗の情報は驚くほど数少なかった。利便性と低価格を引き替えに個人情報を安易に売り渡す通販は出来るだけ避けたい。やっと見つけた都内のリアル店舗は吉祥寺にあった。

中央線(快速)で新宿〜中野〜荻窪〜吉祥寺。高校時代の3年間は「夜鷹」に住んでいたので、「チキジョージ」は馴染み深い場所でもある。しかし、数年振りに訪れた「チキジョージ」は駅ビル・ロンロンがアトレ(atré)になるなど一変していた。輸入セレクト・ショップ「SIGNA」は北口・吉祥寺通りの東急百貨店裏を左折した大正通り沿いにあった。思ったよりも小さな店構えだったのでウォール社の銅製湯たんぽを販売しているのか不安になったけれど、店内奥の陳列棚に置かれていた。手作りのために1つ1つの色合いや風合いが異なる。ディスプレイされていた湯たんぽは真新しい10円硬貨が変色するように経年変化していた。ダンボール箱から出して見せてくれた3つの中から1つ選んで購入。ネット通販では購入前に「現物」を確かめられないし、その個体差も比較出来ない。画一的な工業製品は兎も角、1つ1つ異なるハンドメイドは多少面倒でも実店舗に足を運んで自分の目で見て、手で触れて買うべきだと痛感しました。

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早々と目的の買い物が終わってしまったので、「チキジョージ」の街を須和野チビ猫のように散策してみた。「KALDI」や「ザ・ガーデン自由が丘」などチェーン店の品揃えは殆ど変わらないけれど、鯛焼き店だけでも羽根付き(天音)、クロワッサン(銀のあん)、厚焼き(くりこ庵)と個性派が集まっている。「ディスクユニオン」に立ち寄って、「ノイズ / アンビエント」の棚にあったGrouperの最新作《Ruins》(Kranky 2014)を購入した。近場のユニオンもタワレコも品切れ状態だったので欣喜雀躍しました。(「Pitchfork」で高評価(8.8/10)だったから?)。「チキジョージ」まで遙々来た甲斐があったというものです。2011年、Liz Harrisがポルトガル・アルジェズールでレコーディング(8曲目だけは2014年、米ペタルーナ録音)したというアルバムは今までのギターに代わり、ピアノによる弾き語り。気怠い白日夢のようなドローン・サウンドも健在で、野鳥の鳴き声や雷雨など自然音や環境音の入り混じった心象風景は色の滲んだ印象派の絵画のように胸に沁み込む。

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湯たんぽ中央部の取っ手付きネジ蓋を開けると真鍮製の内蓋がある。ゴム・パッキンのない二重蓋構造が湯たんぽの耐久性を高めている。銅製湯たんぽは保温性も高いので、必ずしも沸騰した熱湯でなくても、お湯を満杯に入れなくても良いらしい。屋外の気温や寝室の温度にもよるけれど、ベッドの中で8時間使用しても充分暖かい(約8時間後の湯温は48℃だった)。寒い冬場でも眠りに着くのが楽しくなりそう。巾着タイプの「純正湯たんぽカヴァ」(オーストラリア産羊毛100%・日本製)は高価なので、無印良品の「湯たんぽカヴァ・小グリーン」(ポリエステル100%・中国製)を購入(蝙蝠猫さんのブログ「FRAIS AUBE 猫のいる日々」を参考にした)。マイクロファイバーの肌触りが心地良く、ファスナーと面ファスナー(マジックテープ)で湯たんぽを優しく包み込む。ネジ蓋の出っ張りも目立たず、まるで誂えたようにピッタリとカヴァの中に収まったので北叟笑んでしまった。
                            
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  • 「昼荻・チキジョージ・夜鷹」は「綿の国星」シリーズに出て来る駅名(町名)です

  • 「チキジョージ」で湯たんぽを買ったネコ男が鯛焼きを物色して、大魚(Grouper)を釣ったというお話?
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WALL社製 湯たんぽ

WALL社製 湯たんぽ

  • メーカー:ウォール社(WALL Metallkunst)
  • 生産国:ドイツ
  • 材質:本体・純銅製 / 蓋・真鍮
  • 容量:約800cc
  • サイズ:W17×D13×H9 cm
  • メディア:ホーム&キッチン


湯たんぽカバー

湯たんぽカバー

  • メーカー:ウォール(WALL)
  • 生産国:日本
  • 素材:オーストラリア産羊毛100% / 基布・ポリエステル100% / 紐・綿100%
  • 重さ:約104g
  • サイズ:約W27×D31×H3 cm
  • メディア: ホーム&キッチン


あたたかファイバー湯たんぽカバー

あたたかファイバー湯たんぽカバー

  • メーカー:無印良品
  • 原産国:中国
  • 素材・材質:ポリエステル100%
  • カラー:グリーン
  • サイズ:約23×19 cm
  • メディア:ホーム&キッチン


あたたかファイバー鹿の子湯たんぽカバー

あたたかファイバー鹿の子湯たんぽカバー

  • メーカー:無印良品
  • 原産国:中国
  • 素材・材質:ポリエステル100%
  • カラー:ブラウン
  • サイズ:約23×19 cm
  • メディア:ホーム&キッチン


Ruins

Ruins

  • Artist: Grouper
  • Label: Kranky
  • Date: 2014/10/28
  • Media: Audio CD
  • Songs: Made Of Metal / Clearing / Call Across Rooms / Labyrinth / Lighthouse / Holofernes / Holding / Made Of Air

秋の夜長のトロンプ・ルイユ

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  • ルネッサンス以来の近代絵画において、画家たちの関心の何よりの対象となったリアリズムという観念は厳密にいうならば、現実世界を客観的に模写しようという欲求とはやや違っていた。カントの「物自体」説を持ち出すまでもなく、現象(外部世界)とは、感覚(視覚)にあたえられた素材を主観の直観形式(空間)によって秩序づけたものであり、私たちが目の前に見る外界とは、あたえられた感覚内容(形や色)を主観によって再構成したものにすぎないのだ。つまり、客観的現実(物自体)などというものは私たちの感覚にとって補足不可能なので、絵画におけるリアリズムとは、じつは、3次元の広がりをもった私たちの視覚上の錯覚を、2次元の平面上にいかにして組み立てるか、という問題にすぎなかったのである。リアリズムの探究とは、錯覚にほかならない私たちの視覚の法則を、いかに発見し、いかにして深化するか、ということでしかなかったのである。
    澁澤 龍彦 「遠近法・静物画・鏡、トロンプ・ルイユについて」


  • 「奇想の王国・だまし絵展」(2009)から早5年、〈夏の終わりのトロンプ・ルイユ〉が渋谷に帰って来た。「だまし絵 II 進化するだまし絵」(Bunkamura 2014)は「だまし絵」の歴史をクロノロジカルに構成した前回とは趣きを異にする。16世紀のアルチンボルドに代表される古典作品は「プロローグ」で止め、「トロンプルイユ」「シャドウ、シルエット&ミラー・イメージ」「オプ・イリュージョン」「アナモルフォーズ・メタモルフォーズ」という4つのカテゴリーに分けて20世紀以降の「だまし絵」を展示している。写真やヴィデオ、コンピュータを使ったデジタル・アートなど、文字通り「進化するだまし絵」が出品されているが、何事も最初は驚いても2度目となると衝撃は薄れる。手品のトリックや奇術の仕掛けを見抜いた観客が2度と騙されないように、二番煎じの感は否めない。ヴィクトル・ヴァザルリ、M・C・エッシャー、デイヴィッド・ホックニーなど、過去に個展を日本で開催したことのある芸術家の作品についても言うに及ばずである。

  • ⃞ 司書(The Librarian ca.1566)ジュゼッペ・アルチンボルド
  • 見た目の通り、本の集積で作られた人物像である。各部位を仔細に見つめれば本以外の何ものでもないが、全体を眺めれば1人の肖像画に見える「ダブル・イメージ」。頭部の髪は広げられた本、両目は黒い鍵の輪、左耳は本を閉じる紐、顎髭は塵はたき、右腕の指は本に挿んだ付箋で出来ている。左肩に羽織ったマントは背後のカーテンである。絵のモデルは皇帝マクシミリアン2世から宮廷の歴史を記録する修史官に任命された司書ウォルフガング・ラツィウスだという。〈司書〉は植物や花々、野菜や果物などで構成された一連の肖像画よりも抽象的で立体的に見える。「本の虫」と化した肖像画には珍奇でコミカルな印象もあるけれど、宮廷内のラツィウスは陰で嘲笑されていた批判精神に欠ける人物だったらしい。左隣に並べて出品されている樽、壷、硝子ビンなどで出来た〈ソムリエ(ウェイター)〉(The Sommelier (Waiter) 1574)は大阪美術館建設準備室の所蔵なので余り有り難みはない。

  • ⃞ 風景/顔(Landscape / Face ca. Early 17th century)作者不詳(北方派の画家)
  • 一見何の変哲もない船着き場のある風景画に見えるが、暫く見つめていると仰向けになった男の横顔に変貌する(反時計回りに90度回転させると分かりやすい)。黒い岩山が男の髪の毛、丘の上の城が鼻、船着き場が耳、樹木が顎髭になっている。スイス生まれの版画家マテウス・メーリアンの〈擬人化された風景〉(Anthropomorphic Landscape 1630-50)に良く似ているので、どちらか一方がオリジナルで他方が模写なのかもしれない。「ルビンの壺」「娘と老婆」「家鴨と兎」などの有名な多義画を挙げるまでもなく、「ダブル・イメージ」は同時に2つの画像を認識出来ない。白い壷と向き合った2人の横顔(シルエット)、黒いショールを纏った女性と醜い老婆、アヒルの嘴とウサギの耳が共存しないように「風景と顔」も同時に存在しない。

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  • ⃞ ジョージア / フィンガーペインティング(Georgia / Fingerpainting 1984)チャック・クロース
  • 少女ジョージアの肖像画はタイトルに「フィンガーペインティング」とあるように、絵筆を使わず、指紋をカンヴァスに押しつけて描いた油彩画である。印象派の点描画を想わせる技法で、肖像画にしては少し大きすぎるサイズが違和感を鑑賞者に齎す。恐らく指の大きさが作品のサイズを決めているのだろう。これ以上大きくても小さくても「トロンプ・ルイユ」として成り立たないのかもしれない。タブローから離れて見ている時は普通の肖像画だが、近づいて見ると指紋が印鑑や版画のように捺印されていることが分かる。同じ作者による右隣の〈マルタ / フィンガープリント〉(Marta / Fingerprint 1984)はカーボン転写エッチング。カラーとモノクロ、油彩とエッチングの違いで2人のモデル(ジョージアとマルタ)の印象は年齢の差以上に大きく異なって見える。

  • ⃞ 無題(Untitled 2001)トム・フリードマン
  • 人体を型取りした〈カーペットを掃除する女〉(Woman Cleaning Carpet 1971)、ゴッホの代表作〈星月夜〉(1889)の裏面カンヴァス、ボール紙で作って写真に撮った〈浴室〉(Bathroom 1997)、木枠にカンヴァスを張ったハリボテの〈フェンダー・デラックス・リヴァーブ・アンプ2〉(Fender Deluxe Reverb Amp 2 2009)など、「トロンプ・ルイユ」のセクションには人間の目を欺く擬いものが陳列されている。美術館の壁に1匹の昆虫が留まっていた。こんなところにミツバチが!‥‥と不審に思ったら、粘土、針金、綿毛、毛、プラスチック、塗料を素材にした精巧な模造品だった。実物大のハチが「だまし虫」とは気づかずに通り過ぎた鑑賞者も少なくなかったかもしれません。木に彩色した須田悦弘の〈雑草〉(Weeds 2014)や〈葉〉(Leaf 2012)も注意深く目配りしてないと見過ごしてしまう同趣向の小品である。

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  • ⃞ 蚊 II(Mosquito II 2007)ラリー・ケイガン
  • 奇妙に捩じ曲がり、複雑に絡み合った黒い針金(ワイヤー)が壁に架かっている。アブストラクトな針金細工に一定の方向からライトで照らすと、蚊やトカゲのシルエットが現われる(会場では自動的に照明の当たる角度が変わるようになっていた)。〈蚊 II〉には蚊の影まで付いている。ラリー・ケイガンは鉄の彫刻家だったが、完成した作品の影に注目することで逆にシャドー・アート(影絵)の面白さに目醒めたという。空間のある立体的な針金細工が真っ黒に塗り潰された影になることだけでも不思議なのに、小動物や人物や家具や乗り物や記号などの具象像に変貌するとは!‥‥。ラリー・ケイガンの「公式サイト」「ギャラリー」では照明スイッチをオン・オフすることで、その効果を実際に確かめられる。本展には出品されていなかった〈キャット〉(Black Cat 2005)も素敵にゃん。

  • ⃞ 木の鏡(Wooden Mirror 2014)ダニエル・ローズィン
  • 碁盤の目状に敷き詰められた787枚の木片(7×7cm)のパネルの前に立つと、その人物の姿がモザイク状に映し出される。躰を動かすとカタカタという小気味良い音がして、パネルのシルエットも同じ動作を追随する。木肌の濃淡で表現された姿形はモザイク処理されたTVの匿名人物画像のようにも、レゴ・ブロックの壁画のようにも見える。小型カメラで撮った被写体の画像をコンピュータ(マイクロプロセッサ)で制御して、モーターで木片を自動的に動かす仕組み。照明の当たる木片の角度によって影の濃淡が変化するわけだが、デジタルとアナログ、ハイテクとローテクの融合が見た目の優しさを演出している。初期のTVゲームのようなコミカルな形状と動き。子供が遊ぶ積み木(無垢材)のような手触りと温もり。街頭や屋内に設置された陰険で嫌らしい「監視カメラ」に対するアイロニーのようなものさえ感じられる。

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  • ⃞ 広重とヒューズ(Hiroshige and Hughes 2013)パトリック・ヒューズ
  • 「だまし絵展」で一番驚いたのが最後のセクションあった〈水の都〉(Vanishing Venice 2008)だった。観賞者の視点移動によって絵が動き出すパトリック・ヒューズのリヴァースペクティヴ(Reverspectiveは「反転(reverse)」と「遠近法(perspective)」の造語)は「トロンプ・ルイユは遠近法の逆説である」という澁澤龍彦の言葉を文字通りに実証した3Dアートである。遠近法に慣らされた目の錯覚で、凹凸のある立体絵画が真逆に見えてしまうのだ。しかし、真横から見れば仕掛けは一目瞭然。手品の種明かしのような軽い安堵と失望感に襲われる。本展の開催に合わせて制作されたという新作も「逆遠近法」シリーズの同工異曲で、日本の屏風画のように歌川広重の名所絵が描かれている。2次元のカンヴァスに描かれた自画像ではなく、石膏の凹面レリーフに描いたヒューズの〈生き写し〉(Likeness 2013)にも驚かされた。

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  • ⃞ 赤いモデル(The Red Model 1953)ルネ・マグリット
  • 現実には決して存在しえないシュールな世界を描き続けたマグリットの絵画は殆ど「トロンプ・ルイユ」と看做しても良い。その超現実世界は平易に描かれた青い空と白い雲のように明快で難解さとは程遠い。しかし、多くの鑑賞者は作品名を目にした途端、首を傾げるかもしれない。人間の足と革靴が怪物的に癒合したタブローのタイトルが「赤いモデル」とは一体どういうことなのかと当惑して(「赤いモデル」は透明人間なのだろうか?)。《靴の問題は、最も粗野な物がいかにして慣習の力によってまったく適切なものと見なされるようになるかを立証している。〈赤いモデル〉によって感じ取られるのは、人間の足と革靴との結び付きが実際には怪物的な習慣に属するものだということである》(マグリット)。ジョルジュ・ロックは靴メーカーやカナダ税関のポスターに転用された〈赤いモデル〉のイメージがマグリットの意図とは真逆になったことを立証する。「権力を告発するために使われたイメージの力が、権力のイメージに逆転されている」「〈赤いモデル〉は隠喩によってコミュニストの経験を指し示すことが立派にできるのである」と。

  • ⃞ 海辺に出現した顔と果物鉢の幻影(Apparition of Face and Fruit Dish on a Beach 1938)サルヴァドール・ダリ
  • 「ダブル・イメージ」はダリが最も得意とする技法の1つ。2重、3重の異なるイメージを重ねて鑑賞者の目を欺き、翻弄させる手腕は熟練の職人技である。「だまし絵展」には聖堂内が17世紀スペインの巨匠スルバランの髑髏に見える〈スルバランの頭蓋骨〉(Skull of Zurbaran 1956)、「ダリ展」(上野の森美術館 2006)では2人の修道女の顔が哲学者ヴォルテールの目の部分に重なる〈ヴォルテールの見えない胸像〉(Slave Market with the Disappearing Bust of Voltaire 1941)などが展示されていた。画面中央のガルシア・ロルカの顔と洋梨を載せた果物鉢の「ダブル・イメージ」は「ルビンの壷」の応用だが、右上に巨大なグレイハウンド犬の横顔、左にアヒル(犬の臀部)、左下に小さなウサギが見え隠れしている。ダリは〈3つのイチジクを載せた果物鉢の姿で海辺に出現したガルシア・ロルカの顔のある見えないアフガニスタン人〉(Invisible Afghan with the Apparition on the Beach of the Face of Garcia Lorca in the Form of a Fruit Dish with Three Figs 1938)という同趣向の作品も描いている。

  • ⃞ ピンク(Pink 2003)トニー・アウスラー
  • ファイバーグラス製のカエルの頭部にプロジェクターで女性の目と口の画像を投影したインスタレーション。目と口を忙しく動かして「霧、緊張、驚き、火傷、欲望‥‥」と脈絡のない言葉を英語で喋るカエル女はグロテスクで下品で気味悪い(キモ可愛い?)けれど、「妖怪ウォッチ」が流行っている日本の子供たちは面白がるかもしれない。エヴァン・ペニーの〈引き伸ばされた女 #2〉(Famale Stretch, Variation #2 2011)は細長く引き伸ばされた3m以上に及ぶ巨大女性の胸像。チョコレート工場のマイク・ティーヴィ君みたいに引き伸ばされた女の目も縦長になって、ビックリしているように見える。ヴィック・ムニーズの〈自画像 悲しすぎて話せない バス・ヤン・アデルによる〉(Self-Portrait, I'm Too Sad to Tell You, After Bas Jan Ader 2003)は小さな玩具の集積が作家の自画像を形作る。カラフルで楽しげな玩具と左手を額に当てて悲嘆に暮れる表情の対比がアンビヴァレントな感情を引き起こす。
                                
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    • 司書からのお願い「1. 作品にはさわらない 2. 柵や壁によりかからない 3. アメやガムを含む飲食は× 4. カメラや携帯電話は× 5. メモをとるときはえんぴつで 6. 傘は傘立てに入れてね」

    • 某タワレコ・クリアランスで「だまし絵・ネコード」を1枚捕獲しました^^
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    だまし絵 II ── 進化するだまし絵

    だまし絵 II ── 進化するだまし絵

    • アーティスト:ジュゼッペ・アルチンボルド / パトリック・ヒューズ / ルネ・マグリット / エヴァン・ペニー / 福田 繁雄 / ヴィック・ムニーズ / サルヴァドール・ダリ / ...
    • 会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
    • 会期:2014/08/09 - 10/05
    • メディア:絵画・写真・版画・オブジェ
    • 展示作品:司書 / 風景/顔 / 鷹狩道具のある壁龕 / フェンダー・デラックス・リヴァーブ・アンプ 2 /「裏面」シリーズ、星月夜 / アンダーグランド・ピアノ / 生き写し / 広重とヒューズ / 引き伸ばされた女 #2 / 赤いモデル / 物見の塔 / 海辺に出現した顔と果物鉢の幻影 / 自画像 悲しすぎて話せない バス・ヤン・アデルによる / ...


    幻想の彼方へ

    幻想の彼方へ

    • 著者:澁澤 龍彦
    • 出版社:河出書房新社
    • 発売日:1988/10/04
    • メディア:文庫
    • 目次:レオノール・フィニー、魔女から女祭司まで / マックス・ワルター・スワンベルク、女に憑かれて / ゾンネンシュターン、色鉛筆の預言者 / ポール・デルヴォー、夢のなかの裸体 / ハンス・ベルメール、肉体の迷宮 / バルテュス、危険な伝統主義者 / ルネ・マグリットの世界 / キリコ、反近代主義の亡霊 / マックス・エルンスト論 / ベルメールの人形哲学


    錯視芸術の巨匠たち ── 世界のだまし絵作家20人の傑作集

    錯視芸術の巨匠たち ── 世界のだまし絵作家20人の傑作集

    • 著者:アル・セッケル(Al Seckel)/ 坂根 厳夫(訳)
    • 出版社:創元社
    • 発売日:2008/04/20
    • メディア: 大型本
    • 目次:ジュゼッペ・アルチンボルド 合成的手法による肖像画 / サルバドール・ダリ 視覚の驚異 / サンドロ・デル=プレーテ 知覚の変化 / ヨース・ド・メイ パラドックスな世界 / M.C.エッシャー 知性と魂の巨匠 / 福田繁雄 遊び / ロブ・ゴンサルヴェス 魔術的リアリズム / マチュー・ハマーケルス 視覚的構成主義 / スコット・キム アンビグラム / 北岡明佳 錯視芸術 / ケン・ノールトン モザイクの肖像画 / ギド...

    f a v o r i t e - a l b u m s 5

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    Meshes Of Voice

    Meshes Of Voice

    • Artist: Jenny Hval & Susanna
    • Label: Susannasonata
    • Date: 2014/08/19
    • Media: Audio CD
    • Songs: Droplet / Black Lake / Milk Pleasures / I Have Walked This Body / O Sun O Medusa / A Mirror In My Mouth / Thirst That Resembles Me / I Have A Darkness / A Sudden Swing / Honey Dew / Medusa / Running Down / House Of Bones / Dawn / The Black Lake Took

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    鉛の飛行船 II

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  • ロックンロールという音楽は、物神化した商品の力に恩恵を受けている。もちろん、レコーディングされたすべての音楽は消費者に呪文を投げかけるのだが、ロックは商品として誕生した初めての音楽ジャンルなのだ。アルビン・ザックは、ロックが「まず何よりもレコード音楽である」という点で、それ以前の音楽と異なることに注目した。ライヴ演奏よりも、むしろラジオでのオンエアや当時急成長していた45回転シングルの市場展開によって、ティーンエイジャーでも簡単に買えることようになったことが、ロックの尋常ならざる商業的成功を考えるときには重要になる。そのロックが悪魔の音楽になった理由は、白人の青年に黒人のビートを届け、反体制運動を誘発し、快楽に身を任せることを助長する音楽だと見なされたことによる。同時にロックは商品の形式、つまり「販売様式」とスピリチュアルな契約を結んでいた。若者の身体と精神にとって、45回転シングル盤はエロティックでエネルギーに満ちた魅力をもつものであり、快活に回転するそのさまは、どこかエルビスの腰の動きを彷彿させるものだったのである。
    エリック・デイヴィス 「フィジカル・グラフィティ」


  • Jimmy PageによるLed Zeppelin(Zep)の最新リマスター・シリーズ第2弾が2014年10月にリイシューされた。フォーマットは第1弾の3枚(1st~3rdアルバム)と同じく「スタンダード・エディション」(1CD、1LP)、「デラックス・エディション」(2CD、2LP)、「スーパー・デラックス・エディション・ボックス」(2CD+2LP)の5種類。「デラックス版」は「スタンダード版」を含む「上位互換」だと思い込んでいたが、デザイン上で大きな見落としがあった。「スタンダード」はオリジナルと同じように見開きカヴァを広げると1枚のイラストになっているのに、「デラックス」は裏面が表カヴァを反転させたデザインになっている。アルバムのアートワークを台無しにするだけでなく、裏カヴァのイラストがインナー・スリーヴにもブックレットにも載っていないのだ。1st~3rdアルバムも同じ仕様になっていたが、不覚にも気づかなかった。《Houses Of The Holy》のアナログ盤に付いていたバンド名とタイトルを記した白い帯はリイシューCDでも復刻されている。アートワークの一部ではなく、文字通り金髪少女の尻を隠すための「腰巻き」らしい。

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  • ◎ Led Zeppelin IV(Atlantic 1971)
  • 長い枯れ枝の束を背負い、腰を曲げて杖を突く白髭の老人の絵が額装されて花柄の壁紙の剥がれた壁に架かっている。風変わりなアルバム・カヴァは一続きになった裏面を広げることで「だまし絵」風な驚きに変わる。遠景の高層ビル、近景の古びた集合住宅、そして前景の絵の架けられている壁が半壊した家屋の内部と分かる仕掛け(集合住宅の壁には「毎日誰かが餓えで亡くなっています」と読めるポスターが貼られている)。Zepの4thアルバムはタイトルやバンド名は疎か、カタログ番号などの記号・数字も一切記されていない。見開きジャケットの内側にはバーリントン・コルビーによる「隠者」(タロットカード)のイラストが横向き(縦長)に描かれ、インナー・スリーヴの表裏に〈Stairway To Heaven〉の歌詞と曲名、「4つのシンボル」などが記載されていた。メンバー4人を象徴したという印形(シジル)が公式タイトルなので、ファブ・フォーの「ホワイト・アルバム」と同じく、「4シンボルズ」とか「Led Zeppelin IV」という名称で呼ばれている。

    〈天国への階段〉が収録されていることもあって、Zepの最高傑作と評されているが、それ以外にも興味深い楽曲が並ぶ。怒濤の変拍曲というよりもギター・リフとドラム・ビートが乖離するポリリズムに近い〈Black Dog〉。変拍子の呪縛から解き放されたJohn Bonhamのドラミングが豪快な〈Rock And Roll〉。サンディ・デニー(Sandy Denny)をゲスト・ヴォーカルに迎えた英国トラッド・フォーク調の〈The Battle Of Evermore〉。ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)へのオマージュでもある〈Going To California〉。メンフィス・ミニー(Memphis Minnie)のブルーズ・ナンバーをZep流に再解釈した〈When The Levee Breaks〉の圧倒的なドラム・サウンドは英ハンプシャー東部のヘッドリィ・グランジ(1795年に救貧院として建てられた石造り3階建て家屋)の大きな吹き抜けのある階段下の石床で録音されたという。「デラックス・エディション」のDisc 2にはオリジナル・アルバムと同じ曲順で異ミックスや違ヴァージョン8曲が収録されているものの驚くような音源はない。オリジナル・カヴァ仕様の「スタンダード・エディション」を購入すべきかしら。

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  • ◎ Houses Of The Holy(Atlantic 1973)
  • 古代の遺跡を想わせる丘の頂上を目指して11人の子供たちが岩場を這い登って行く。ヒプノシス(Hipgnosis)が制作したアルバムの見開きカヴァはA・C・クラークのSF小説『幼年期の終わり』からイメージしたもので、北アイルランドの世界遺産「ジャイアンツ・コーズウェイ」で撮影されたという。ハンス・ベルメールの球体関節人形写真のように人工着色した金髪ヌードはエロティックで、少女の尻を白い「腰巻き」で覆わらなければならなかったのも宜なるかな。インナーの見開きには古城跡の前で少女を両腕で頭上に掲げ、生贄を捧げようとしている男の後ろ姿が写っている。5枚目にして初めて「Houses Of The Holy」という文字タイトルの付いたアルバムなのに、カヴァにはタイトルもバンドの名前も一切記載されていなかった。《聖なる館》はブルーズの泥臭い荒野やトラッド・フォークの鬱蒼とした森から抜け出て、別世界へ旅立ったZepサウンドが堪能出来る。曲調もロックだけではなく、ファンクやレゲエ、アカペラ、ドゥーワップなど、洗練されてヴァラエティに富む。

    緩急自在に旋回するオープニングの〈The Song Remains The Same〉、オープン・チューニング・ギターの音色が清冽な〈The Rain Song〉、アクースティック・ギター弾き語りからハード・ロックに転じる〈Over The Hills And Far Away〉、Zep流に解釈したサビなし変拍ファンクの〈The Crunge〉、強靭なギター・リフとスライド・ギターが織り重なった〈Dancing Days〉、「ジャマイカ」と聞こえる空耳タイトルのレゲエ・ナンバー〈D'yer Mak'er〉、深海の底から湧き上がって来るようなシンセ・ピアノの調べが神秘的に響く〈No Quarter〉、ギクシャクした変拍子(4/4+7/8)がアカペラを経てドゥーワップで解放される〈The Ocean〉。《Led Zeppelin IV》の「デラックス・エディション」と同じく、Disc 2に収録されたインストやラフ・ミックスの7曲に驚くような音源はなかった。完成間近の余り代わり映えのしないミックス集ではなく、外部ミュージシャンに丸投げした「リミックス・アルバム」を付けた方が面白かったのではないかとさえ思う。

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    《聖なる館》(国内盤LP)は「4シンボルズ」よりも個人的に愛着のあるアルバムだが、惜しむらくは画竜点睛を欠くことが1つだけある。何とアルバム・タイトル曲が収録されていないのだ。もちろん《Revolver》や《Abbey Road》のように元々アルバム・タイトル曲が存在しないことも少なくなかったし、曲名がアルバム・タイトルにならない方がスマートでスタイリッシュだった。デジタル時代の今日では考え難いけれど、アナログ盤(LP)には40分前後という時間的な制約があって、音質面を考慮すると収録予定の曲がアルバムに入らないこともあった(Little Featの《The Last Record Album》のように裏面に歌詞まで載っていた曲が先送りになった事例もある)。A・B面に分かれていることや、1曲の演奏時間が長くなったことも足枷になっていたのかもしれない。Zepの〈聖なる館〉も収録時間オーヴァで外された可能性が高い。もし最新リマスター盤に〈Houses Of The Holy〉が追加収録されれば完璧だったし、2枚組の《Physical Graffiti》(1975)もCD1枚に収まるので一挙両得(?)ではないかと、秋の夜長にZepのアルバムを聴きながら夢想するのだった。

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    • 国内盤より千円以上安い輸入盤CD(Atlantic 2014)がお買い得にゃん^^

    • 《Physical Graffiti》の「デラックス・エディション」は3枚組になるのかしら?

    • 「デラックス・エディション」のアルバム・カヴァは反転した裏面の画像です
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    Led Zeppelin IV(DELUXE EDITION 2CD)

    Led Zeppelin IV(DELUXE EDITION 2CD)

    • Artist: Led Zeppelin
    • Label: Atlantic
    • Date: 2014/10/28
    • Media: Audio CD
    • Songs: Black Dog / Rock And Roll / The Battle Of Evermore / Stairway To Heaven / Misty Mountain Hop / Four Sticks / Going To California / When The Levee Breaks // Black Dog (Basic Track With Guitar Overdubs) / Rock And Roll (Alternate Mix) / The Battle Of Evermore ...


    Houses Of the Holy(DELUXE EDITION 2CD)

    Houses Of The Holy(DELUXE EDITION 2CD)

    • Artist: Led Zeppelin
    • Label: Atlantic
    • Date: 2014/10/28
    • Media: Audio CD
    • Songs: The Song Remains The Same / The Rain Song / Over The Hills And Far Away / The Crunge / Dancing Days / D'yer Mak'er / No Quarter / The Ocean // The Song Remains The Same (Guitar Overdub Reference Mix) / The Rain Song (Mix Minus Piano) / Over The Hills An...


    レッド・ツェッペリンIV(ロックの名盤!)

    レッド・ツェッペリンIV(ロックの名盤!)

    • 著者:エリック・デイヴィス(Erik Davis)/ 石崎 一樹 (訳)
    • 出版社:水声社
    • 発売日:2012/12/27
    • メディア:単行本(ソフトカバー)
    • 目次:丘のむこうに / フィジカル・グラフィティ / 汝を音楽に従わせしめよ / ガッタ・ロール / かの天空のただなかで / 彷徨と驚倒 / 山々は崩れ海に沈んでも 最終楽章 / 註 / レッド・ツェッペリン ディスコグラフィ / 解説(石崎 一樹)/ 訳者あとがき(石崎 一樹)


    レッド・ツェッペリン オーラル・ヒストリー

    レッド・ツェッペリン オーラル・ヒストリー

    • 著者:バーニー・ホスキンス(Barney Hopkyns)/ 五十嵐 哲(訳)
    • 出版社:シンコーミュージック
    • 発売日:2013/03/30
    • メディア:単行本
    • 目次:イン・スルー・ジ・アウト・ドア(出口用の扉から入る)"世界最大の正体不明バンド" / 登場人物紹介 / 心揺さぶられて / 眩い世界へ / イライラが募る時期 / 消耗して / 謝辞 / 訳者あとがき / 著者インタヴュー&出典 / 索引

    スニーズ・コメンツ #36

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  • 太陽神ラーの娘であり、「イシスの魂」とも呼ばれる女神バステトは、古くはライオンの頭を持つ姿で表され、獰猛さや勇敢さ、あるいは優しさや美の象徴とされていた。そしてバステト信仰が盛んになる紀元前950年頃には、バステトの姿は猫の頭を持つもの、あるいは完全な猫の姿になっていく。古代ギリシャの歴史家ヘロドトス(紀元前484〜同425年頃)は紀元前450年頃にエジプトを訪れた際、同信仰の中心地であるブバスティスで見たバステト神殿について、次のように書き残している。「神殿は赤色花崗岩でできた四角く壮大な建造物で、曲線のある石でできた壁に囲まれた中央には、女神を祀る堂がある。神殿では聖なる猫が何匹も飼われていた。これらの猫は、古代エジプトの主要な祭りの1つである年に1度の大災の折りに、生け贄として捧げられた。その際には、大量のワインが消費されたという」
    タムシン・ピッケラル 「古代から中世の血統」


  • ♭ また出戻りです。^^;
  • kovaioさん、お帰りなさい。2011年秋にMacBook Proとミラーレス一眼、W杯ブラジル大会前、やっと地デジTV(BRAVIA)に買い替えました。ソネ風呂にもヨークシャー・テリアを飼っている方がいます。Juno君はヨークシャー犬じゃないのかな?
    by sknys (2014-09-05 00:16)

  • ♭ ミュート・レーベルの軌跡~EXHIBIT 1
  • モバサムさん、こんばんは。ミュート・レコーズ(Mute Records)はEMI傘下に入ったら(身売り?)、コピーコントロールCDを出すようになってイメージが悪くなっちゃった(註:2014年はSwansの最新作《To Be Kind》やArcaのデビュー・アルバム《Xen》など、注目作をリリースしています)。Blondieの《Panic Of Girls》(Five Seven 2011)はタワレコ・クリアランスで買いました。
    by sknys (2014-09-21 22:43)

  • ♭ なんでも年をとる
  • ぶーけさん、こんばんは。10年間使ってもアップル・コンピュータ(iBook)は壊れなかったけれど、ACアダプタが断線してバチバチ火を噴いた。ここが潮時と思って3年前の秋、MacBook Proに買い替えました(註:無償電話サポートと保証期間を3年間に延長出来る「AppleCare Protection Plan」(有料)に入らなくて良かったなぁ)。10年も使い倒せば、充分に元は取れたんじゃないかしら?‥‥古いデジカメは使えなくても、最新機種のスマホならば綺麗な薔薇が撮れそうですが‥‥。
    by sknys (2014-09-30 21:45)

  • ♭ 池袋で街頭コンサートやってたよ。── 池袋ハロウィンコスプレフェス
  • トミー。さん、こんばんは。「池袋ハロウィンコスプレフェス 2014」(10/25・26)のことでしょうか。豊島区長がサイボーグ009(島村ジョー)のコスプレで登場したという記事が朝日新聞に載っていました。見たいような、見たくないような。
    by sknys (2014-10-28 01:26:55)

  • ♭ 年末の買い物まとめ(雑貨編)
  • 蝙蝠猫さん、初めまして。「チキジョージ」の実店舗でウォール社(Wall Metallkunst)の銅製湯たんぽを購入しました。無印良品のカヴァは巾着タイプではなく、ファスナーと面ファスナー(マジックテープ)で開閉するタイプでしたが、小サイズでピッタリと収まりました(註:〈湯たんぽ、銅でしょう〉参照)。
    by sknys (2014-11-08 20:28)

  • ♭ スティーナ・ノルデンスタム
  • モバサムさん、こんばんは。シルヴィ庵のアルバム・カヴァ(女性写真家のセルフ・ポートレイト)はキャットウーマンではなく、バットガールだと思い込んでいましたが、クリスタマス・クラウシュ(Kristamas Klousch)のオフィシャル・サイトで確認したら、「バステト」(Bastet)というタイトルが付いていた。「古代エジプトの猫の女神バステト」だったのか!‥‥というわけで、遅ればせながら猫ジャケ(ネコード)のコレクションに加えました。
    by sknys (2014-11-11 01:44)

  • ♭ キツネさん
  • ぶーけさん、こんばんは。『あひるのジマイマのおはなし』(福音館書店)を読んでみました。ビアトリクス・ポターの描くキツネ紳士は狡猾で嫌らしい。ジマイマ・パドルダックは危うく「鴨ネギ」になるところだった。「キツネさん」は夢見るロマンチストかしら?『星の王子さま』に出て来るキツネも賢そうですね。
    by sknys (2014-11-14 23:44)

  • ♭ インサラータ
  • Ladylike Lilyの新作かと思ったら、抱き合わせ(1stアルバム+EP)とは!‥‥〈On My Own〉とのカップリング(2EP)で出して欲しかった。もちろんカヴァは「オバケ」じゃなくて、「猫ジャケ」で。
    by sknys (2014-11-20 01:19)

  • ♭ 片づけ ── 身軽になりたい
  • 図書館で借りて読むようにしている本や雑誌は微増に留まっていますが、CDは日々増殖中。紙ジャケは兎も角、デジパック盤は中身(CD、ブックレット、裏カヴァ)を抜いてプラケースを捨てられないのが悩ましい。LaLaやプチ・フラワーなどの少女マンガ誌を処分すればスッキリするのですが‥‥。自分では、なかなか「断捨離」出来ません。
    by sknys (2014-11-20 01:37:17)

  • ♭ 10年先取り
  • ふじにぃさん、こんばんは。90年代中頃、雨後の筍のようにニョキニョキ現われたトリップ・ホップ・ユニットの突然変異体Moloko。デビュー・アルバム《Do You Like My Tight Sweater?》(Echo 1995)は2つのステレオ再生装置から同時に2枚のCDを鳴らすと、驚異の4次元ヴァーチャル・サウンドを体感出来るという触れ込みだった。チビ短セーターを着た子供の周りにキモ可愛い妖怪魚やモンスターたちが浮游するシュールなイラスト・カヴァ。Molokoの変態音楽もヘタウマ・アートワークも大好きです。
    by sknys (2014-11-26 21:17)

  • ♭ ミノル猫
  • tumujiさん、こんばんは。19年も生きたのだから、ミノルジョー君は天寿を全うしたのではないかしら。純血種よりも雑種の方が逞しく、長生きするような気がします。『世界で一番美しい猫の図鑑』(エクスナレッジ 2014)には目を瞠りましたが、自然の進化や突然変異種だけでなく、ブリーダーの交配によって作り出された新種も少なくないことを想うと複雑な気分に陥る。岩合さんも「キャット・ショー」に出るような血統書付きの純血種は撮らないし、バルテュスの評伝を書いたクロード・ロワもネコの口を借りて、「『人間』て、なんてくだらないことばかりするのかな」と皮肉っています。
    by sknys (2014-11-27 23:36)

  • ♭ ココも合戦。
  • ぐんまちゃん、「ゆるキャラグランプリ」獲得おめでとう。都内でも「区民まつり」や地元の商店会などがイヴェントを開催していますが、今イチ盛り上がりに欠けます。「池袋ハロウィンコスプレフェス」では豊島区長がサイボーグ009に仮装したそうですが‥‥。
    by sknys (2014-11-30 19:58)

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    ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第36集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)を加え、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2014/09/01~11/30)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。日銀のバラ撒き政策で円安になって株価は上がったものの、その恩恵を得ているのは大企業と投資家だけ。消費税が8%にアップしてからは一般家庭の消費も冷え込み、不景気風が吹き荒んでいる。2014年4月以降に買ったものは「地デジ液晶TV」と「湯たんぽ」くらい。輸入アルバムの価格も値上がりしている。2軒の輸入CDショップの店主は口を揃えて「アベノミクスはダメ」だと言っていました。右肩上がりの成長経済は幻想だと気づく時ではないかしら。

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    SONY 地上・BS・110度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ

    SONY 地上・BS・110度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ

    • 型番: BRAVIA KDL-24W600A-W
    • メーカー: Sony
    • 外形寸法(スタンドを含む): 54.5×33.6×6.5(54.5×36.0×14.4)cm
    • 質量(スタンドを含む): 4.0(4.5)kg
    • 消費電力 / 待機時: 50(0.4)W
    • メディア: エレクトロニクス


    Panic Of Girls

    Panic Of Girls

    • Artist: Blondie
    • Label: Ais
    • Date: 2011/07/12
    • Media: Audio CD
    • Songs: D / What I Heard / Mother / The End The End / Girlie Girlie / Love Doesn’t Frighten Me / Words in My Mouth / Sunday Smile / Wipe Off My Sweat / Le Bleu / China Shoes


    Blueland / Get Your Soul Washed

    Blueland / Get Your Soul Washed

    • Artist: Ladylike Lily
    • Label: Patchrock
    • Date: 2014/03/05
    • Media: Audio CD(2CD)
    • Songs: Who's Next ? / Creepy Bird / Periods / Lonesomeone / Prickling / Kissing Spell / Frogs On My Side / I'm Tryingn To Quit / Apologize / Grand Go / The Final Room / This law // Bushrette / Blueland / Minus Four / Roommate


    Do You Like My Tight Sweater?

    Do You Like My Tight Sweater?

    • Artist: Moloko
    • Label: Imports
    • Date: 2000/01/11
    • Media: Audio CD
    • Songs: Fun For Me / Tight Sweater / Day For Night / I Can't Help Myself / Circus / Lotus Eaters / On My Horsey / Dominoid / Party Weirdo / Tubeliar / Ho Humm / Butterfly / Dirty Monkey / Killa Bunnies / Boo / Where Is The What If The What Is In Why? / Who Shot The ...


    あひるのジマイマのおはなし

    あひるのジマイマのおはなし

    • 著者:ビアトリクス・ポター(Beatrix Potter)/ いしいももこ(訳)
    • 出版社:福音館書店
    • 発売日:2002/10/01
    • メディア:単行本
    • 内容紹介:ジマイマは親切な紳士の家をかりて、卵をかえそうとしました。でもその紳士は、ずるいきつねだったのです‥‥

    デビュー、指で

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  • 私のお母さんは、役者をやっている私によく、このナウシカのような、はたまたジャンヌダルクのような、聡明で強くたくましいヒロインをやって欲しいと願う。もっともそれは十代後半の頃の私が彼女たちの姿に憧れて、「ナウシカみたいになりたい。ジャンヌダルクみたいになりたい」とよく口にしていたことでもある。きっとどの世代の女の子たちも、立ち向かい、守り抜く彼女たちの姿に、共感して、かっこいい! と憧れを抱くはず。/ 誰かとどうでもいいことで喧嘩をして酷い言葉を使ってしまった時に、うっかりお酒を飲み過ぎて遅く起きた頭のがんがんする朝に、彼女たちにもそんな一面はあるだろうかなんて考えてみたりもする。ないかな。物語であって伝説である人と比べるのは、よくない。でもそれを思って反省するのも、悪くない。/ 最後に。携帯電話よりも蟲笛や狼煙弾の方がいい。高層ビルよりも森や畑がいい。原子力発電よりも風力発電がいい。そこで働いている人の事を考えなければ、不便でもそっちの方がいい。
    満島 ひかり 「遅く起きた頭のがんがんする朝に」


  • ⃞「白鬼」には満島ひかり、押しかけ菓子折り。黴増し積み場に荷下ろし
    映画『白鬼』の主演に決まった満島ひかりは初の特撮時代劇に萌えていた。クランクインの前日、ロケ地の近くにある旅館に宿泊していた監督や撮影スタッフ、共演者たちの部屋に押しかけては大量の菓子折りを差し入れた。沖縄特産の名品だったが、天候にも恵まれず撮影は困難を窮めた。連日の強行日程で疲労困憊した一行には食後のデザートを嗜む余裕も余暇に寛ぐ時間もなく、食べ切れずに残った菓子の存在は誰にも忘れ去れられていた。雨模様で撮影が延期された日、宿舎の隅に積んであった箱の中の菓子の包みを何気なく開けてみた満島ひかりはギョッとして我が目を疑った。真っ白かった菓子が青白く変色しているではないか!‥‥青黴が菓子の表面を覆っていたのだ。その夜、満島ひかりはスタッフが寝泊まりしている各部屋に忍び込んで、黴まみれになってしまった菓子の箱を密かに回収した。深夜に彼女が菓子折りを生ゴミの集積場に投げ捨てたのは言うまでもない。

    ⃞ 筏、雷鳴り、波が高い
    友人のM子は学生時代に地理の授業で使っていた白地図が怖かったと言うけれど、私は地図帳の方が恐ろしかった。青い海が水色から藍色にグラデーションしている部分‥‥日本海溝とかマリアナ海溝とか、見つめているだけでも数千メートルの深海に引き込まれそうになって気が遠くなった。今でも北極海や南半球の地図には根源的な恐怖を感じる。海難事故に遭い、救命ボートで漂流して無人島に漂着するという「青い珊瑚礁」みたいなシチュエーションも悪くないけれど、ヨットで単独世界一周なんていう冒険は御免被りたいわ。温暖な南太平洋は兎も角、喜望峰を夜中にヨットで通過することを想像するだけで体中から血の気が失せちゃう。お天気に恵まれて、川面の流れも緩やかな渓流の筏下りは愉しそう。でも、その先には必ず急流や高低差が数十メートルもある断崖の滝が待ち構えているのよね。穏やかな天候も俄かに暗雲が立ち籠めて、鉛色の空に稲妻が光らないとは限らないし。

    ⃞ ダメよ〜ダメダメ、金がめ、貯めた嫁だ!
    毎年師走に発表される「新語・流行語大賞」には世間一般の意識と懸け離れたズレやギャップを感じていましたが、今年(2014)の大賞「ダメよ~ダメダメ」「集団的自衛権」には笑ってしまった。お笑いコンビ・日本エレキテル連合のギャグと平和憲法を骨抜きにし兼ねない閣議決定事項(候補語50語には「限定容認」「積極的平和主義」も入っていた)‥‥硬軟、軽重の取り合わせが絶妙だった。2つの流行語大賞の並びに政治的な意図が見え隠れするという的外れな批判には「集団的自衛権反対」「ダメよ~ダメダメ」ならば良かったのかと逆に問い返したい。「アベノミクス」に続いて2度目の「受賞者辞退」というのも大人げない。笑って受賞するような人間としてのブラック・ユーモアや度量の深さが全く感じられない。個人的には某環境相が発した「最後は金目でしょ!」もノミネートして欲しかった。こっそり金を貯めている嫁も「ダメよ~ダメダメ」でしょう。

    ⃞ 丸く逆立ち王、落ちた風車
    肥満王テーホ・キンドは呼び名の通り体重100kgを超えるデブ王だった。本人も肥っていることを日々気に懸けていたし、王室専属の主治医からも減量した方が良いとアドヴァイスを受けていた。ある日、宮廷内に1人のインストラクターが招かれた。ユニークなダイエット法で国民に一大ブームを巻き起こしていた痩身男だった。サンパ・ヨチンサの提唱する「逆立ちダイエット法」は厳しい食事制限も激しい運動も一切必要なかった。ただ両手を床や地面に突いて逆立ちするだけで痩せられると評判になって、瞬く間に国内で大流行した。国王だけでなく国民たちも飽食三昧の食生活で肥満化していたのだ。サンパ・ヨチンサに教えを受けて、早速テーホ・キンドは中庭で逆立ちすることになったが、丸々と肥ってしたので屈強な2人の従者が2本の大根足を支えなければならなかった。肥満王の目に映ったのは天地が逆転した珍風景‥‥それは逆さまになって空に墜ちる赤い風車だった。

    ⃞ 虚しく泣く甥っ子、ネコ追憶、亡くし南無
    吉本隆明が語っているように、家で可愛がっていた飼いネコの死は余り親しくない知人の死よりも悲しい。ハルノ宵子もネコ・エッセイの中で描いていたように、子供の頃はペットとして飼っているという意識なしに、どこの家にも普通に犬や猫がいた。愛玩動物として大事に飼われていたわけではないので、いつの間にかいなくなっても、病気や事故で死んだとしても飼主や家族が今日のような重篤なペット・ロスに陥ることは少なかった。食事や健康面での配慮にも欠けていたので、犬や猫の平均寿命も短かったはずである。甥っ子は幼い頃からネコと仲良く一緒に遊んでいただけに、大切なものを亡くした喪失感を想うと胸が痛む。しかし、彼にはネコと暮らした楽しい日々の記憶があるはずだ。スターリング・ノースがラスカルのことを、石井桃子がトムのことを生涯忘れなかったように、エリザベス・リードも甥の心の中で永遠に生き続けるのだ。

    ⃞ 鉄火巻き強請り、追っ手が近づく。幾つか地下鉄降りた、葱間買って
    ブラジル人ミュージシャンのジョルジュは肉食系遠藤憲一みたいな風貌や音楽や反して和食が大好き。それも高級料亭の海鮮料理や天麩羅などではなく、今や一大ブームとなっている「B級グルメ」‥‥焼きそばや焼き鳥が大好物なのだ。それだけに初の日本公演は愉しみにしていた。リハーサルの合間にライヴ会場を抜け出したジョルジュは外国人観光客用のグルメ・マップを片手に都内を散策する。手始めに手軽に食べられる「巻もの」で有名な某寿司店へ直行。ところが念入りに変装していたのに店頭で目聡いファンに見つかってしまった。てっきりサインを強請られるのかと思っていたが拍子抜け。少女たちの目当ては1日限定50本の特製「鉄火巻き」だったのだから。地下鉄を乗り継ぎ、複雑怪奇な駅構内を駆け抜けて追っ手を巻く。ファンから逃れた車内で大好きな鉄火巻きを頬張り、地下鉄の某駅で下車する。駅前の老舗焼き鳥店で名物の「ネギマ」を買うために‥‥。

    ⃞ 世界ハヤブサ、杉降らし。ゴジラ吹き荒ぶヤバい旋風
    東日本大震災で長い眠りから目醒めた海底のゴジラは太平洋岸沿いを南下した。怪獣の目的地は首都圏なのか?‥‥東京湾に出現したゴジラはスカイツリーを目指す。破壊した東京タワーに繭を作ったモスラや産卵したギャオスのように、巨大怪獣ゴジラも高層建築物に惹き寄せられるのだろうか。国会議事堂や西新宿の都庁は踏み潰しても構わないけれど、TVやFMに電波を送るスカイツリーの破壊だけは阻止しなければならない。しかし、陸空自衛隊もゴジラの前では小さな昆虫と化す。ゴジラがスカイツリーも目前まで逼った時、一羽の怪鳥が上空に現われた。世界最速のハヤブサが羽毛に付着した大量のスギ花粉を撒き散らすと、ゴジラは立ち止まって小刻みに震え出す。突然巻き起こった強風(神風?)に花粉が舞い、ゴジラの巨体を覆い隠す。ゴジラが咆哮して背びれが光る。遠くから眺めていた野次馬やTVやスマホで視ていた誰もが必殺技の放射熱線を予想して目を瞑ったが、次の瞬間ゴジラの口から出たのは大気と大地を揺るがす大きなクシャミだった。

    ⃞ 無意味口パク、疑惑涌くわ‥‥聴く8組忌む
    87組が一堂に会した年末恒例の某歌謡祭で口パク疑惑が再燃した。歌番組での口パク禁止令を出した同局のプロデューサが異動したことで、口パク歌唱が復活したというのだ。大晦日の紅白歌合戦やライヴ・コンサートでさえ、アイドル歌手やグループの口パク・パフォーマンスが横行しているので今更驚かないが、一部のファンや芸能ライターの口パク擁護論には唖然とする。北京五輪開会式の少女や米大統領就任式(2期目)のビヨンセは口汚く非難したのに、ダンスと歌唱パフォーマンスを同時に行なうのは難しいなどと国内の歌手たちには妙に同情的なのだ。この容認論を敷衍すればブロードウェイ・ミュージカルも宝塚歌劇団も口パクで良いことになってしまう。バカ高いチケット代を払って観る外タレの日本公演が口パクだったとしても文句は言えない。口パク擁護論者は激しい振り付けで複雑な曲を歌って(ハモって!)いたピンクレディの存在を知らないのかしら?

    ⃞ 自撮りの写真、連写し、糊綴じ
    「自撮り」の発祥は90年代後半に一世風靡した「プリクラ」だろうか。少女たちが自分撮りした写真に文字や背景を入れてシールにして友達と交換し合ったり、プリ帳に貼って愉しんでいた。スマホの表裏に2つのカメラが付き、デジカメのモニタ画面が180°チルトことからも自撮りブームの加熱ぶりが良く分かる。先端にスマホを装着して撮る「自撮り棒」なる珍商品も現われた。お気に入りの写真(シール)をプリ帳に貼っていたプリクラ少女とは異なり、今日の女性はブログやSNSに載せるために自撮りする。「自撮り」とは写真を撮るのが好きなのではなく、「写真を撮る自分が大好きな」カメラ女子のためのネット用語である。セルフ・ポートレイトを撮る写真家は「プリクラ」「自撮り」以前にも存在した。コスプレ変装・仮装した自分自身を撮り続けているシンディ・シャーマンはネット上に氾濫する自撮り写真に一体どんな思いを抱いて見ているだろうか。

    ⃞ 影丸、旅人、罠。秘技「火縄飛び」火だるま怪我
    伊賀の影丸は徳川幕府の公儀隠密である。服部半蔵の命を承けて極秘に任務を遂行する。少年忍者の影丸は旅人や商人、時には町娘に変装して密偵する。忍者同士の闘いは山田風太郎「忍法帖シリーズ」からエロティックな性愛や淫蕩、残虐で変態的な殺し合いという「R指定」を抜き取った少年マンガである(少女時代に『伊賀の影丸』を読んでいた萩尾望都は竹鞭で打たれたり、逆さ吊りにされて水責めされる影丸の拷問シーンがエロかったと発言している)。「忍法帖シリーズ」と同じように忍者たちは固有の必殺忍法を持っている。影丸には風上から木の葉を撒いて敵から姿を隠したり、相手を麻痺させたりする忍法「木の葉がくれ」や舞い散る木の葉の火炎に包まれる「木の葉火輪」という秘術もある。旅人に化けた忍者に奇襲された影丸危うし!‥‥敵の罠に嵌まってしまい、絶体絶命の窮地に追い込まれた影丸は起死回生の新たな秘技「火縄飛び」(どんな忍法なのよ?)を放って辛くも勝利したのだった。

                        *

     スニンクスなぞなぞ回文 #39

     ◯△▢◯◇◎深夜にはし☆ジバニャンし◎◇◯▢△◯

     回文作成:sknys

     ヒント:ジバニャンとハチ公


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    風の谷のナウシカ(ジブリの教科書 1)

    風の谷のナウシカ(ジブリの教科書 1)

    • 編者:スタジオジブリ・文春文庫
    • 出版社:文藝春秋
    • 発売日:2013/04/10
    • メディア:文庫
    • 目次:ナビゲーター・立花 隆 前人未踏の巨大世界、ナウシカ / 映画『風の谷のナウシカ』誕生 / 内田 樹 2つの『ナウシカ』──物語に選ばれた人 /『風の谷のナウシカ』の制作現場 / 作品の背景を読み解く


    スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書

    スミスの本棚 新しい自分が見つかる読書

    • 編著者:テレビ東京報道局
    • 出版社:日経BP社
    • 発売日:2013/03/14
    • メディア:単行本
    • 目次:はじめに(森本智子)/ 池上彰『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』/ 遠藤保仁『グアルディオラのサッカー哲学』/ 小林武史『日本の文脈』/ ジェームス三木『病気の日本近代史 幕末から平成まで』/ 佐々木則夫『人生生涯小僧のこころ』/ 山田五郎『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』/ みうらじゅん『現代語 地獄めぐり』/ 山口隆 ...

    F A V O R I T E ー A L B U M S 9

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  • BESTIAL BURDEN (Sacred Bones 2014) Pharmakon


  • 女性の下半身に蠢く蛆虫、女体に盛られた内臓‥‥海外ドラマ「BONES」の変死体みたいに悪趣味なカヴァでリスナーの目を惹く(背けさせる?)Margaret Chardietのソロ・プロジェクト。欧州初ツアーの4日前に大手術を受けて3週間の入院を余儀なくされたという。2ndアルバムはNYノイズ・インダストリアル女子らしい息苦しい喘ぎ、地の底から響く絶叫、獣のような咆哮、激しい咳き込み、狂喜狂乱など全6曲、29分の責苦が続く。彼女の躰に悪霊でも取り憑いているのかしら? 161


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    スニーズ・シンクス 2 0 1 4

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  • ノラ猫と人間との付き合い方の特性は、一般化していえば猫とその地域の特定の猫好きとの付き合いに還元されるのではないかとおもう。テレビでみた渋谷のノラ猫たちも食べ物を運んでやる特定のおじさん、おばさんが定まった時刻に定まった場所で給食されていた。わたしが通りつけている谷中墓地から上野公園にかけてのノラ猫たちも、時刻をきめて集まっている場所を数カ所もっている。たぶん猫好きのおじさん、おばさんが給食してくれる場所と時刻に、たまたま行き合わせているのだとおもう。わたしもときどきそれに便乗しているときがある。ノラ猫の世界はその地域の特定の猫好きとの交渉と接触の世界だが、傾向性としては地域の家屋の軒場や庭や扉の限界を突破して家の中に入りこむことで、地域のすべての住民と交渉し接触することを求めているような気がする。そこまで世界が移動するとノラ猫は家猫、飼い猫、愛玩の猫に転化することになる。
    吉本 隆明 「猫の部分」


  • 9年目のスニンクス(sknynx)は62本の記事をアップした(2013.12~2014.11)。回文シリーズは新年恒例の「回文かるた」を含めて5本。ネコ・ログは4本。音楽関連の記事は年間ベスト、タワレコ・クリアランス、ファブ・フォー、ゼップのリマスター・アルバムなど12本。石ノ森シリーズは「サイボーグ 009」の4本。サッカー記事はW杯ブラジル大会のTV観戦記3本。アート記事はバルテュスと「だまし絵」の2本。本(読書)に関する記事は〈美恵子コレクション 2〉の1本。記事がシリーズ化して軌道に乗ったのは良いけれど、代わり映えのしない「日替わり定食」というか一抹のマンネリ感は否めない。その一方で自分のブログよりも「読んでいるブログ」の更新頻度の落ち込みの方が気に懸かってしまう。嬉々として始めたブログが失速して、いつの間にか消えてしまったり、開店休業状態に陥っていたり‥‥。ブログという形式に興味が失せたのか、書き続けることに飽きてしまったのか、それともブロガーの比重がSNSやツイッターに移っただけなのだろうか。

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    〈私物目潰し〉〈馬も獅子も舞う〉〈スマホ阿呆増す〉〈心霊痙攣死〉〈ロフト外風呂〉の5本をアップした回文シリーズ。記事タイトルは「回文かるた」の中にも紛れ込ませていますが、比較的出来の良い、お気に入りの回文を題名に採用しています。「パリンデックス」のレイティング(5段階評価)で五つ星を獲得したのは〈渋々爪弾く僕、暇つぶし節〉〈品増しニセ車海老は冷え丸く背に縞なし〉〈ドア越すと滑る浅田真央、まだ差あるベスト・スコアと〉〈煮て芋、お・も・て・な・し。粗品でも思い出に〉〈女子苦しむ蚊、デング熱、危機。キツネくん刑事、毟る駆除し〉〈烏賊蒸しサラダ、鱒、真鱈、差し向かい〉〈筏、雷鳴り、波が高い〉〈世界ハヤブサ、杉降らし。ゴジラ吹き荒ぶヤバい旋風〉の9回文。長い回文を作るのは、それほど難しくありません。〈筏、雷鳴り、波が高い〉のような短回文の方が難易度が高かったりします。回文を作成するというよりも、発見するわけですが。

    石ノ森シリーズは〈サイボーグ 009ノ6〉〈サイボーグ 009ノ7〉〈サイボーグ 009ノ8〉〈サイボーグ 009ノ9〉の4本をアップした。「サイボーグ 009」(全27巻)を通読出来る機会を得たのは嬉しかったが、この代表作が未完に終わってしまったのは悔まれる。「風のように‥‥背を走り過ぎた虫」(1989)の中に「マンガ日本の歴史」(1997)を中央公論社の編集者から依頼される描写があるけれど、今から思えば断乎拒否して完結編「神々との闘い」に集中すべきだった。作者に残された時間は少なかったのだ。手塚治虫に「サイボーグ 009」は「地下帝国 "ヨミ” 編」(少年マガジン 1966-7)で1度終了している。マンガ史上に燦然と輝くラスト・カット‥‥夜空に流れ星を発見した姉弟が願いごとをする。弟は「おもちゃのライフル銃」を。姉は「世界に戦争がなくなりますように‥‥世界中の人がなかよく平和にくらせるようにって‥‥」。「神々との闘い編」は「地下帝国 "ヨミ” 編」と双璧になるはずだったと思う。

    展覧会の記事は今まで書いて来た全網羅的な記述から、幾つかの作品にスポットを当てる形式に改めた。〈猫と少女とバルテュスと〉では〈ミツ〉〈猫たちの王〉〈鏡の中のアリス〉〈キャシーの化粧〉〈夢見るテレーズ〉〈美しい日々〉〈猫と少女〉〈地中海の猫〉〈朱色の机と日本の女〉〈読書するカティア〉、〈秋の夜長のトロンプ・ルイユ〉は〈司書〉〈風景 / 顔〉〈ジョージア / フィンガーペインティング〉〈無題〉〈蚊 II〉〈木の鏡〉〈広重とヒューズ〉〈赤いモデル〉〈海辺に出現した顔と果物鉢の幻影〉〈ピンク〉の各10作品を採り上げた。割愛した作品も多々あるけれど、印象に残ったり、興味を惹いたものについて書いている。「バルテュス展」は意外にも散漫、「だまし絵 II」も二番煎じだったが、愉しくなかったわけではない。〈夏の終わりのトロンプ・ルイユ〉が大島弓子「夏の終わりのト短調」のパロディだったので、続編の〈秋の夜長のトロンプ・ルイユ〉も同じく「秋の夜長のサバ」から採った。

    ネコ・ログは各記事のトップを飾るネコ写真9枚をサムネイル化してアルバム風に纏めたもの。〈ネコ・ログ #32〉〈ネコ・ログ #33〉〈ネコ・ログ #34〉〈ネコ・ログ #35〉の4本で延べ36匹のネコちゃんたちのプロフィールを紹介しました。長毛種のロンちゃんと三毛ネコのマープルさんが2度登場していますが、お気に入りのネコということで許して欲しいにゃん。ネコ写真は〈401匹ニャンちゃん大行進?〉で一覧出来るようにしています。1度でもネコを撮ったことのある人ならば分かるように、ネコ写真は難しい。用心深いネコは逃げてしまうし、人懐っこいネコはスリ寄って来る。カメラを向けると目線を反らすし、飽きると毛繕いを始める。忙しなく動き回るネコが歩き疲れるのを待つ。通過する車両や通行人、散歩中のイヌなどに気を奪われている隙に撮る。『岩合光昭のネコ』(新潮社 2014)のような日本列島47都道府県を巡る「ネコ歩き」は叶わないけれど、今後も23区内のネコたちを撮り続けたいと思います。

    岩合光昭『ねこ歩き』(クレヴィス 2013)、シュー・ヤマモト『猫街道三拾三次 歌川猫重』(求龍堂 2013)、サム・ストール『歴史を変えた100匹の猫』(創土社 2008)、クロード・ロワ『おしゃべりねこ』(佑学社 1989)、大島弓子『キャットニップ』(小学館 2014)、タムシン・ピッケラル『世界で一番美しい猫の図鑑』(エクスナレッジ 2014)、『岩合光昭のネコ』(新潮社 2014)‥‥「FAVOR ITE ー BOOKS」欄で紹介する「ネコ本」率が増えて来た。「猫本シリーズ 7」として記事に纏めるつもりだが、なかなか10冊揃わない。「猫ジャケ」の方はクリアランスセールなどを漁って新たに10匹のネコちゃんを捕獲・保護したので、「ネコード 8」として近々記事になるでしょう。分厚い3巻本に圧倒された『ソロモンの偽証』(新潮社 2012)は記事にはならなかったけれど、文庫版(第III部 法廷 下巻)には20年後を描いた書き下ろし中編「負の方程式」が収録されているという。文庫本の第6巻だけを買うという選択肢もありでしょうか?

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    年間ベスト・シリーズの〈ウェンズデー 21(2013)〉は記事タイトルを決めるのに腐心した。Juana Molinaはアルバム・タイトルを「11月21日、水曜日」にレコーディングした無題曲に由来するという。タワレコ恒例の〈クリアランスセール 2014〉〈真夏のクリアランスセール 2014〉はセールで見つけるという偶然性や、どのアルバムを採り上げるかという取捨選択することも含めて愉しい。ファブ・フォーのオリジナル・アルバムは〈ハードな日の夜〉〈4人はアイドル〉〈あるがままに〉の3本を書き継いで、残り数枚となった。ゼップの最新リマスター・アルバムは〈鉛の飛行船〉〈鉛の飛行船 II〉で紹介したように5枚リイシューされたが、今後の成り行きが気に懸かる。《Physical Graffiti》(1975)の「デラックス・エディション」は一体どういう仕様になるのかとか、《Coda》(1982)までリイシューされるのかしらとか‥‥。

      The Wire 2014 Rewind's Top 10 Albums
    • Aphex Twin - Syro
    • Richard Dawson - Nothing Important
    • Swans - To Be Kind
    • Scott Walker + Sunn O))) - Soused
    • Actress - Ghettoville
    • Sleaford Mods - Divide And Exit
    • Shabazz Palaces - Lese Majesty
    • Run The Jewels - Run The Jewels 2
    • Kasai Allstars - Beware The Fetish
    • Fatima Al Qadiri - Asiatisch


      NME's Top 10 Albums Of 2014
    • St. Vincent - St. Vincent
    • Mac DeMarco - Salad Days
    • The War On Drugs - Lost In The Dream
    • Aphex Twin - Syro
    • Caribou - Our Love
    • La Roux - Trouble In Paradise
    • Merchandise - After The End
    • Jamie T - Carry On The Grudge
    • Sleaford Mods - Divide And Exit
    • Ex Hex - Rips



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    s k n y s - s y n k s

    s k n y s - s y n k s

    • Author: sknys
    • Articles: 547
    • Page View: 2,134,572
    • Date: 2014/12/21
    • Media: Internet


    なぜ、猫とつきあうのか

    なぜ、猫とつきあうのか

    • 著者:吉本 隆明
    • 出版社:河出書房新社
    • 発売日:1998/10/02
    • メディア:文庫
    • 目次:なぜおまえは猫が好きなんだ、というふうに言われたら、存外こっちのひとりよがりで… / 人間なんかになれているようなふりしているけど、絶対なれていないところがありますからね。/ 種族としての猫というのは、犬に比べたら、横に生活している気がするんです。/ 猫のほうはなにかやっぱり受け身のわからなさみたいなのがたくさんあってね。/ ...

    F A V O R I T E ー C A T S 9

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    Rin 2014
    I袋駅前公園は改装工事が行なわれて、駐輪場(I袋駅東自転車駐車場)が地上にも拡張された。地下駐輪場の出入口付近にいるリンちゃんは気が向くと膝の上に乗ったりするほど人馴れしている。でも駅に近く人通りが多い場所なので、時には緊張も強いられるのだろう。工事現場に置いてあるような「A型バリケード」(「自転車・バイク放置禁止」というサイン看板が付いている)の中に一時避難して、目の前を通る通行人や自転車を注意深...#313


    Moto 2014
    陽が暮れる頃になると、周辺の繁みや物陰に身を隠していたO無親水公園のネコたちも姿を現わす。世話係の女性が運んで来る「夜ゴハン」を待っているのだ。彼女と一緒に居合わせることが出来れば、ネコたちに逃げられる心配はない。食事を終えたネコたちと戯れていると、モトちゃんはゴロニャンして恍惚状態に陥った。好物のマタタビ(マリファナ?)でラリっちゃったようなトリップ状態?‥‥瞳孔が開いて焦点も定まらず、どこかへ...#311


    Marple 2014
    鋭い視線で遠くを見つめている三毛ネコのマープルさん。テリトリ内で何か異状が発生していないかどうか確認を怠らない。同僚のレイちゃんほど人懐っこくはないけれど、機嫌が良い時は柔らかい毛並みに触れても嫌がらない。しかし、虫の居所が悪い時は他人行儀で、馴れ馴れしい素振りは一切見せない。鉢植え花壇の陰に隠れて出て来なかったり、飼主宅のベランダ(2階)に昇ったまま降りて来なかったりする。調子に乗って腹部を撫でて...#310


    Psy 2014
    サイちゃんは活溌で好奇心旺盛な飼いネコ。綺麗な毛並みを撫でると気持ち良さそうにゴロニャンする。お腹に触れると指を舐めて手をガシガシと噛む。皮膚の薄い手の甲に歯を立てるので痛いし、噛み痕も赤く残るけれど、決して血は出ないという絶妙な力加減である(ネコの愛情表現?)。これが飼いネコではなく馴れたトラやライオンなどの大型ネコ科動物ならば、戯れているつもりでもムツゴロウ(畑正憲)さんのような大怪我になっ...#309


    Kuri 2014
    クリーニング屋さんの看板ネコと久々に対面した。飼主以外の人間にも物怖じしない大柄なネコ。青い目と灰色の顔はシャミー系の血筋を想わせる。名前を呼べば徐に近寄ってくるけれど、ベタベタ甘えたりしない大人のマナー。でも機嫌が悪いとネコパンチも繰り出す。敏捷な子ネコというわけではないのに、ちょっと目を離した隙に近所の家の塀の奥へ姿を消してしまう。直ぐに戻って来る時もあるし、待っていても一向に帰って来ない場合も...#308


    Emi 2014
    民家の玄関脇の「隠れ家」に身を潜めているエミちゃん。周辺の青空駐車場にネコの姿がない時は諦めずに鉢植えや室外機などで目隠しされている「隠れ家」を覗いてみると、ネコと目が合ったりする。ネコは見つかって少し驚いているけれど、「隠れ家」から逃げ出したりはしないので、遠慮気兼ねなく写真を撮れる。真正面から興味深そうに見つめて微動だにしない。兄弟姉妹だろうか、良く似た容姿の2匹のネコが仲良く蹲っていたり、微...#306


    Pal 2014
    うららかな春の日、暖かい陽が射す午後。日溜まりでパルが寝転がっている。気持ち好さそうな至福の一時、誰しもが心和む風景‥‥。ところが、ジメジメした梅雨の季節や蒸し暑い真夏になると辺りの景色は一変する。遊歩道の植え込みに大量発生する薮蚊は通行人だけでなく、ネコたちにとっても大敵である。長い毛並みで守られているロンちゃんは平気らしいけれど、パルの夏は悲惨である。毛の生えていない耳や鼻を薮蚊に狙われる。...#305


    Ron 2014
    陽が落ちて暗くなると、ネコの瞳は丸く大きくなる。昼間は眠たげなネコの目も爛々と光り輝いて、夜行性小動物の本領を発揮する。長毛種のロンちゃんは猫語で呼べば擦り寄って来て挨拶するけれど、お互いにスキンシップを深めると勝手に走り去ってしまう。鉄柵に隔てられた敷地の向こう側やマンションの中庭へ姿を消してしまうが、暫くすると思い出したように帰って来る。もしかしたら、一緒に遊ぼうよと誘っているのかもしれないと...#304


    Munch 2014
    ミラーレス一眼の標準ズームで、ここまで寄れる。少しでも近づくと逃げ出してしまう用心深いネコはもちろん、逆にスリスリ擦り寄って来る人懐っこいネコも撮り難い。ムンクちゃんは気紛れネコ。近づくと思えば遠ざかり、躰を撫でようとするとニャーと鳴いて嫌がる。スレンダーな容姿で、始めて会った時はネコではない何か別のものの化身のように見えた。この世のものとは思えない謎めいた存在。音楽評論家のグリール・マーカスが「美...#302


    Son 2014
    高貴な王子さまを想わせるソン君‥‥もし若者ならば絶世の美男子だったかもしれない。ネコにしては面長の風貌は内田善美の作品に登場する美形キャラのような耽美的で妖しい雰囲気も湛えている。詩人ウィリアム・ブレイクは「夜の森で虎が燃えて輝いている」と詠ったが、街中のネコも煌めいている。動物は水鏡に映った自分自身に恋したナルキッソスみたいに自分の可愛さや美しさを自覚していないので、自意識過剰な美少女や美少年より...#300

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    岩合光昭のネコ

    岩合光昭のネコ

    • 著者:岩合 光昭
    • 出版社:新潮社
    • 発売日:2014/05/28
    • メディア:文庫
    • 目次:北海道・東北 / 関東・中部 / 近畿・北陸 / 中国・四国 / 九州・沖縄 / あとがき / 文庫版あとがき / 取材地一覧

    ヒツジも失費(回文かるた 2 0 1 5)

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     あ 後ずさり‥‥槍刺すドア あとずさりやりさすどあ
     い 遺産 散財 いさんさんざい
     う 動けず 明日下校 うごけずあすげこう
     え 絵師また「だまし絵」 えしまただましえ
     お お使い 鯛 カツオ おつかいたいかつお
     か 掻き毟る 苦しむ飢餓 かきむしるくるしむきが
     き 刻み 紙裂き きざみかみさき
     く 口惜しい媒酌 くやしいばいしゃく
     け 齧歯目も躾け げっしもくもしつけ
     こ 豪雨・風雨後 ごううふううご
     さ 3度も頓挫 さんどもとんざ
     し 心霊痙攣死 しんれいけいれんし
     す スマホ阿呆増す すまほあほます
     せ 急かし足枷 せかしあしかせ
     そ 染まりロリ・マゾ そまりろりまぞ
     た 高跳び 首と肩 たかとびくびとかた
     ち 血糊 狩りの血 ちのりかりのち
     つ 罪人と秘密 つみびととひみつ
     て デビュー、指で でびゅーゆびで
     と 飛び込む小人 とびこむこびと
     な 泣き老い翁 / 亡き甥 起きな! なきおいおきな
     に 煮凝り 午後に にこごりごごに
     ぬ 主も師も死ぬ ぬしもしもしぬ
     ね 熱気球 雪キツネ ねつききゅうゆききつね
     の ノラ増え 富良野 のらふえふらの
     は ハムカツ 噛む歯 はむかつかむは
     ひ 光る黴 ひかるかび
     ふ フラフープ裸婦 ふらふーぷらふ
     へ 反吐撒く窓辺 へどまくまどべ
     ほ 報告聴く候補 ほうこくきくこうほ
     ま マイ・アルバム 貼る合間 まいあるばむはるあいま
     み 三つ葉の葉摘み みつばのはつみ
     む 毟る草 苦しむ むしるくさくるしむ
     め 名画祭は「諍い女」 めいがさいはいさかいめ
     も もやし 鮭やシシャモ もやししゃけやししゃも
     や「闇の土鬼」‥‥敵と飲み屋 やみのどきてきとのみや
     い イクラ 鮹 鱈‥‥食い いくらたこたらくい
     ゆ 湯船・尾根・冬 ゆぶねおねふゆ
     え 絵塗り 鵺 えぬりぬえ
     よ 4時間半 家事よ! よじかんはんかじよ
     ら ラテン禅寺 らてんぜんでら
     り 力んだ 七段斬り りきんだななだんぎり
     る 留守電 メンテする るすでんめんてする
     れ「玲奈ぴょん」‥‥呼び慣れ れなぴょんよびなれ
     ろ ロフト外風呂 ろふとそとぶろ
     わ 山葵沢 わさびざわ
     ゐ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
     う 乳母も子も這う うばもこもはう
     ゑ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
     を ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 
     ん ん?‥‥金貨を換金 んきんかをかんきん

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    • 回文かるたはフィクションです。一部で実名も登場しますが、該当者を故意に誹謗・中傷するものではありません。純粋な「言葉遊び」として愉しんで下さい

    • 9周年記念新春恒例企画「回文かるた 2015」です。タイトルを含めて全50作。回文にコメントは付けないので、読者各自で想像力を脹らませてね

    • 「兄貴はギニア」「鬱苦痛」「火葬は嘘か」「飢餓もがき」「臨界点安定管理」など、検索でヒットした回文は容赦なく外しました^^;

    • 絵札の「羊が福袋を持っているイラスト・干支」「いらすとや」から拝借しました
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    つじもしっぴひつじもしっぴ

    ヒツジも失費(回文かるた 2015)

    • Author: sknys
    • Provider: So-net
    • Date: 2015/01/01
    • Media: Palind-carta
    • Palta: 後ずさり‥‥槍刺すドア / 遺産 散財 / 動けず 明日下校 / 絵師また「だまし絵」/ お使い 鯛 カツオ / 掻き毟る 苦しむ飢餓/ 刻み 紙裂き / 口惜しい媒酌 / 齧歯目も躾け / 豪雨・風雨後 / 3度も頓挫 / 心霊痙攣死 / スマホ阿呆増す / 急かし足枷 / 染まりロリ・マゾ / 高跳び 首と肩 / 血糊 狩りの血 / 罪人と秘密 / デビュー、指で / 飛び...

    完璧なる子ネコちゃん(2 0 1 4)

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  • ◎ THE SOUL OF ALL NATURAL THINGS*(Asthmatic Kitty)Linda Perhacs
  • Linda Perhacsは米カリフォルニア出身のアシッド・フォークSSW。《Parallelograms》(Kapp 1970)以来、実に44年振りの2ndアルバムがSufjan Stevensの主宰するレーベルからリリースされた。Chris Price、Fernando Perdomoとの共同プロデュースで、Julia Holter、Ramona Gonzalez(Nite Jewel)などがゲスト参加している。BjorkやMilton Nascimento(復帰を後押ししたDevendra Banhartから教えてもらった)にインスパイアされたという2ndアルバムはタイトル曲が途中からタンゴ調に変化するなど驚異的!‥‥女性監督ジェシカ・ハンドリー(Jessica Hundley)が撮ったPVは〈Prisms Of Glass〉というタイトルの通り、プリズムが光り輝く幻想的な室内でLinda Perhacsが歌い、3人の女性ダンサーが踊る。彼女を真ん中に、Julia HolterとNite Jewelが左右横に並ぶ3ショットは感慨深い。Linda Perhacsと2人の年齢差は親子どころか、祖母と孫娘くらい離れているのではないかしら?

  • ◎ SAY YES TO LOVE(Captured Tracks)Perfect Pussy
  • NYシラキュースで結成されたノイズ・ロック、ハードコア・パンク・バンドのデビュー・アルバム。紅一点のMeredith Graves(ヴォーカル)、Ray McAndrew(ギター)、Garrett Koloski(ドラムス)、Greg Ambler(ベース)、Shaun Sutkus(キーボード)という5人組。全8曲、23分というパンクならではの潔さ。ボーナス・ライヴ・トラック(フリー・ダウンロード)の4曲を加えても32分に満たない。騒乱暴走した果てに、立ち止まってノイズの渦を撒き散らす。バンド名の頭文字(PP)をデザインした紋章らしきものが描かれているスリップ・ケースを引き抜くと、「ホワイト・アルバム」みたいに真っ白なプラケースが現われる仕掛け。「pussy」には性的な意味もあるけれど、このブログではガミッチ君のような「完璧なる子ネコちゃん」ということにしておこう(未成年者は「Perfect Pussy」で画像検索しないようにね)。

  • ◎ UNITY*(Healing Records)Hassan Hakmoun
  • モロッコのグナワ・ミュージックを世界に広めた革新者、Hassan Hakmounの12年振りのスタジオ・アルバム。Hassan Hakmounのヴォーカルと3弦ベース(sintir)、鉄製カスタネット(karkaba)にギター、ドラムス、パーカッション、フルート、キーボード‥‥という編成で強烈にファンク・ロックする。ジミヘンやパーシー(Robert Plant)の名前を挙げるまでもなく、昔からグナワとロックは音楽的に相性が良い。〈Balili〉〈Ohio〉のリミックス2曲を含む全12曲(70分)を収録。見開きスリップ・ケースの自主制作盤だが、内容的にも申し分ない。《Trance》(Real World 1993)に収録されていた〈Soutinbi〉もセルフ・カヴァしている。渋谷のエル・スール(EL SUR RECORDS)で購入した輸入盤の謝辞欄にはピーガブ(Peter Gabriel)爺などと並んで、店主・原田(Takashi Harada)さんの名前も載っているのだ。

  • ◎ TO BE KIND*(Young God / Mute)Swans
  • 2010年に大復活したMichael Gira率いるNY6人衆の13thアルバム。インディ・レーベルからのリリースだが、北米以外では新契約したミュート・レコーズから配給された。凶悪顔の男たちにLittle Annie、St. Vincent、Cold Specks(Al Spx)、Jennifer Churchなどの女性ゲストが華を添える。Sonic Youthと共にNYアンダーグラウンド・シーンを牽引した異端児は13年間の活動停止を経て今やUSオルタナティヴ・ロックの王道となった。全10曲、2時間超の大作(2CD)には曲単位で購入するデジタル・ダウンロードを嘲笑うかのように、10分以上の長尺曲を5曲(〈Bring The Sun / Toussaint L'Ouverture〉は34分)収録。子供たちの顔がプリントされた4面デジパック仕様の「2CD+DVD Edition」にはスペイン・バルセロナで毎年開催されている野外フェスティバル「Primavera Sound」(2013)のライヴ・パフォーマンス映像(DVD 111分)も同梱されている。

  • ◎ ALEXANDRE(Slap)Mombojo
  • ブラジル北東部ペルナンブーコで結成された5人組の5thアルバム。マンギ・ビートの猥雑さとエレクトロ・ポップの実験性が入り混じったサウンドでブラジル新世代を切り拓く。人体模型の頭部と録音機材がコラージュされたアルバム・カヴァが象徴しているように、ポリリズム、ノイズ、アナログ・シンセなどが実験室の中で攪乱された浮游感はStereolabを想わせなくもない。Yuri Queirogaのノイズ・ギターが炸裂するレゲエ調の〈Me Encantei Por Rosario〉。本家Laetitia Sadier(Stereolab)が参戦して英語詞パートを歌う〈Summer Long〉。ピンポンの球音をサンプリングした〈Ping Pong Beat〉。ゲスト・ヴォーカルのCeuがFelipe S.とデュエットした〈Diz O Leao〉。Dengue(Nacao Zumbi)がベースを弾くエクスペリメンタルな〈Cuidado, Perigo!〉。Mundo Livre S/A風のエレクトロ・マンギ・ビートで駆け抜ける〈Pro Sol〉。CDにはカヴァ・スリーヴとは別に小型の歌詞ブックレット(8頁)が付いている。

  • ◎ ULTRAVIOLENCE*(Polydor / Interscope)Lana Del Rey
  • Lana Del Rey(Lizzy Grant)はNY生まれの女性SSW。「ギャングスタ版ナンシー・シナトラ」(gangsta Nancy Sinatra)を自称し、「ハリウッド・サッドコア」(Hollywood sadcore)とも呼ばれる音楽スタイルは往年の映画女優のような気怠い頽廃感に覆われている。Dan Auerbach(The Black Keys)が大半をプロデュースした3rdアルバムは60年代のヒット曲〈And I Love Her〉〈Romeo And Juliet〉を彷彿させるノスタルジックなサウンド。モノクロのアルバム・カヴァ‥‥メルセデス・ベンツのドアを開けてパワーウィンドウに手を置く彼女(薄手の白いTシャツから肩紐のないブラジャーが透けて見える)のポートレイトも憂いを帯びている。Vanessa Paradisのようなロリータ・ヴォイスで〈Brooklyn Baby〉を歌い、〈Fuck My Way Up To The Top〉という身も蓋もないタイトルを付けるLana Del Reyには奥深い凄みのようなものまで感じられる。全11曲、51分。ボーナス・トラック3曲を追加収録した紙ジャケ仕様の「Deluxe Edition」もあります。

  • ◎ CHANT DE RECRUTEMENT(Le Saule)Antoine Loyer
  • アルバム・カヴァには不自然なフォルムで頭部に掌を置いた女性の肖像画(だまし絵?)が描かれているけれど、Antoine Loyerはベルギー仏語圏の男性SSWである。生ギター弾き語りの〈Caffer Caffer〉で始まり、次の〈Chant De Recrutement〉のカッワリー風ヴォイスに度肝を突かれる(歌っているのはAnwar Khanというインド・ラジャスタン地方のジプシー・ミュージシャン)。アクースティック・ギター、タブラ、ハーモニウム、ピアノ、ヴァイオリン、フルート、タンバリン、コントラバス、カリンバ、ベンディル(bendir)、バラフォン(balafon)、ベル(cloches)などに女性ヴォイスを配したサウンドはエキゾティックでソフィスティケートされている。南アジアのスーフィー音楽と西欧フォークとのシュールな邂逅。この奇妙で不思議な融合は「アンプラグド・フォークトロニカ」と呼びたくなる。「Bandcamp」で全曲試聴可能ですが、「EL Sur」にリクエストして購入しました。

  • ◎ MESHES OF VOICE(Susannasonata)Jenny Hval & Susanna
  • 2009年3月8日、ノルウェー・オスロのヘニー・オンスタッド・アーツ・センター(Henie-Onstad Art Centre)で行なわれたライヴ・パフォーマンス。ノルウェー人のイェニー・ヴァル(Jenny Hval)とスサンナ(Susanna Wallumroed)《Innocence Is Kinky》(Rune Grammofon 2013)で注目されたSSW(小説家)とシンガーのコラボレーションである。女性2人によるヴォイス、ノイズ、ピアノ、ギター、オートハープ、ハーモニウム、サンプラー、エフェクトにドラムス、ベースなどを加えた編成で、亜空間を漂流する悪夢のようにノイジーで妖美なサウンドを創出する。〈Black Lake〉〈O Sun O Medusa〉〈I Have A Darkness〉〈House Of Bones〉‥‥という曲名からも彼女たちの世界観が垣間見えるだろう。アルバム・タイトルの通り、2人のヴォイスは網の目のように互いに絡み合いながら、未知のノイズ空間を織り成す。暗黒空間を飛翔する羽毛のない翡翠のように。

  • ◎ RUINS(Kranky)Grouper
  • 法人類学者のテンペランス・ブレナンは「グルーピーよりもグルーパーの方が良いじゃないの」と発言していたが、諧謔的に自らGrouper(ハタ科の海水魚)と名乗るLiz Harrisのソロ・プロジェクトも良い感じ。2011年、彼女がポルトガル・アルジェズール滞在中にレコーディングしたというアルバムはオープニング曲の〈Made Of Metal〉とラストの〈Made Of Air〉(この曲だけは2014年に米ペタルーナの母の実家で録音されている)が呼応する構成になっている。今までのシューゲイズ〜アンビエント風のギター・サウンドではなく、ピアノによる弾き語りはプライヴェートでありながら、遠い昔のノスタルジーや深い森のメランコリーに包まれている。気怠い白日夢のようなドローンも健在で、野鳥の鳴き声や雷鳴などの自然音や環境音の含まれた音像世界は色の滲んだ印象派の絵画を想わせる。個人的な体験から生じた音楽なのに、数多くのリスナーの胸の奥に沁み入る普遍性を有する。

  • ◎ LA ISLA BONITA*(Polyvinyl)Deerhoof
  • 2014年に結成20周年を迎えた「鹿蹄」の12thアルバムは初めて外部のプロデューサ(Nick Sylvester)を起用。「女性を応援したい」というアルバム・コンセプトに即したチアリーディング曲の〈Paradise Girls〉、Ramonesのライヴ・カヴァ曲〈Pinhead〉を元にして作ったという〈Exit Only〉、拡声器で増幅されたヴォイスが反対の声を挙げる〈Big House Waltz〉、第44代米大統領の名前をモジった〈Oh Bummer〉‥‥全10曲(32分弱)の中にノイジーで愛らしいアヴァンポップのエッセンスが凝縮されている。アルバム・タイトルはスペイン語で「美しい島」という意味(Madonnaに同名のヒット曲がある)。美しいだけでなく危険でもあるというメッセージもCD盤にプリントされている煙を出して炎上する島から読み取れる。「美しい国」を標榜する某島国の総理大臣はディアフーフの音楽を1度でも聴いたことがあるのでしょうか。

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    Irene Bertachini、Sky Ferreira、St. Vincent、Angel Olsen、Neneh Cherry、Rodrigo Amarante、Cloud Nothings、Hundred Waters、Fennesz、Tune-Yards、Sharon Van Etten、Carol Naine、A Sunny Day In Glasgow、Alvvays、Ty Segall、Iceage、Andy Stott、FKA Twigs、Arca、Pharmakon‥‥なども印象に残った(Neil YoungやPato Fuなど未聴アルバムも数枚ある)。2014年はメジャー、インディーズを問わず、女性SSWの活躍が目立った。ストリーミングやダウンロードの普及でCDの売り上げは減少傾向にあるものの、その一方でアナログ・レコードやカセット・テープが見直された。FKA TwigsやArcaのアルバムは2014年の最先端サウンドだと思うけれど、まだリスナーの意識が追い着いていないような気もする。音楽の未来に想いを馳せる年の瀬(Xmas)に一撃を食らわしたのは33年振りに突如リリースされたFunkadelicのニュー・アルバム《First Ya Gotta Shake The Gate》(The C Kunspyruhzy)だった。3CD、全33曲、3時間半の大盤振る舞い!

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    Say Yes To Love

    Say Yes To Love

    • Artist: Perfect Pussy
    • Label: Captured Tracks Rec.
    • Date: 2014/03/18
    • Media: Audio CD
    • Songs: Driver / Bells / Big Stars / Work / Interference Fits / Dig / Advanced Upon The Real / VII


    Soul Of All Natural ThingsUnityAlexandre




    To Be KindUltraviolence-Ltd/Deluxe-Chant De Recrutement




    Meshes Of VoiceRuinsLa Isla Bonita

    S K N Y S ー S C R A P S 2 0 1 5

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  • S K N Y S ー S C R A P S 2 0 1 51413121110090807

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    ネコ・ログ #36

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  • 真っ白な月が中天に輝く8年前の夏の深夜、隣の墓地で真っ白な子猫を拾いました。それがすべての始まりでした。/ 子猫は「馬尾神経症候群」という障害を持っていました。尻尾の付け根の脊髄を損傷していたのです。先天性の障害ではなく、何らかの事故によるものと思われます。運動にはほとんど問題は無いのですが、排泄のコントロールができないのです。ちょこまか動き回るのに、おしっこ・ウンコタレ流し!/ 当時父親は、「いや〜‥‥オレも尿モレだから、捨てろとは言えないなぁ」と言いましたが、とにかくキレイ好きの母親は、「どうするつもりなのよ! 飼う気なの? この子に罪はないけど、私はニオイがダメなのよ。飼うなら私が出てくから!」と、常套手段を繰り出しました。うちの母親は、いわゆる "支配する母" です。これが始まったら、私はおろか父ですら屈服せざるを得ません。この "手段" の前に、私は幾度人生の重要な局面で、がっくりとひざをつき、くずれおれてきたことでしょう。しかしこの時、何か未知の力に押されるように、「イヤ! お母さんは出ていかなくていい。私がこのコを連れて出ていくから」という言葉が口を衝いて出たのです。
    ハルノ 宵子 「それでも猫は出かけていく」


  • #316│レイ│飼い猫 ── 縞ネコ戦線異状なし
    室内飼いのネコは兎も角、放し飼いのネコやノラにとって自分たちのテリトリー内を巡回するパトロールは毎日欠かせない日課である。雨の日も雪の日も、暑い日も寒い日もネコは外へ出かけていく。飼いネコのレイちゃんも玄関前で周囲を見渡し、異常がないかどうかの確認作業を怠らない。青空駐車場だった右隣には新築マンションが建って、視界は悪くなってしまったけれど、狭い車道を挟んだ向こうには新たな駐車場も出来た。周辺の環境が変化してもネコは何事もなかったように適応して、敷地ギリギリに建った新マンションとの隙間の奥(キャットウォーク)に消えて行く。気楽に寛げる隣の空地はなくなってしまったが、クルマが出入りしないだけでもネコの安全性は増したのかもしれない。今まで親しげに纏わりついていたレイちゃんの姿が消え、暫くすると意外な場所から顔を出して再び戻って来る。やっぱり、パトロール中ということなのだろうか。

    #317│レナ│ノラ猫 ── フラッシュは使わないで
    ネコ撮り用のカメラをミラーレス一眼(NEX-5N)に替えてから、フラッシュを使用することは一切なくなった。デジカメ本体の感度が高い(キット・レンズは暗い)ということもあるけれど、フラッシュ撮影がネコたちに良くないという理由も少なからずある。暗闇でAF補助光を使わなくても、オート・フォーカス(AF)からダイレクト・マニュアル・フォーカス(DMF)に切り替えて手動でピントを微調整すれば周囲が暗くても鮮明な写真が撮れる(撮影中にネコが動かず、手ブレしないことが絶対条件)。その場所が安全だと思っていて、木陰や物陰に隠れているネコの多くは近寄っても直ぐには逃げ出したりはしない。レナちゃんも逃げずに注意深く対象(カメラと撮影者)を見つめていたので、フラッシュなしでもボケない写真が撮れた。オリジナル画像は暗いけれど、iPhotoで自動補正すると見違えほど鮮明な画像になる(ユミやトロの写真もノン・フラッシュ撮影→自動補正しています)。

    #318│ゼップ│ノラ猫 ── おっとり癒し系ですか?
    確かブロック塀の上にいるところを撮ったのだと思う。大柄のデブ猫は動作も緩慢で、近づいても逃げ出したりはしなかった。被写体としては理想的なネコである。子ネコのような可愛らしさはないけれど、心和む癒し系?‥‥一般に忙しなく動き回るネコは撮り難く、大人しく静止しているネコは撮り易い。しかし前者の方が活溌で魅力的に感じられるジレンマに悩まされて来た。撮り難いネコの写真の方が激ムズのゲームを攻略した時のような達成感が湧くのだ。人間の場合は地味な年寄りよりも派手な若い子の方に惹かれてしまうが、誰の目から見ても可愛いと思う子ネコを除き、ネコの年齢は見た目では分かり難い。人間の女性のように化粧をしたり最新のファッションを身に纏ったりもしない。老齢でも美しいネコは存在する(老人や老婆が醜いという意味ではない)。暫くするとゼップさんは塀の中(民家の敷地内)に姿を消してしまった。

    #319│イツキ│飼い猫 ── 初対面なのに友好的です
    スズちゃんの飼主からの情報‥‥「近所に良く似た飼いネコがいる。無愛想で可愛げのないウチの子とは対照的に、人懐っこくて大人しい」。スズは長年一緒に暮らしている飼主に対しても素っ気ない態度を貫いているらしい。家の中に姿を消してしまったスズのことは潔く諦めて、女飼主に「良く似たネコ」のいる場所を訊く。図書館裏手の教えられた民家へ行くと、鉢植えの前に1匹のネコが鎮座していた。スズと同じようなサバトラ(シルヴァー・タビー)でマズル部分と胸の一部だけが白い。目の色は薄いエメラルド・グリーン。躰は小柄なスズちゃんよりも2回りほど大きく、恐らく年齢も年上だと思われる。生憎の小雨模様にも拘らず、しかも初対面なのに嫌がらずモデル(被写体)になってくれた。「ありがとう、サツキちゃん。良い天気の日に、また来るからね」

    #320│マシュロ│ノラ猫 ── チビ猫の好奇心
    I袋駅前公園に見慣れないネコが2匹いた。真っ白いネコと白黒ネコ。新しく産まれた子ネコなのかと思ったけれど、「うなぎ公園」内に棲息する殆どのネコたちは耳先カット(避妊済みのマーク)されている‥‥ということは捨てネコなのだろうか。子ネコたちの耳は当然カットされていない。真っ白い子ネコは線路沿いの細長い植え込みの陰から、公園内を往来する人々を興味深そうに見つめている。警戒心と好奇心が相半ばする子ネコのアンビヴァレントな感情が窺える。驚かさないように、ゆっくり近づいてカメラ・レンズを向ける。陽も落ちて周辺は暗くなっているので、手ブレしないようにカメラを固定して手動でピントを合せる。背後に張ってある緑色の防塵ネットが良い感じ。両耳が横に寝ているのは緊張している時のサイン。それでも子ネコの両目は外界への好奇心に溢れている。

    #321│ビー│ノラ猫 ── 黒ネコの眼差し
    黒ネコには特別な想いがある。外を歩いていても黒い影が視界を過ると、黒ネコではないかと思って立ち止まり、ネコの後ろ姿を目で追ってしまう。多くのネコは猫語で呼びかけても戻って来ないが、振り返って不審気に見つめるネコもいる。腰を落として「ネコちゃんおいで」とヘレン・ハンター(ガミッチの女飼主)のように声をかけてみる。O無親水公園にも大小2匹の黒ネコがいる。お互いに仲睦まじいので兄弟姉妹、あるいは親子関係なのかもしれない。置き石や丸木橋の上から、石畳の遊歩道を往来する人々‥‥通勤者や学生、主婦や子供たち、犬を連れた散歩者、自転車に乗った人などを日々観察している。近づいて黒い毛並みに触れようとすると、チビ黒は爪を立てたネコパンチを繰り出すけれど、親ネコの方は従順で人馴れしている。伏せの姿勢で鋭い視線を投げかける黒ネコ‥‥獲物(小鳥)を狙っているのかしら?

    #322│マウ│ノラ猫 ── いつも色っぽいね
    O無親水公園のマウちゃんは色っぽい表情でネコ・ウォッチャーたちを魅了する。強面顔や笑い顔、ビックリ顔の人のように、たまたま妖艶な風貌に見えるだけでネコ自身が意識的にセクシーに振る舞っているわけではないし、ある種の女性のように媚び諂って科を作っているわけでもない。いつもは間合いを詰めようとして接近すると、踵を返して遠ざかってしまうのだが、今日は珍しく逃げ去らない。運良くネコおばさんが夕食を運んで来た時に居合わせれば、ネコたちもリラックスしているので、もっと親交を暖められるかもしれない。マウちゃんがフェミニンでエレガントに見えるのは、カプチーノやカフェオレっぽい毛並みの色合いによるところも大きいのではないかと思う。カップに注いだコーヒーの表面に泡立てたミルクで可愛い絵を描く「ラテ・アート」のように愛好者の心を和ませている。

    #323│トロ│ノラ猫 ── 白黒チビも興味津々
    I袋駅前公園のトロもマシュロと同じ捨てネコならば、2匹は兄弟姉妹の可能性が高い。先住ネコのシコちゃんと良く似た白黒ツートン・カラー。伊賀の影丸やバットマンみたいな黒い覆面で顔を隠したようなハチ割れの子ネコである。その表情からはマシュロと同じように相反する警戒心と好奇心が見て取れる。中央公園のネコたちを世話していたというヴォランティアの中年女性は「うなぎ公園」に1匹のネコを放したと語る。彼女も2匹の新入りネコたちの存在を知らなかったというのだから、恐らくトロもマシュロも捨てネコなのだろう。公園を後にして某家電量販店のカメラ売場でネコ写真をプリント注文していると、別れたばかりのヴォランティア女性と再び出合った。飼いネコの写真を加工して年賀状を作成する気らしい。今回初めて目にしたのだが、プリクラのようにカラフルで可愛いデザイン・プレートが何種類もあって、お気に入りの写真に誰でも簡単にデコレーション出来るのだった。

    #324│クー│飼い猫 ── 魅惑のゴロニャン II
    茶トラ模様の美しい毛並み、南海のプライヴェート・ビーチのように青く澄み切ったターコイズ・ブルーの目の色‥‥クーちゃんは人懐っこくて可愛い。いつも対面した時は少し驚いて後退りするけれど、名前を呼んで手招きすれば直ぐに近寄って来て足許に纏わりつく。腰を屈めて躰を撫でると、横たわってゴロニャン状態になる。何度も寝返りを打って魅惑の表情を見せる。お腹に触れると前肢や後脚で果敢に戯れつく。撫でていた指に爪が刺さって抜けなくなってしまった時にはクーちゃんも当惑の表情を浮かべていましたね。光量不足の時には塀の上に乗せて撮ったこともありました。逆光で暗い写真になってしまったけれど、嫌がらずにモデルになってくれました。容姿も性格も良い理想的なネコではないでしょうか。最近見かけないのが少し気懸かりです。

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    各記事のトップを飾ってくれたネコちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第36集です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下のナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプ、ネコ・タイトルをクリックするとトップに戻ります。ノラ猫や地域猫、飼い猫を差別しない方針で、これまでに延べ300匹以上のネコちゃんを紹介して来ましたが、こんなにも多くのネコたちが棲息していることに驚かされます。第36集の常連ネコはレイとクーちゃん。ユミとトロの新入りも可愛い。『それでも猫は出かけていく』(幻冬舎 2014)は少女マンガ家・ハルノ宵子(吉本隆明の長女)のよる実録「シロミ介護日誌」。著者は8年前の夏の深夜、隣の墓地に捨てられていた真っ白い子ネコを拾った。「馬尾神経症候群」という障碍を持つネコと家ネコ、ノラ猫たちの8年間のドキュメントは「吉本家最後の8年間の記録」でもある。可愛いネコ・イラストも満載されているけれど、ネコ・エッセイであるところが大島弓子のエッセイ・コミックとは異なっている。少女マンガ家のネコ・エッセイと見下して舐めてかかると足許を掬われます。

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    • 記事タイトルの右に一覧リストのリンク・ボタン(黒猫アイコン)を付けました^^

    • オリジナル写真の縦横比は2:3ですが、サムネイルは3:4にリサイズしています
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    それでも猫は出かけていく

    それでも猫は出かけていく

    • 著者:ハルノ 宵子
    • 出版社:幻冬舎
    • 発売日::2014/05/09
    • メディア:単行本
    • 目次:白猫の呪い / さらなる試練 / 野戦病院 / 獣医師の力量 / それでもネコは出かけてく / モレるんです / 欲の深い人間 / 集会に出る / 薬・くすり / 予想外です!/ 明日は明日の / 超ヘン猫 / うちのコに限って / 大惨事 / 最後の女王 / 愛がなくちゃね / 想定外の入居者 / 身代わり / 北斎かっ / 猫の耳 / クロイヤツ / トホホ・クイーン / 怖くない死体 / マザー...

    S K N Y S ー L O G 2 0 1 5

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    S K N Y N X 2 0 1 52 0 1 2 ー 1 42 0 0 9 ー 1 12 0 0 5 ー 0 8
    549ヒツジも失費(回文かるた 2015)palindrome01/01/15
    550完璧なる子ネコちゃん(2014)rewind01/11
    551SKNYS ー SCRAPS 2015scraps01/16
    552ネコ・ログ #36catalog01/21
    553SKNYS ー LOG(2015)INDEX01/26
    554クリアランス・セール 2015music??/??
    555石ノ森シリーズ #19comic??/??
    556ラファエル前派姉妹団art??/??
    557スーパースターの悲劇music??/??
    558リサイクリング・ブキbooks??/??

    クリアランスセール 2 0 1 5

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  • ◎ Daughter Of The Spring(Le Chant Du Monde 2011)Mor Karbasi
  • 髪に花を飾ったタレ目女性のカヴァ・ポートレイトが人目を惹く(通常価格でも思わずジャケ買いしたくなるほどチャーミングなのだ!)‥‥モル・カルバシ(Mor Karbasi)嬢はロンドンを拠点に活動するエルサレム生まれのSSW。2ndアルバムでは両親や家族、恋愛などをテーマにしたオリジナルや彼女のルーツに根ざした伝承歌(セファルディ・トラディショナル)を歌う。3拍子のアルバム・タイトル曲〈La Hija De La Primavera〉、溌溂とした6拍子の〈Un Beso De Vida〉、ピアノ・バラードの〈Yasmin〉、手拍子(palmas)だけのアカペラ・トラディショナル〈Asentado En Mi Ventana〉。ギター、ピアノ、ダブル・ベース、パーカッション、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、クラリネット、ダラブッカなど、フラメンコ〜アラビックなアクースティック・サウンドに乗った彼女のヴォーカルに魅了される。解説、歌詞、英語訳詞付きのブックレット(20頁)には妖艶なカラー・ポートレイトも収録。

  • ◎ Maldigo(Sony 2013)Liliana Herrero
  • アルゼンチンのコンテンポラリー・フォルクローレを代表する女性歌手Liliana Herreroのニュー・アルバム。Atahualpa Yupanqui、Violeta Parra、Dorival Caymmi、Miguel Abuelo、Juan Falu、Fernando Cabreraなどの楽曲を再構築する。Ariel Naon(コントラバス、ベース)、Mario Gusso(ドラムス、パーカッション)、Martin Pantyrer(サックス、、クラリネット、クラロン)、Pedro Rossi(ギター)に共同プロデュースのLisandro Aristimuno(ギター)などが参加した強靭なサウンド・プロダクトはフォルクローレに留まらず、ロックやジャズ、アルゼンチン音響派に通じるものがある(〈La Diablera〉はプログレみたい)。1度聴いたら一生忘れられないエモーショナルで凄みのあるLiliana Herreroのヴォーカルに圧倒されます。紫色の衣裳を身に纏って罅割れた壁に向かっているアルバム・カヴァのLiliana Herrero‥‥彼女は罵りの言葉を吐いているのだろうか。

  • ◎ Unas Horas(Acoua 2013)Lucio Mantel + Cuarteto De Cuerdas
  • Lucio Mantelの3rdアルバムは過去2枚のアルバムから9曲をセルフ・カヴァ。弦楽四重奏(Cuarteto de Cuerdas)との共演で新録している。内訳は1st《Nictografo》(2008)から5曲、2nd《Miniatura》(2011)から4曲。嬉しいことに自作のカヴァだけでなく、Spinetta(Almendra)の〈Para Ir〉やBjorkの〈Joga〉も収録されている。レコーディング風景をモノクロで撮影した〈Bailar Con Tu Sombra〉のPVと呼応するようにアルバムのアートワークも白黒で統一。Lucio Mantelのギター弾き語りに弦楽四重奏が入って来る時、その麗しさに心が打ち震える〈Bailar Con Tu Sombra〉。Tomi Lebreroがバンドネオンとヴォーカルで参加した〈Polka Mar〉。ウルグアイのSSW、Fernando CabreraとデュエットしたEduardo Mateoのカヴァ〈El Boliche〉。Lucio Mantelのロマンティックでメランコリックな中性的ヴォイスは優雅で暗鬱なストリングスと混じり合って、退廃的な美を生み出す。弦楽四重奏で流した涙は〈Joga〉のギター弾き語りで再び零れるのだった。

  • ◎ Heavy Trash(Yep Rec 2005)Heavy Trash
  • Heavy TrashはJon Spencer(Pussy Galore、Jon Spencer Blues Explosion)とMatt Verta-Ray(Madder Rose、Speedball Baby)によるネオ・ロカビリー・バンド。ライヴ・パフォーマンスの編成は分からないが、デビュー・アルバムは2人でベース、ギター、ドラムス、オルガン、バリトン・ギター、ヴォーカル、シンセを担当。曲ごとにバック・ヴォーカルやコーラス、オルガン、ベース、パーカッション、ドラムス、ペダル・スチール・ギター、ウーリッツァー・ピアノ、ハーモニカなど多彩なゲスト・ミュージシャン(20人)を迎えている。ロックンロール、ロカビリー、ブルーズ、カウパンク、ガレージ・パンクを演奏しても、Jon Spencerの過剰な熱量はJSBXと何ら変わるところがない。アメコミ作家ポール・ポープ(Paul Pope)のアートワーク(右頬に蠅が止まっている少女のポスターやメンバー2人の似顔絵)もポップで洒落ている。

  • ◎ Interstellar(Slumberland 2012)Frankie Rose
  • Frankie RoseはVivian Girls、Cristal Stilts、Dum Dum GirlsのメンバーだったこともあるNYブルックリン在住の女性ミュージシャン。ソロ・アルバムはバンド時代のローファイ・インディ・ロックではなく、ネオアコやドリーム・ポップ風のサウンドになっている。静謐なシンセ・バラードから激しいドラム・ビートへ転じる〈Interstellar〉、シンセとギター・サウンドの組み合わせがThe Cureを想わせる〈Know Me〉や〈Night Swim〉、Cocteau Twins風シンセポップの〈Pair Of Wings〉や〈Apples For The Sun〉。耽美的なゴシック・サウンドとネオアコ風の溌溂としたギターの混じり合い。彼女のヴォイスやコーラスは幾重にも重ねられ、エフェクトが加えられて天使の歌声のように可愛らしく響く。Pitchfork Mediaの「BEST NEW MUSIC」にも選出された。

  • ◎ Revolution Now(Easy Action 2013)Captain Sensible
  • Captain Sensible(The Damned)の3rdアルバム(Deltic 1989)。オリジナルはアナログ2枚組だったが、見開き紙ジャケ仕様のリイシュー盤はCD1枚(76分15秒)に収まっている。全15曲中、5曲をMartin Newellと共作していることからも想像がつくように、ブリティッシュ・ポップ色が濃い。ロック、パンク、エレクトロ・ポップ、テクノ、プログレ、エクスペリメンタルなど、幕の内弁当みたいに多様多彩な音楽が詰まっている。アルバム・タイトルの〈Revolution Now〉はロカビリー風のテクノ・ポップ。The Equalsのカヴァ〈I Get So Excited〉には作曲者のEddy Grant(ギター)がゲスト出演。〈Vosene〉を共作したCaptain Stupid(ヴォーカル)はRobyn Hitchcock、Martin Newell(バック・ヴォーカル)も参加した〈The Kamikaze Millionaire〉でハーモニカを吹いているHowlin' WilfはAndy Partridgeの変名だという。Henry Badowski(ヴォーカル)と共作した15分の長尺曲〈The Coward Of Treason Cove〉はアルバムの掉尾を飾るのに相応しい大団円です。

  • ◎ Higher!(Epic / Legacy 2013)Sly & The Family Stone
  • 《Higher! Box Set》(4CD、全77曲・未発表17曲)のダイジェスト〜ベスト盤。廉価なサンプラー盤ではないかと侮るなかれ!‥‥〈Dance To The Music〉〈Everyday People〉〈Hot Fun In The Summertime〉〈Stand!〉〈Thank You〉〈Family Affair〉〈If You Want Me To Stay〉など、Sly & The Family Stoneの代表曲は殆ど収録されている。全16曲(モノ・ヴァージョン9曲、シングル・マスター9曲、ライヴ2曲、未発表3曲)。写真や解説、メンバーのコメントなどを記載したブックレット(24頁)付き。モノ・ヴァージョンは当時ラジオから流れて来たヒット曲を彷彿させて感慨深い(Sly Stoneは薬物中毒に陥ってから、長らく世捨て人のような隠遁生活を送っていたらしいが、33年振りにリリースされたFunkadelicのニュー・アルバム《First Ya Gotta Shake The Gate》に参加している)。昨今の超高い「ボックス・セット」ブームは洋楽リスナーにも新たな格差を生み出している。お金と時間と居住空間に余裕のある一部の洋楽マニアやコレクターたちを狙った高額商品なのでしょうか?

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    「渋谷タワレコ・クリアランス」(1/2~6)に行って来ました。2015年は薄暗いB1から明るい8F(SpaceHACHIKAI)へ会場を移して開催。「ROCK」「SOUL」「HIP HOP」「CLUB MUSIC」「JAZZ」「CLASSICAL」など約2万枚(チラシには「約20,000万枚の輸入CDアルバムやDVDを¥290〜のお得な価格でご提供!!」と誤記されている)‥‥規模は縮小されたものの、CDアルバムの背表紙は多少見易くなったかもしれません。「WORLD MUSIC」のワゴンも復活。相変わらずセドリ風情の輩が床に座って大量に奪取したCDの品定めをしていましたが、某中古CDショップに数日後「未開封新品」として数倍の値段で出回ったりします。今回は厳選して6枚しか購入しなかったので、秋から開催されていた各店舗のクリアランスで入手したアルバムを何枚か紛れ込ませました。1月も各店舗でクリアランスが再開されたり‥‥1年中セールしているような錯覚に陥ります。

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    • ¥290(税抜 ¥269)×6+¥100(税抜 ¥93)=1840円の出費です^^;

    • Frankie Roseのアルバム《Interstellar》(Slumberland 2012)は100円だった!

    • 「タワレコ・クリアランス 2015」のアルバム(画像)をアップしました
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    Daughter Of The Spring

    Daughter Of The Spring

    • Artist: Mor Karbasi
    • Label: Le Chant Du Monde
    • Date: 2011/03/12
    • Media: Audio CD
    • Songs: La Hija De La Primavera / Un Beso De Vida / Yasmin / Niña De Mi Alma / Ay Ke Buena / Morenika Sos / Dezile A Mi Amor / La Kantiga De Los Madres / Cuando Vuelvas / Asentado En Mi Ventana / El Pastor / Volveremos / Arvoles


    Maldigo

    Maldigo

    • Artist: Liliana Herrero
    • Label: Sony Import
    • Date: 2013/09/10
    • Media: Audio CD
    • Songs: Bagualín / La Garra Del Corazón / Garzas Viajeras / Oye Niño/ Run Run Se Fue Pal Norte / El Mar/ La Diablera / El Salitral / Marte / Casamiento De Negros / Trabajo, Quiero Trabajo / Pastor De Nubes / Milonga Para La Muerte


    Unas Horas

    Unas Horas

    • Artist: Lucio Mantel + Cuarteto De Cuerdas
    • Label Acqua Records
    • Date: 2013/07/30
    • Media: Audio CD
    • Songs: Bailar Con Tu Sombra / Polka Mar / Punto De Fuga / Para Ir / El Boliche / Llueve / Refugio / Solar / Todo / Algo / Tunel / Joga


    Interstellar

    Interstellar

    • Artist: Frankie Rose
    • Label: Slumberland
    • Date: 2012/02/21
    • Media: Audio CD
    • Songs: Interstellar / Know Me / Gospel / Grace / Daylight Sky / Pair Of Wings / Had We Had It / Night Swim / Apples For The Sun / Moon In My Mind / The Fall


    Heavy Trash

    Heavy Trash

    • Artist: Heavy Trash
    • Label: Yep Roc Records
    • Date: 2005/04/19
    • Media: Audio CD
    • Songs: Dark Hair'd Rider / Lover Street / The Loveless / Walking Bum / Justine Alright / Under The Waves / The Hump / Mr. K.I.A. / Gatorade / This Day Is Mine / Fix These Blues / Take My Hand / Yeah Baby


    Revolution Now

    Revolution Now

    • Artist: Captain Sensible
    • Label: Easy Action
    • Date: 2013/06/25
    • Media: Audio CD
    • Songs: Missing The Boat / Smash It up (Pt4) / Toys Take Over / S.2 / A Riot On Eastbourne Pier / Wake Up (You're Only Dreaming) / Green Light / Lib 2/3 / Revolution Now / Phone In / I Get So Excited / Vosene / The Kamikaze Millionaire / Exploding Heads & Teapots (Past Their ...Prime) / The Coward Of Treason's Cove


    Higher! Higher! Best Of The Box

    Higher! Best Of The Box

    • Artist: Sly & The Family Stone
    • Label: Sony Legacy
    • Date: 2013/08/27
    • Media: Audio CD
    • Songs: Dance To The Music / Sing A Simple Song / Underdog / What's That Got To Do With Me / Everyday People / Hot Fun In The Summertime / M'Lady / Stand! / Thank You / You're The One / Trip to Your Heart / If You Want Me To Stay / Small Fries / I Remember / ...Crossword Puzzle / Family Affair

    C O M M E N T E D A R T I C L E S 2 0 1 5

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  • C O M M E N T E D A R T I C L E S 2 0 1 5141312111009

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    • コメントした記事のリンク一覧(2015)です。リンクが流れちゃうのは勿体ないよね

    • ブログ内(sknys)、ソネ風呂内(sonet)、ソネ風呂外(guest)で色分けしました

    • 写真は「クリアランスセール 2015」で購入したCD ‥‥中央のMor Karbasi嬢から時計回りに、Captain Sensible、Bon Iver、Frankie Rose、Sly & The Family Stone、Olga Roman、Lucio Mantel、Heavy Trash、Crowded House、Liliana Herrero ^^;
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    そして‥‥誰もいなくなった

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  • アメリカ合衆国大統領は、オマハ戦闘司令室に「指令Z」を発令した。つまり「最後の指令」だ。「攻撃目標は中国‥‥。それにソ連!」/ ソ連の首相も同時刻に、HQ(シベリアの攻撃本部)におなじ意味の指令をだしていた。/「攻撃目標は、アメリカ、中国!」/ 中国北部の砂漠地下壕にある中国指令センターでも、おなじだった。/「目標はアメリカ‥‥ソ連!」‥‥終末への大行進が始まった。// 地球をとりまく成層圏の各所で、核ミサイルと核ミサイルがであい、ぶつかり、破壊しあった。/ しかし、その破壊をまぬがれたミサイルも破壊されたものと、ほぼ同数あったのだ。/ そのミサイル群は高空から地上へ、何百万‥‥いや何千万ものひとびとの住む都市へと落下していった。/ その日、196X年4月13日。夕刻‥‥世界じゅうのひとびとは頭上から "死" がおちてくることを、まだ、だれも知らなかった。// ニューヨークに閃光がきらめいてから、百秒後に戦争は終わっていた。/ 世界じゅうの約3分の2のひとびとが死んでいた、/ しかし、まもなく、生き残った3分の1のひとびとの頭上にも、死は灰のかたちでふってきた‥‥。
    石森 章太郎 「そして‥‥だれもいなくなった」


  • 「そして‥‥だれもいなくなった」(1967)は週刊少年マガジンに前・後編2回に分けて掲載された中篇コミック。僅か60頁という短さにも拘わらず、その集積された密度は濃い。独立した5つのマンガが同時進行するオムニバス実験作品である。サイレント4コマ・マンガの「シアワセくん」、東西冷戦下の核戦争を1コマの絵と文章で描く「指令Z」、父親を殺された青年がワナピー(大型シカ)に復讐する「しばり首の木」、お転婆女子学生が活躍する熱血青春学園ドラマ「ゴリラがいく」、西側のスパイとなった青年が恋人と一緒に東ベルリンから西へ逃走するサスペンス劇「脱出」‥‥ギャグからストーリ・マンガ、ドキュメント・タッチの劇画まで、タイプの異なる5つの物語。全く関係ないと思われた5つの世界が最期に消滅してしまう。タイトルはアガサ・クリスティの同名ミステリからの借用だが、ストーリは別もの。マルチ画面に分割されて同時進行する「オムニバス映画」のようなスケールの大きさに圧倒される。

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  • 「シアワセくん」
  • 背中に赤ん坊を背負った子供として描かれるシアワセくん。桜の木の枝からブラ下がった蓑虫を見て歯磨きを忘れていたことに気づいたり、シロクマの親子を見て背負っていた赤ん坊を下ろして這わせたり、飛び跳ねている川の魚を見て大きなバケツに取り替えたり、レストラン「ホッテントット」で食事をしたり、女性に連れられて散歩するダックスフンドを見て2匹の犬を繋げて胴長にしてみたり、西洋人を見て自分の鼻を大きくしたり、無人島で人食い人種に襲われたり、泥棒ネコに盗られた魚を口から釣り出そうとしたり‥‥ホノボノとしたサイレント・4コマ・マンガになっている。シアワセくんは子守りをして歩いていることが多いのだが、その場所やシチュエーションは千差万別、日本国内だけでなくアラスカ、アフリカ、無人島、中国‥‥と世界を旅する。その突飛な行動は子供らしい連想に基づいているし、心和むユーモアにも溢れている。

  • 「ゴリラがいく」
  • 慌てて駆け寄って来たフーセンがマッスグとゴリラ(女生徒の渾名)に助けを求める。明朗学園内で行なわれた旧校舎跡の娯楽センター建設に反対する「フォークソングの集い」を番長グループが妨害して喧嘩になったという。傷ついたマッスグとコオロギを介抱したゴリラとフーセンは教頭先生から厳重注意される。負傷した2人を医務室に連れて行く途中で、番長グループに因縁をつけられるが、ゴリラは相手を一蹴。校庭で「学園に自由を」というプロテスト・ソングを歌うゴリラたち。教頭に学外へ追い払われた彼女たちは不良たちに搦まれて、再び乱闘が起こる。この騒動にゴリラの祖父や教頭、PTA会長が駆けつけると、拳銃を手にした会長の娘・美也が現われて、父親が不良たちを雇って娯楽センター建設反対派の人たちを脅し、教頭に賄賂を渡して旧校舎跡地を買収したことを暴露する。美也は銃口を自分に向けて父親の奸計を阻止しようとするのだった。

  • 「脱出」
  • 船着き場に降りて来た青年ハイネがベンチに座っている中年男からマイクロ・フィルムを密かに受け取る。しかし、その直後に別れた男は射殺され、運河に跳び込んだハイネも左腕に傷を負う。ハイネは恋人と西ベルリンへ亡命するために西側のスパイとなったのだ。アパートに逃げ帰ったハイネは恋人のベルと一緒に非常口から屋根伝いに逃走する。追っ手のクルマと銃撃戦の末、2人は封鎖されている地下鉄内に侵入し、秘密の抜け穴から脱出しようとするが、ベルが射殺されてしまう。恋人の亡骸を抱いて西ベルリンへ逃れたハイネは「こんな自由なら、ぼくはほしくない、ほしくないんだ〜っ」と嘆く。冷戦下の東・西ベルリンを舞台にした脱出劇は「サイボーグ009」のハインリヒや「009ノ1」の女主人公ミレーヌ・ホフマンのエピソードでも描かれていた。東西冷戦時代の象徴でもある「ベルリンの壁」には核戦争の恐怖という血塗られたポスターがベッタリと貼りついている。

  • 「しばり首の木」
  • 猟銃を携えて雪原を旅する青年サムをコヨーテ(山イヌ)たちが尾け狙っている。草原を駆け抜けるシカの群れ‥‥ムース(ヘラジカ)を仕留めた2人の狩人にサムはワチピー(大型シカ)を追っていると告げる。「ハンギング・ツリー」(しばり首の木)と呼ばれて怖れられているボスジカ、しばり首の木のように大きな枝角を持つワチピーは父親を殺した憎き仇敵だった。サム少年は殺された父の前で復讐を誓った。雪山でワチピーの足跡と血痕を発見したサムは1頭のワチピーを殺した大きなアカグマに遭遇する。青年はアカグマを倒し、ワチピーの群れの中にいたハンギング・ツリーと対決する。あっけなく死んでしまったハンギング・ツリーの躰にはクマの爪痕があった。コヨーテの群れと対峙するサムに「‥‥サム、強いものが勝つ!/ これが‥‥大自然のおきてじゃ」という父親の臨終の言葉が響く。

  • 「指令Z」
  • 196X年4月13日午後3時40分‥‥米軍のVVオライオン爆撃機6機がフェイル=セーフ=ポイントまで約10分のところを北に向けて飛行していた。原爆を積んだ哨戒用編隊は攻撃命令がなければ、フェイル=セーフ=ポイントから引き返す。「フェイル=セーフ=ポイントまで、あと5分」‥‥爆撃手から発信されたメモを見たウェンディ中佐はフェイル=セーフ=ボックスの黄色いランプが赤(攻撃せよ!)に変わっていることに気づく。午後4時50分。オマハ戦闘司令室の編隊追跡レーダ=スクリーンの前では大騒ぎが起こっていた。第7編隊の爆撃機がフェイル=セーフ=ポイントを越えて中国の首都へ向かっていたからだ。司令室長官のホーカ将軍は大統領直通電話を手にした。アメリカ合衆国大統領も赤電話でソ連の首相に伝えた。「わが国の原爆搭載機が間違ってフェイル=セーフ=ポイントを越えて貴国に侵入した。撃ち落として構いません」と。ソ連の首相は直ちに伝言を中国へ報告したが、第7編隊がフェイル=セーフ=ポイントを越えて侵入したことを確認した中国がアメリカ本土へ13個の核ミサイルを発射した後だった。米大統領は「指令Z」を発令した。

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    アメリカ、ソ連、中国から発射された核ミサイル群が成層圏から地上へ落ちて来る。ニューヨークに最初の閃光が煌めく。最後の見開きページでは5つの物語の登場人物‥‥シアワセくん、マッスグ、ゴリラ、フーセン、コオロギ、PTA会長と娘の美也、サム、コヨーテ、ハイネやベルだけでなく、「サイボーグ009」「二級天使」「ボンボン」「となりのたまげ太くん」「怪傑ハリマオ」「にいちゃん戦車」「ゼロゼロ指令」「トキワ荘の住人たち」「自画像」「ミュータント・モグラ」など、石ノ森ワールドのキャラクターたちも原画を破いたようにズタズタに引き裂かれてしまう。《ニューヨークに閃光がきらめいてから、百秒後に戦争は終わっていた。/ 世界じゅうの約3分の2のひとびとが死んでいた。/ しかし、まもなく、生き残った3分の1のひとびとの頭上にも、死は灰のかたちでふってきた‥‥》。「そして‥‥だれもいなくなった」のである。

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    • 「石ノ森シリーズ」の第19弾です^^

    • 「石ノ森章太郎萬画大全集」(角川書店 2007)をテクストに使いました
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    そして‥‥だれもいなくなった  ── 石ノ森章太郎萬画大全集 5-10

    そして‥‥だれもいなくなった ── 石ノ森章太郎萬画大全集 5-10

    • 著者:石森 章太郎
    • 出版社:角川書店
    • 発売日:2007/02/28
    • メディア:コミック
    • 目次:そして‥‥だれもいなくなった / エスパーK / 狂犬 / イラストコレクション

    F A V O R I T E ー B O O K S 9

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  • サイタ×サイタ(講談社 2014)森 博嗣


  • Xシリーズ第5作目。童謡の歌詞に擬えた犯行声明をメディアに送りつける「チューリップ爆弾魔」。匿名人物から依頼された素行調査。「SYアート&リサーチ」の小川令子とバイトの芸大生・真鍋瞬市、永田絵里子は対象者・佐曾利隆夫のアパートを24時間張り込み、尾行する。過去に同棲していた野田優花へのストーキング疑惑。佐曾利を尾行中に見失った永田絵里子と真鍋瞬市は野田のマンションの駐輪場裏で友人女性の絞殺死体を発見する。爆弾魔と連続絞殺犯は同一人物なのか、素行依頼主は誰なのか?‥‥主犯らしき人物は出頭するが、真犯人も動機も推測の域を出ない。Xシリーズは次作で完結する? 161


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    猫のマジー

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  • SEASONS OF YOUR DAY(Rhymes Of An Hour 2013)Mazzy Star
  • 曲がりくねった木の枝に止まっている小鳥を見つめるネコの肢体が紫色のバックから影絵のように浮かび上がるアートワーク(インナーのトレイ下にも輪になった8匹のネコたちが描かれている)‥‥「90年代における最高のサイケデリア・バンドの1つ」と称されるMazzy Starの4thアルバムは幻想的な「猫ジャケ」だった。17年の年月を経ても彼らの音楽は変わらない。Hope Sandovalの夢見るような気怠いヴォーカルとDavid Robackのブルージーなギターがカリフォルニアの乾いた白昼夢を現出させる。スライドや変則チューニングによるギター・サウンドと浮世離れした儚げな女性ヴォイスは水を求めて砂漠を彷徨う旅行者(ネコが水先案内する?)や桃源郷を目指す探検家の姿を想わせなくもない。〈Spoon〉では故Bert Janschがスライド・ギターで客演。Colm Ó Cíosóig(MBV)もギター、ベース、キーボード、ドラムスでゲスト参加している。

  • CATNIP DYNAMITE(Oglio 2009)Roger Joseph Manning Jr.
  • Beckのアルバムやツアーにも参加しているRoger Joseph Manning Jr.(Jellyfish)の2ndソロ・アルバム。風変わりなタイトルの「Catnip Dynamite」とはダイナマイトの形に模した可愛いネコ用玩具の名称(CDトレイ下に実物の写真がある)で、ネコの大好きな「犬ハッカ」(catnip)の匂いがするという。V字に走る赤い稲妻、左の目から流れる涙、不気味なキノコ雲、リヴェット服のカセット・テープ・ヘッド男、赤い唇、ハイウェイ‥‥などがコラージュされた夜の都会を1匹の白ネコが歩く。ポップでキッチュなアルバム・カヴァからはネコの体内に仕掛けられた時限爆弾をカセット男が遠隔操作しているような不穏な空気も漂う。インナー・ブックレットにはリヴェット・ジャケを着たRoger Joseph Manning Jr. やキーボードに凭れて立つ愛猫の写真もある。国内盤(Pony Canyon 2008)よりも2曲多いUS盤はボーナス・トラックとして「フジ・ロック」のライヴ3曲を追加収録。

  • MMM… GUMBO?(Universal 2008)Room Eleven
  • Room Elevenはオランダ出身の5人組。紅一点Janne Schraのヴォーカルにギター、ベース、ドラムス、キーボードという編成でジャズやタンゴ、ポップスなどを流麗に奏でる。不思議なのは《Six White Russians And A Pink Pussycat》(2006)というタイトルのデビュー・アルバムに子ネコちゃんの姿はなく、2ndに黒ネコが登場していること。赤い水玉模様のフレンチ・スリーヴに白いエプロン姿の女性(Janne Schra)と彼女の赤いタイツの足許に纏わりつく黒ネコちゃん。右手に持ったボウルから青い絨毯の上に白い生地が零れているのに、ネコは見向きもしない。オーブン・レンジのある左側(裏カヴァ)では口髭を蓄えたメンバー4人が食卓を囲んで料理が出来上がるのを待っている。アルバム・カヴァ(歌詞ブックレット)を捲ると、Janne Schraの運んで来たケーキ(赤いローソクが1本だけ立っている)にメンバーが見入っているという趣向。テーブルの前で寝ている黒ネコちゃんが全く興味を示していないことからも、余り美味しそうなケーキではないと想像される。

  • SLEEPWALKERS(Samadhi Sound 2010)David Sylvian
  • シルヴィ庵が過去にコラボした作品やゲスト参加した楽曲を集めたコンピレーション盤にはSteve Jansen、Nine Horses(David Sylvian、Steve Jansen、Burnt Friedman)、坂本龍一、Christian Fennesz、高木正勝、渡邊琢磨との共作など16曲が収録されている。しかし、アルバム最大の魅力(魔力?)は一見バットレディみたいな黒いマスクを被ったヌード女性のカヴァ・アートワークにあるかもしれない。女性写真家クリスタマス・クローシュ(Kristamas Klousch)のセルフ・ポートレイトは今日流行っているコスプレや自撮り写真とは次元が異なる。3面見開きデジパックのインナーには「Little Apple」というタイトルの全裸フォトも隠匿されている(彼女の公式サイト「Selfportraiture」ではエロティックでデンジャラスすぎる写真の数々を閲覧出来るのだ)。アルバム・カヴァはバット・ガールにもキャット・ウーマンにも見えるけれど、「Bastet」(古代エジプトの猫の女神)という作品名だったので「ネコード」に認定しました。

  • TAPES(!K7 2012)Foals
  • The Rapture、The Big Pinkに続くミックスCDシリーズ第3弾。英オックスフォード出身の5人組Foalsが選曲したミックステープなので、いわゆるリミックス・アルバムとは異なり、彼らの楽曲は収録されていない。 Clark、The Invisible、Blood Orange、Marshall Jefferson、Tony Allen、 Caribou、Konono N°1、Carl Craig、Frankie Knuckles‥‥などによるオリジナルやリミックス22曲が70分以上に渡ってノンストップで続く。ディスコやクラブで踊るためのハウスやテクノ・ミュージックをDJミックスしてCDに凝縮。自宅の居間やベッド・ルームでも気儘に踊れて手軽に聴ける。陽気で愉しいパーティ音楽なのに、アルバム・カヴァに描かれている7匹のネコたちは口を開けて笑っている黄色いネコ以外は皆さん不機嫌で性悪そう。しかも緑、黒、白の4匹は太々しく煙草を咥えている。裏カヴァやインナー・スリーヴの白ネコもボスらしく堂々としているのだ。

  • 12TH HOUSE(Not Not Fun 2013)Group Rhoda
  • Group Rhodaは米サンフランシスコ在住のMara Barenbaumによるソロ・プロジェクト。アナログ・シンセが蠢くダークでダビーな空間に、クールで気怠いヴォイスが浮游する。デビュー・アルバム《Out Of Time - Out Of Touch》(Night School 2012)のカヴァはドアの開いた室内から屋外を撮った写真だったが、2ndはメアリー=エリザベス・ヤーボロー(Mary-Elizabeth Yarbrough)による「猫ジャケ」である。「TVやインターネットなどのメディアから取り出したポップカルチャーのイメージを様々な色のテープを細かく切り貼りして緻密に描く」彼女の画法は小さなCDサイズでは分かり難いし、描かれたネコたちも見逃されてしまいそう。表カヴァには青い空の見える山の洞窟のような場所の左下に茶色い濃淡の2匹のネコがいるし、裏カヴァには白い雲が棚引き、無数の直方体の岩石がビルや墓石のように屹立・聳立する上に1匹の黒灰色のネコが寝そべっている。可愛いネコたちの存在に気づいた人だけが享受出来る「ネコード」なのでしょう。

  • POEMSS(Planet Mu 2014)Poemss
  • 美術館ではなく、輸入CDショップで2匹の4つ目ネコちゃんと目が合ってしまった。8つの目に魅入られて、まるで魔法にかかったように目を反らせない。不思議な錯視感に襲われて焦点が合わないのは脳が一対の目しか同時に認識出来ないからなのだろうか。アメリカの画家ケイシー・ウェルダン(Casey Weldon)が好んで描いている4つ目のネコたち(Four-Eyed Cats)は視覚を混乱させる「だまし絵」なのかもしれない。Poemssはカナダ・ウィニペグ生まれのミュージシャンAaron Funk(Venetian Snares)とトロント在住のプロデューサJoanne Pollockの男女コラボ・ユニット。夢見るような女性ヴォーカルと催眠的な低音ヴォイスがメランコリックでユーフォリックなシンセと混じり合って化学反応を起こし、夢幻的で気味悪くも心地良いエレクトロニカを創出している。現実には存在しない異形の小動物、不気味なのに可愛い4つ目ネコちゃんのように魅了される。

  • BEST THING + WITHOUT WINGS(Boutique 2008)Grow Up
  • 黒ネコは時々見かけるけれど、真っ白いネコは滅多に出合わない。音符と鍵盤をデザインしたシャツを着た男性に抱かれているアルバム・カヴァ(白黒写真)のネコちゃんも額の左右が黒っぽく写っている(ブックレットに掲載されているトリミング前の写真では眼鏡と蝶ネクタイの青年が両手でネコを逃げないように抱きしめていることが分かる)。Grow Upは1978年に英マンチェスター・ロッチデールで結成されたJohn Bisset-Smith(ベース、ギター、ピアノ、ヴォーカル)を中心とする5人組。ベースとドラムスにトロンボーンとサックス&クラリネットというメンバー構成が珍しい。尖ったニュー・ウェイヴというよりも、後のネオアコに近い肌触り。世に出るのが早すぎたバンドだったのかもしれない。デビュー・アルバム《Best Thing》(Object 1979)と2nd《Without Wings》(Up 1981)にシングル曲や未発表デモ音源などを加えた全42曲を2CDにコンパイルした完全版。

  • FOEVER I CAN PURR(Columbia / Murrayfield 2012)The Dodoz
  • The Dodozはフランス・トゥールーズで結成された4人組。Jules Cassignol、Vincent Argiolas(ギター)、Géraldine Baux(ベース)、Adrien Cassignol(ヴォーカル、ドラムス)という編成(JulesとAdrienは双子の兄弟)で、紅一点のGéraldineを3人のメンバーがコーラスでサポートする。全曲英語のヴォーカルは可愛いく、サウンドは硬質でパンキッシュ。2本のギター・アンサンブルは技巧的に響く。メンバー4人がマウンテン・バイクやオートバイに乗っているモノクロのカヴァ写真は「FOEVERICANPURR」というタイトルに因んだもので(アルバムには〈I Can Purr〉という曲も収録されている)、2人のメンバーの持つリードに繋がれた2匹のネコちゃんも一緒に写っている。左のバイクに掛けてあるジージャンの背中には「THE DODOZ」のロゴとネコのイラストが付いている。有望なフレンチ・バンドだったが、2014年3月「Facebook」で解散を表明した。

  • COMPTOIR MONTE LE SON(Créations Nelson 2011)Various Artists
  • 仏ファッション・ブランドのコントワー・デ・コトニエ(Comptoir des Cotonniers)が企画したコンピレーション・アルバム。一般募集したコンクールの入賞曲も含む全19組、19曲(ライヴ9曲)。多くのミュージシャンやバンドが参加しているが、Nouvelle Vague、The Go! Team以外は寡聞にして知らない。新人気鋭のアーティストが多いのかもしれない。アルバム・アートワークも公募による入賞作品だという。自社ブランドを身に纏ったと思しき2人のネコ娘たち‥‥向かって左のジージャン娘はロッカーに立て掛けてあるポータブル・キーボードに右手を置き、右のTシャツ娘はストラトキャスターを弾いている(ギターの大きさから少女ではないかしら?)。猫マスクを被ったコスプレではなく、コラージュだと想われるが、違和感なく「ネコ娘」と化している。Florent MarchetがJane Birkinとデュエットした〈Roissy〉は仲睦まじい雰囲気。Hey Hey My Myの〈Not Fun Anymore〉はバンド名だけで笑えます。

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    • お気に入りの猫ジャケ10枚を紹介する「ネコード」シリーズ第8集です^^

    • すべて自腹で購入しました(《Catnip Dynamite》だけは中古盤で入手にゃん)

    • アルバム・タイトル前の ◆ をクリックすると、拡大した「猫ジャケ」が見れます
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    Seasons Of Your Day

    Seasons Of Your Day

    • Artist: Mazzy Star
    • Label: Rhymes of An Hour
    • Date: 2013/09/24
    • Media: Audio CD
    • Songs: In The Kingdom / California / I 've Gotta Stop / Does Someone Have Your Baby Now? / Common Burn / Seasons Of Your Day / Lay Myself Down / Sparrow / Spoon / Flying Low


    Catnip Dynamite

    Catnip Dynamite

    • Artist: Roger Joseph Manning Jr.
    • Label: Oglio Records
    • Date: 2009/02/03
    • Media: Audio CD
    • Songs: The Quickening / Love's Never Half As Good / Down In Front / My Girl / Imaginary Friend / Haunted Henry / Tinsel Town / The Turnstile At Heaven's Gate / Survival Machine / Living In End Times / Drive Thru Girl / Europa And The Pirate Twins / You Were Right / Lov...


    Mmm...Gumbo?

    Mmm...Gumbo?

    • Artist: Room Eleven
    • Label: Universal
    • Date: 2008/03/13
    • Media: Audio CD
    • Songs: Hey Hey Hey! / What Will It Be? / Lalala Love / Looking At My Feet / Swimmer / Ode / Lovely Morning / Seeds / Not Jealous / Shyness / Always / Rainy Day In The Sun / A Little Of Me


    Poemss

    Poemss

    • Artist: Poemss
    • Label: Planet Mu
    • Date: 2014/02/11
    • Media: Audio CD
    • Songs: Ancient Pony / Heads On Heads / Bedtime / Moviescapes / Miles Away / Gentle Mirror / Think Of Somewhere Nice / Losing Meaning / Hall Of Faces / Think Of Something Beautiful


    Comptoir Monte Le Son

    Comptoir Monte Le Son

    • Artist: Various Artists
    • Label: Imports
    • Date: 2011/10/11
    • Media: Audio CD
    • Songs: Odile / Chanson D'Amour A La Batterie / Dancing With Myself / I Think I like U 2 / Hey you / I've Got A World / Not Fun Anymore / How Would You Do It / Thinking Of Thinking / Roissy / P.Nis / Slippin / Relax / Butterfly In My Stomach / Ready To Go Steady / I Own You / ...

    スニーズ・ラブ 1

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  • ♭ ジェシカ・プラット(2015-02-01)
  • Jessica Prattの2ndアルバム《On Your Own Love Again》(Drag City 2015)がリリースされたのに、タワレコにもディスク・ユニオンにもない。アマゾンも「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です」と表示されている(2015年2月1日現在)。ネットでリアル店舗を調べたら、下北沢のセレクト・ショップ「オトノマド」に入荷していた。久しぶりのシモキタですが‥‥いつ来ても迷ってしまう。Jessica Prattは米カリフォルニア出身のギター弾き語りSSW。ファニー・フェイスでファニー・ヴォイス。CDは見開き紙ジャケ仕様(全9曲、32分)。デビュー・アルバム《Jessica Pratt》(Birth 2013)は東京都写真美術館(大規模改修工事のため休館中。2016年秋にリニューアル・オープンの予定)のミュージアムショップ「NADiff X10」で購入したのだった。彼女も「黒ネコ」が好きらしい。

  • ♭ 黒猫の三角(2015-02-07)
  • 実写版TVドラマ「すべてがFになる」(CX 2014)が酷かった(初回の再放送だけ視聴!)ので、Vシリーズの「瀬在丸紅子の事件簿~黒猫の三角~」(2015)にも過度の期待はしていなかった。でも、瀬在丸紅子(檀れい)、保呂草潤平(萩原聖人)、小鳥遊練無(千葉雄大)、香具山紫子(相楽樹)、根来機千瑛(長塚京三)、林警部(神保悟志)という配役に惹かれて視てみた。紅子役の檀れいは兎も角、紫子は優等生風、林警部はコミカルに、執事の根来にビックリ?‥‥時代設定は現代(2014年)に変更されているけれど、原作のレトロ感を忠実に継承。瀬在丸紅子の「ブリティッシュ・ロックよ。それ以外は、私には音楽じゃないの」という名セリフも再現されている。黒猫のデルタちゃんも好演にゃん。『黒猫の三角』(講談社 1999)をコミック化した皇なつきさんも「割と楽しめましたw黒猫の三角」と呟いています。続編はあるのかしら‥‥モノホンの保呂草潤平役は誰にゃん?

  • ♭ 緑のコズモ(2015-02-14)
  • 某レコード・ショップで《Green Cosmos》(Menlo Park 2005)の中古CDを入手した。国内盤《緑のコズモ》(Tado 2005)は紙ジャケ仕様だったが、輸入盤は通常のジェルケース。白いトレイは日焼けして変色していたけれど、ミント色のCDは綺麗(12インチ盤もグリーン・ヴァイナル)。Deerhoofによる7曲入りEP(5曲が日本語歌詞)で、アルバム・タイトル、曲名、歌詞は共に日本語と英語を併記している。〈あひるを見においで〉〈緑のコズモ〉〈マララウマ〉〈うず巻くゴールデンタウン〉〈ミントの気球〉〈子猫〉〈ビュン〉という日本語タイトルを眺めているだけでも愉しい。アルバム・カヴァはゴールデン・ゲート・ブリッジ(?)にネコや蟹や兎などをコラージュしたイラストで、水色の球体らしきものも浮かんでいる。〈マララウマ〉(Malalauma)って一体何かしら?

  • ♭ ポー怪奇幻想集(2015-02-21)
  • エドガー・アラン・ポーの原作にカラー・イラストを添えたヴィジュアル・ストーリ・ブック。第1集[赤の怪奇]は「告げ口心臓」「楕円形の肖像画」「アナベル・リー」「赤死病の仮面」の4篇、第2集[黒の恐怖]は「ひょこ蛙」「鴉」「黒猫」の3篇を収録。ポーの短篇や詩は今日的には「ゴシック&ホラー」と呼ぶべきものだが、スペイン生まれのイラストレータ、ダヴィッド・ガルシア・フォレス(David Garcia Fores)のイラストはグロテスクなのに余り怖くない。ブライス(Blythe)人形やティム・バートン(Tim Burton)のアニメにも通じるデカ目キャラはキモ可愛い。金原瑞人による新訳も読みやすい。元々デジタル・ブックとして出版されたらしく(世界初の書籍化!)、サントラやアプリなども公式サイト「iPoe Collection」からダウンロード出来ます。

  • ♭ 市民ゾンビ(2015-02-28)
  • The Pop Groupが35年振りに3rdアルバム《Citizen Zombie》(Freaks R Us 2015)をリリース。Mark Stewart(ヴォーカル)、Gareth Sager(ギター)、Dan Catsis(ベース)、Bruce Smith(ドラムス)というオリジナル・メンバーで、John Waddington(ギター)は不参加。Paul Epworth(Adele、Paul McCartney、Florence & The Machine、U2‥‥)のプロデュース。全11曲、40分。紙ジャケ仕様で、モノクロ・反転カラーの「リミテッド・エディション」(2CD BOX SET)には4曲入りEP《Versions Galore》とパッチ、アート・カード(2種)、ポスト・カード、パッチ(白地に「THE POP GROUP」の文字)、ステッカーが同梱されている。付録には余り期待していなかったけれど、「CITIZEN ZOMBIE」のパッチ(黒と黄色の刺繍)はジージャンやジーンズなどに貼れば映えるかもしれませんね。

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    • 別館ミニ・ブログ「スニーズラブ」シリーズの一覧集(2015-02)です^^;

    • リンク画像が左に重なって見難いので、サイドバーを右側にレイアウトしました。「SKIN SWITCHER」でデフォルトに戻せるにゃん
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    On Your Own Love Again

    On Your Own Love Again

    • Artist: Jessica Pratt
    • Label: Drag City
    • Date: 2015/01/27
    • Media: Audio CD
    • Songs: Wrong Hand / Game That I Play / Strange Melody / Greycedes / Moon Dude / Jacquelyn In The Background / I've Got A Feeling / Back, Baby / On Your Own Love Again


    瀬在丸紅子の事件簿~黒猫の三角~

    瀬在丸紅子の事件簿~黒猫の三角~

    • 原作:森 博嗣
    • 出演:檀 れい / 萩原 聖人 / 神保 悟志 / 千葉 雄大 / 相楽 樹 / 川上 麻衣子 / 長塚 京三
    • 制作:フジテレビ
    • 放送日:2015/02/06
    • メディア:TV


    Green Cosmos

    Green Cosmos

    • Artist: Deerhoof
    • Label: Menlo Park
    • Date: 2005/06/28
    • Media: Audio CD
    • Songs:Come See The Duck / Green Cosmos / Malalauma / Spiral Golden Town / Hot Mint Air Balloon / Koneko Kitten / Byun


    ポー怪奇幻想集 1[赤の怪奇]

    ポー怪奇幻想集 1[赤の怪奇]

    • 著者:エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)/ 金原瑞人(訳)
    • イラストレーション:ダビッド・ガルシア・フォレス(David Garcia Fores)
    • 出版社:原書房
    • 発売日:2014/09/29
    • メディア:単行本
    • 目次:まえがき / 告げ口心臓 / 楕円形の肖像画 / アナベル・リー / 赤死病の仮面 / スケッチブック / ポー 生涯と作品 / 解題 / 訳者あとがき


    Citizen Zombie

    Citizen Zombie

    • Artist: The Pop Group
    • Label: Freaks R Us
    • Date: 2015/02/24
    • Media: Audio CD(2CD+Accessaory)
    • Songs: Citizen Zombie / Mad Truth / Nowhere Girl / Shadow Child / The Immaculate Deception / S.O.P.H.I.A. / Box 9 / Nations / St. Outrageous / Age Of Miracles / Echelon // Zombie [Land] / The Immaculate / Shadow [Master] / Echelon [Instro Mental]
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